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現在アマゾンプライムで配信中 『 INVINCIBLE 』原作紹介

「出版社から電話きてたよ。次の本の進捗が知りたいって。取材に出かけてるって伝えといたから」
「週末に休みをとって1冊仕上げるかな。予備のキーボードをいくつか買ってこないと。ガーディアンズ・オブ・ザ・グローブにカバーしてもらおう」
「で・・・マーク、あなたは今日1日どうだった?」
「まあまあ。ようやくスーパーパワーが使えるようになったみたい」
「良かったね。ポテトこっちに寄越してくれる?」

INVINCIBLE #1 より意訳

こんな一家団欒の会話からあんな展開になるなんて誰が想像したでしょう!

アマゾンプライムで配信が始まった次世代スーパーヒーローアクション『インビンシブル - 無敵のヒーロー - 』

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Robert Kirkman, Cory Walker, Bill Crabtree, Image Comics/Skybound

日本でも大ヒットとなった『ウォーキング・デッド』の原作者ロバート・カークマンの代表作!

なのに全然話題になってない!

まあ、『ジュピターズ・レガシー』と同じパターンでやっぱマーベルや DC じゃないとまだまだ反響出難いんですよね・・・邦訳版も出てないみたいだし。

・・・ということで、はい。

今日はアマゾンプライムで配信が始まった『インビンシブル - 無敵のヒーロー - 』の原作にして今後話題を呼ぶであろう原作コミック、 INVINCIBLE を紹介致します!



概要

本作はロバート・カークマンコーリィ・ウォーカーによって作られたスーパーヒーロー作品です。
イメージのスカイバウンドというレーベルから刊行されています。

刊行までの経緯としては、まず2002年 SAVAGE DRAGON #102 にて主人公であるヒーロー、インビンシブルが誌面デビュー。
その後、あちこちでカメオ出演などをした後、2003年から本格的なシリーズ連載 INVINCIBLE として連載を開始しました。

直球ながら意外性に満ちたストーリーで瞬く間に人気を博し、同時期に刊行開始となった THE WALKING DEAD と並んでカークマンの代表作として知られるように。

以後、シリーズは順調にファンを増やしながら10年以上に渡って継続。2017年に #144 で完結し、現在に至ります。

ほぼ完全に独立したシリーズですが、厳密にはサヴェッジ・ドラゴンなどが活躍するイメージのヒーローユニバースに含まれており、時折互いの作品にゲスト出演などしたり( IMAGE UNITED は結局どうなったんじゃろ)。

だいぶ以前から浮かんでは立ち消えとなっていた映像化の話でしたが、2018年にアマゾンが参入することで一気に加速。2021年3月にアニメーション作品として配信が開始されました。

声の出演としては主人公のインビンシブルことマーク・グレイソン役にドラマ『ウォーキング・デッド』でグレン・リーを演じたスティーブン・ユェン
またその父親にして地球最大の守護者オムニマンはスパイダーマンの映画版シリーズなどで知られる J. K. シモンズ が担当しています。

原作も高い人気を誇る本作ですが、アニメーション版についても映画レビューサイト ROTTEN TOMATOES で96%の好印象を獲得するなど、既に高い評価を得ています。

さらにカークマンや本作にも声で出演しているセス・ローゲン主導により実写化の話も進んでおり、今後ますます注目されるであろう作品といえます。

ストーリー

高校生のマーク・グレイソンは至って普通の青年だった。
スーパーパワーを発揮し始めるその日までは。

実は彼の父親は惑星ヴィルトラムから地球を守護するために遣わされた世界最大のヒーロー、オムニマン。
異星人の血を継ぐマークもまた超人となることが運命付けられていた。

怪力や飛行といった能力を手に入れたマークは新たなスーパーヒーロー、”インビンシブル”として活動を始める。
ヴィランとの戦闘、同世代ヒーロー達との出会い、異星人との邂逅、そして父親とのチームアップ・・・。

公私共に順風満帆だと思われていたマークの新たな日常だったが、ある日父親の所属するヒーローチーム、ガーディアンズ・オブ・ザ・グローブのメンバーが殺害されたという一報が舞い込んでくる。
それはやがて世界に訪れる大きな脅威の始まりだった。

マークに隠されていた真実とは・・・?

