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『インビンシブル』の次はこれだ!おすすめのコミック8選

おかげさまで人気に火が付き始めたアマゾンプライム配信『インビンシブル ~無敵のヒーロー~』

シーズン2、3の製作も決定し、原作コミックも好調な売れ行きだそう。

さて、カートゥーン版をご覧になった方にはもちろん原作コミックを読んで頂きたいのですが、中には既に読んでしまったという人や、ネタバレが嫌なので似た作風の違うコミックに挑戦してみたいという方も少なからずいるのではないでしょうか。

そんな人のために、今日の記事では INVINCIBLE にハマった方へおすすめしたい8つのコミック作品をチョイスしてみました!

それでは早速。

1.THE FLASH BY MARK WAID & BY GEOFF JOHNS ( DC )

マーベルと比べて DC はスーパーヒーローの世代交代が比較的うまい印象があります。

とりわけその代表格として頻繁に挙げられるのがクライシス事件( CRISIS OF INFINITE EARTHS )で先代フラッシュのバリー・アレンが死亡してしまった後、新たにフラッシュのスーツに袖を通した元キッドフラッシュことウォーリー・ウェスト

最初は重責に戸惑っていた彼ですが、やがて先代に勝るとも劣らないスピードスターへ成長し、バリーがフラッシュとして復活した今でも絶大な人気を誇ります。


ウォーリーの活躍としてはマーク・ウェイドの連載とジェフ・ジョーンズの連載が代表的なものとして挙げられるので、順番に前者から読むのもよし、後者から読んでも特に問題はありません。

個人的にジョーンズ版は”レガシー”をテーマにしており先代であるバリーが犯した罪などにも迫るというあたり、 INVINCIBLE とも似通ったところがあるかなーと思ったり。


ウォーリー以外にも DC の次世代系ヒーローとしては、グリーン・ランタンのカイル・レイナーや同じくジョーンズが手がけたティーン・タイタンズの連載などがおすすめです。


また、現在スーパーマンことクラーク・ケントの息子であるジョンがスーパーボーイとして活躍していますが、2021年7月からは(なにかしらの事情により)彼が新たなスーパーマンとして活躍する SUPERMAN: SON OF KAL-EL が始まりますのでそちらもチェックしてみるといいかも。


2.STARMAN ( DC )

人気の高い次世代系スーパーヒーローとして頻繁に名前が挙がる人物としては、スターマンことジャック・ナイトも有名です。

初代スターマンの息子である彼の活躍を描いた90年代の連載は当初はやる気がなかったジャックが、徐々に新スターマンとしての自覚を持ち始めるというストーリー。

ジェームズ・ロビンソントニー・ハリスによるやや変化球の作風でカルト的な人気を誇り、今でも復活を求める声が聞かれることも。


書籍版は長らく入手困難となっていましたが、この度1500ページ近い分量のコンペンディウム・エディションが2021年8月に刊行される運びとなりました。

興味が湧いた方は是非この機会に読んでみて下さい。


3.SPIDER-GIRL ( MARVEL )

先程マーベルは比較的世代交代が苦手と書きましたが、平行世界上の話だと比較的うまくいっている印象です。

本作は正史のマーベル・ユニバースより少し未来の MC2 という世界観を舞台にした作品で、ピーター・パーカーとメリー・ジェーンの娘メイデイが父親と同じ能力を持つスパイダーガールとして活躍します。

あのヒーローの息子だとかあのヴィランの娘だとかといった人気キャラクターの次世代もたくさん登場。

INVINCIBLE ほど派手な作風ではないにせよ、連載が終了して久しい現在でも人気の高い作品です。


なお、これとはまた別の平行世界でスパイダーマンの娘アナが登場する AMAZING SPIDER-MAN: RENEW YOUR VOWS なんかもおすすめです。


4.THE MIGHTY ( DARK HORSE )

