はい、今週も刊行間近の作品を紹介するコラム『 LEAP OF FAITH 』です。
先週は新作が少なかったことの反動か、今週はオリジナル作品の中から新シリーズが多い印象です。
オリジナル作品はマーベルや DC の馴染み深いキャラクターの登場する作品と異なり、中々ハードルの高い印象ですが、思わぬ掘り出し物が見つかることが結構あります。
とりわけアートについては、マーベルや DC ではちょっと見ることのない絵柄で描かれた作品なども数多く「アメコミのマッチョな絵柄が苦手・・・」という方々にも是非目を通して頂きたいです。
そんなわけで早速いってみましょう。
(タイトルのリンクは各出版社等の作品紹介ページにつながっています)
THE INVINCIBLE RED SONJA ( DYNAMITE )
女戦士レッド・ソーニャの活躍を描く新シリーズ。
2つの王国を救うべく、彼女が人魚やら海賊やらと戦います。
レッド・ソーニャは以前から読んでみたいなと思っていたものの、中々良いタイミングがなくて挫折していたのでこの機会に読んでみたいところです。
ハーレイ・クインをスターダムへ押し上げるなど、数多くの功績を持つジミー・パルミオッティとアマンダ・コナーのタッグによるライティング。
アーティストのモリタも ALL STAR WESTERN でパルミオッティと組むなど過去に仕事を共にした仲。
アクション多めの冒険活劇が期待できそうです。
HEY KIDS COMICS VOL2: PROPHETS & LOSS ( IMAGE )
ハワード・チェイキンがコミック業界の歴史を元に虚実交えて描くセミフィクション作品。
実在の人物を思わせるキャラクターが登場する第1弾も話題を呼びましたが、第2弾となる本作ではどんな内容が描かれるのか。
チェイキンといえば業界内で度々賛否両論の渦を巻き起こしてきた人物。
本作もある意味そんな彼だからこそ描くことができるような、スキャンダラスな内容となるのかもしれません。
ご存知の人も多いかと思いますが、アメコミ業界は結構クリエイターを冷遇してきた歴史があり、ジャック・カービィやスティーブ・ディッコのような巨匠でも痛い目を見ています(最近もエド・ブルベイカーの発言が話題になりました)。
ある程度こうした背景を知っておいた方が良いものの、その上で業界の歴史に興味がある方にも面白いかも・・・。
マーベルからアベンジャーズ由来のイベントが開始。
何者かにより歴史が改変。
アベンジャーズが誕生しなかった代わりにスコードロン・スプリームが活躍するこの世界で、唯一元の世界に関する記憶を保持しているブレイドが奮闘します。
うーん、なんていうかタイトルもあらすじも突っ込みどころというか既視感満載ですね・・・。
ま、まあ・・・この手の歴史改変ものは結構好きな人多いですから。
HOUSE OF M とか好きだった方は手に取ってみると良いかも。
STAR WARS WAR OF THE BOUNTY HUNTERS ALPHA #1 ( MARVEL )
マーベルが展開するスター・ウォーズ系コミックもイベント開始。
まずはプロローグとなるこのワンショットから始まります。
ハン・ソロを氷漬けにすることに成功したボバ・フェットがジャバ・ザ・ハットのもとへ向かうまでの道中で起こったことを描くとか。
ディズニープラスの実写ドラマ『マンダロリアン』などで再び注目されつつあるボバ・フェットら銀河のバウンティーハンター達。
彼らがどう権謀術数を張り巡らせてやり合うのかはちょっと興味がありますね。
BROKEN SOULS BALLAD #1( SCOUT )
自らのトラウマを反映した特殊能力を発現させるティーンネイジャー達。
戸惑う彼らに謎の政府機関が迫るという内容。
ライターのマッシモ・ロシって LOCUST の人ですね。
あれ思った以上に良かったんで本作も手に取ってみようかな、と思ったり。
ギャンブル好きの傭兵が謎の少女に誘われて危険なミッションに赴く SF アクション。
アーティストのロレンゾ・コランジェリ、 SNS を覗いてみたんですが面白ーい感じの絵を描く方。
ちょっとこの人の描く宇宙がどんなものなのか見てみたいですね。
ジャンルの別け隔てなく精力的に作品を発表するカレン・ブンの新作。
日毎に肌のタトゥーが変わる女性エデン。
彼女に見出された青年が陥る愛と恐怖の体験を描くワンショット。
1話完結のお話なので、オリジナル作品ってどんなだろうなーと気になっている方におすすめです。
MARJORIE FINNEGAN TEMPORAL CRIMINAL #1 ( AWA )
パニッシャーの連載などでタッグを組んだ経験のあるガース・エニスとゴーラン・スヅカによる新作。
時を越えて宝物を盗むことを生業とするマージョリー・フィネガン。
しかし、遂に時間警察が彼女の尻尾を掴む。
一方、フィネガンの元彼もこれに乗じて歴史改変を企んでおり・・・という、 SF ピカレスクな物語になる模様。
本作を刊行している AWA って聞いたことがない出版社だなーって思って調べてみたんですが、元マーベルの編集トップだったアクセル・アロンゾらが作ったところなんですね。
ラインナップ観てもミリガンにストラジンスキーに、と中々の顔ぶれが揃ってます。
以上、今週おすすめの8作品でした。
今週は DC にあまり新作の勢いがなく残念でしたが、進行中のシリーズでは SWAMP THING, CRIME SYNDICATE, NEXT BATMAN SECOND SON など面白いものがたくさんそろっています。
DC のファンはこの機会にこうした作品を#1から揃えてみるのも良いかもしれません。
是非色んな方法でコミックを楽しんでみて下さい!
それでは本日もよいコミックライフを。
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