4月も終わり5月に入ったので、今日は先月購入したコミックの中から気に入ったものをピックアップして紹介してみようかと。
新作中心ですが、中には過去作などもあります。
それでは早速。
Action Special 2020 One Shot
かつて英国で「過激すぎる」と非難を浴びた結果、休刊に追い込まれた雑誌を復刊したアンソロジー。
ガース・エニスやラム・Vなど、アメコミでも著名な顔ぶれが揃っています。
かつて ACTION 誌面に掲載されていた作品を意識した5作の短編が収録されており(別に元の話を知らなくても十分読めます)、どれもこぶりながら読み応えたっぷり。
改めてブリティッシュ・コミックのアンソロジーは強いな、と思い知らされました。
ちなみにエニスはここに収録された短編 HELLMAN AT THE TWILIGHT OF THE REICH でアイルランドのコミック賞を受賞しました。
ソ連軍の侵攻を目前に、ドイツ軍の戦車部隊を指揮する少佐と避難民の短い交流を描いた作品です。
個人的には近未来の監視社会を舞台に人々が殺戮マシンに呑み込まれていくヘンリー・フリントの短編 HELL MACHIN がいかにも英国らしいディストピア物で好みでした。
GEIGER #1
DC で DOOMSDAY CLOCK を手がけたジェフ・ジョーンズとゲイリー・フランクによるオリジナル新作の1号目。
単純にジョーンズの非 DC 作品というのが珍しいし、ましてシリーズとなるといつぶりでしょう?
なんにせよ、ゲイリー・フランクのアートが見られる作品はそれだけで必見です。
核戦争らしきものが起こった後、シェルターにいる家族を守るため、避難しそびれて放射線パワーを得た父親が戦うというあらすじ。
ノリはなんというか、専守防衛型北斗の拳?
ただ、主人公の正体とかシェルターの家族の生死ですとか、色々とミスリードがありそうな感じです。
なんとなく主人公がマーベルのレディオアクティブマンとダブります。
Non-Stop Spider-Man #2
スマートドラッグ(集中力などを高めるとかで学生の間で使用され近年問題になりつつあるドラッグ)を巡る陰謀に巻き込まれたスパイダーマンの活躍を描いたスピンオフ。
”Non-Stop”というだけあって息もつかせぬアクションが連続する作品です。
正直#1はケリーのストーリーもさることながら、バチャロのアートが密過ぎる印象でピンと来なかったんですが#2は自分の目が慣れたせいかより楽しむことができました。
スパイダーセンスの使い方が良いですよね。
わかりやすいことに加えて、オノマトペみたいな効果も発揮しています。
Batman The Detective #1
未来を舞台に老いたバットマンがヨーロッパへ GO 。
ゲストとして英国のヴィジランテ、ナイト&スクワイアが登場します(ただしナイトのコスチューム姿はなし)。
今のところは結構ストレートなストーリーですが、暗くなりがちな未来系バットマンのストーリーでもユーモアの見受けられたのは良かったですね。
なにげにバットマンに欠かせない要素ですよ、ユーモアは。
アンディ・キュバートのペンシルもさることながら、ブラッド・アンダーソンのカラーが想像以上に良かったです。
色のことについてほとんど無知なので、なんとなく赤と青が良いとしかコメントできないのが悔しいところ。
上の Non-Stop Spider-Man もそうですが、最近スーパーヒーロー物を買う際はクロスオーバーとかに巻き込まれにくいこうしたスピンオフを買う傾向にあります。
Locust #1
イナゴですよ!イナゴ!
ウイルスに感染した人間がイナゴ怪人に変身しちゃう系終末ものです!
とってもたのしー。
いや真面目な話、アートもストーリーも自分が期待していた以上で思ったより満足できる出来でした。
とりわけストーリーはもっとありきたりな感じになるものと思っていたので、テンポの良さなどにはちょっとびっくり。
最近日本の漫画の影響によるものなのか、映像作品からの影響によるものなのか、サクサク読み進められるものが増えてきた印象です。
PARANOIA KILLER #2
PANEL SYNDICATE から刊行されたヴィクター・サントスの新作。
コンセプトは「フィリップ・K・ディックでリボンの騎士」だそうです。
謎に包まれた傭兵部隊に生き別れた双子の弟として潜入する女性捜査官の話。
#1と#2をまとめて読んだんですが、諜報物でありながら随所に挿し込まれるトリッピーなシーンが面白いですね。
ジャック・カービィ好きな方は気に入りそう。
Original E-Man And Michael Mauser #3
何度か噂を耳にしていた作品を見かけたので在庫のある号だけ購入。
人間の形をしたエネルギー(E)の塊が地球を訪れてパートナーの地球人女性と冒険する話で、一部のファンからはカルト的な人気を誇る作品です。
今回手に入れたのはかつてチャールトンから刊行されていた内容をリプリントした80年代のシリーズ。
新作が掲載されている#6と#7はこれから読む予定。
プラスチックマンなみに変幻自在なEマンのライトな活躍は個人的に結構ツボでした。
あと、Eマンの話も良かったんですけれど、後半の私立探偵マイケル・マウサーの話も8ページほどの中でもしっかりひねりが効いていて面白かったです。
今後も見かける機会があれば買おうと思います。
Rain Like Hammers #3
別の記事で語り尽くしたのでこちらを参照下さい。
www.visbul.com
PROCTOR VALLEY ROAD #2
グラント・モリスンが英国出身の脚本家アレックス・チャイルドとライティングを手がける作品。
怪奇現象が起こることで有名な実在の場所をネタに、4人の少女が未知の存在に立ち向かいます。
ライティングが2人以上の共著になっている作品って薄味になりがちであんま好きではないんですが、これは今のところ良い感じ。
反抗期的なキャラクターの立たせ方とか、程よいグロさとかは紛れもないモリスンです。
あとはもっと NAMELESS とかほどではなくてもいいのでコミックで”実験”してくれれば最高ですね。
以上、今月のお気に入りでした。
様子見て今回のような記事月刊化しようと思うのでその節はよろしくおねがいしますー。
それでは本日もよいコミックライフを。