『インビンシブル ~無敵のヒーロー~』で世界最大のヒーロー、オムニマンの裏切りに驚いた方も多いかと思います。

そんな方におすすめしたいのが、いわゆるスーパーマン型のヒーローによる陰謀を描いた本作。


長年スーパーヒーローとして活躍し続け、世界中で崇められる超人アルファ・ワンが、自らの理想のため陰謀を張り巡らせていくストーリーです。


ちなみにライターのピーター・J・トマーシはその後、 DC で本家 SUPERMAN の連載を手がけました。

対比してみても面白いかもしれません。


5.MIRACLEMAN ( MARVEL )

スーパーヒーローの以外な素顔という点でおすすめしたいのが本作。

アラン・ムーアが初期にライティングを手がけた名作中の名作で、長らく版権問題で入手困難となっていたものの2013年にようやく解消しマーベルから刊行されました。


中年男マイク・モーランが長らく失っていたミラクルマンとしての記憶を取り戻すことに端を発し、超人の存在を巡り世界全体が巻き込まれるストーリーが展開されます。

INVINCIBLE とはやや異なる作風ですが、驚愕の展開という点では勝るとも劣らない作品です。


あと、暴力描写については画風がややリアルな分、 INVINCIBLE よりきついかもしれないのでご注意を・・・。


6.HENCHGIRL ( DARK HORSE )

スーパーヒーローの子供がヒーローになると思った?

そうはどっこい。

反発してヴィランの側についてしまうこともあります。


本作はヒーローである両親に反発して悪の配下になってしまった少女のお話。

小気味よいテンションに時折まじる毒がなんとも病みつきになる作風です。


派手な暴力描写はほぼないので、 INVINCIBLE のストーリーは面白かったけれどグロはちょっとなー、という方にもおすすめです。


7.WANTED ( IMAGE )

INVINCIBLE が世界最大のヒーローの息子を描いた作品だとすれば、本作は世界最大のヴィランの息子を描いた作品。

マーク・ミラー原作の本シリーズは映画化もされているため名前を聞いたことがあるという人も多いハズ。

しかし、映像版はスーパーヴィラン要素がほぼ抹消されてしまったため、原作とはかなり異なります。

コミックでは最高の暗殺者だった父の後を継いでスーパーヴィラン社会に足を踏み入れた青年が、ヴィラン同士の内乱に巻き込まれていくというあらすじ。


主人公のカジュアルな感じや派手な暴力描写、あるいは規模の大きな世界観で展開するストーリーなど、 INVINCIBLE が好きな方であればかなり好きになるのではないかと。


同じくマーク・ミラーがライティングを担当し、近日ネットフリックスで配信開始となる JUPITER'S LEGACY もおすすめです。

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8.MARVEL ZOMBIES ( MARVEL )

INVINCIBLE を手がけたライターといえばロバート・カークマンです。

ではロバート・カークマンのもうひとつの代表作は?

言うまでもなく THE WALKING DEAD ですね。

じゃあ、INVINCIBLE に THE WALKING DEAD を足し合わせたらどうなると思います?

MARVEL ZOMBIES になります。


ゾンビ化したマーベルヒーロー達が文字通り世界を食い尽くす本作。

実はこれもロバート・カークマンのライティングなんですねー。

しかもアートは CRIMINAL などで知られるショーン・フィリップス。


カークマンの暴力描写は(良い意味で)やや悪ノリ感があるのですが、本作ではそれがいかんなく発揮されています。


マーベルヒーローの格好いいイメージを崩したくないという方にはおすすめできないかも・・・というくらい、かなりはっちゃけた内容です。



以上、 INVINCIBLE にハマった方へおすすめしたいコミック8選でした。

他にも今回は紹介に至らなかったものの、スーパーヒーローの以外な素顔が明かされる作品や次世代ヒーローにスポットライトを当てた作品は豊富にあります。

もちろん、カークマンがライティングを手がけた SKYBOUND からの作品群もおすすめです。

『インビンシブル ~無敵のヒーロー~』を観た方も観ていない方も気になった作品があれば是非是非読んでみて下さい。


それでは本日もよいコミックライフを!


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カークマンとフランク・ミラーの対談覚え書き
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