誰にも予想のつかない次世代スーパーヒーローの成長譚がここに幕を開ける!

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Robert Kirman, Cory Walker, Ryan Ottley, Jean-Francois Beaulieu, Image Comics/Skybound

キャラクター

インビンシブル / マーク・グレイソン

本作の主人公。
ヴィルトラム人である父親と地球人である母親との間に生まれ、幼い頃よりスーパーヒーローとして活躍していた父親の背中を見て育つ。

17歳で怪力、飛行といった超人的能力を発揮するようになると、自身も新ヒーロー”インビンシブル”として活躍し始める。
ちなみに”インビンシブル(無敵)”という名は学校で教員に諌められた際の言葉にインスパイアされた。

私生活ではややオタク気質なところはあるものの、まっすぐな性格をしており、両親や友人との仲も良好。
スーパーヒーローとして活動して始めてからも学業などと(比較的)両立できている。


オムニマン / ノーラン・グレイソン

マークの父親にして世界最大のヒーロー。

惑星ヴィルトラムで他星を探査する調査員を務めていたところ地球の存在を知り、興味を持つ。
現地調査をした上で援助することを上司に提案するも、文明がまだ未発達過ぎるとして委員会に渋られたため、自ら守護者として文明レベルを押し上げることを決意し、1980年代の地球へやってくる。

ヒーロー活動をする中でデビーを助けたのがきっかけとなり、後に結婚。息子のマークが生まれる。

”ガーディアンズ・オブ・ザ・グローブ”というヒーローチームに所属しており、他のメンバーが全員何者かに殺害されたと聞いた時はショックを隠しきれないように見えたが・・・。


デビー・グレイソン

マークの母親。地球人。
ヒーローとして登場して間もないノーランに助けられたことをきっかけに結婚。息子のマークを出産する。

地球の守護者として活動する夫を長年そばで見守ってきたこともあり、マークが超人的な力を発揮し始めインビンシブルとして活動し始めても一切動じなかった。

専業主婦をしており、普段は夫や息子の活動をテレビなどで観ながら、プライベートで彼らの正体がばれないようサポートする。

普段はそうそう不安をあらわにすることはないものの、戦闘で行方不明だった夫が久々に帰ってきた時などはひとり涙を流していた。


アトミック・イヴ / サマンサ・イヴ・ウィルキンス

マークと同年代のメンバーからなる次世代ヒーローチーム”ティーン・チーム”の一員。
ヴィランを相手に共闘したのをきっかけにマークと出会い、同じ高校に通っていると知り仲良くなる。

登場時はチームの仲間であるレックス・スプロードと付き合っていたが、彼の浮気が発覚し、破局。
マークと急接近する。

原子を操る能力を有し、考えただけで物体を作るなどできる他、空気の密度を操って空を飛ぶことも可能。


アレン・ザ・エイリアン(異星人アレン)

惑星連合( COALITION OF PLANETS )から派遣された調査員。
各惑星の守護者を評価するため3年毎に模擬襲撃し、戦闘能力などが一定の基準を満たしているか評価する。

15年近く地球を訪れては理由を告げずオムニマンらを手こずらせていたが、マークとの戦闘で初めて本来の派遣先が地球( EARTH )ではなく、よく似た名前をもつ別の星( URATH )だと誤解していたことを知らされた。


ザ・ガーディアンズ・オブ・ザ・グローブ

オムニマン、イモータル、ダークウィング、グリーン・ゴースト、ウォー・ウーマン、レッド・ラッシュ、マーシャンマン、アクアラスで構成される世界最大のヒーローチーム。

ある日、緊急招集を受けた秘密基地内で何者かに殺害される。
唯一、オムニマンのみ被害を免れたが・・・。

本作におけるジャスティス・リーグみたいなものだと思って頂ければ。


ウイリアム・クロックウェル

マークの同級生で親友。
即効でマークの正体に気づいた。


ヴィルトラム人

オムニマンの出身にして地球から遥か離れた場所に位置する惑星に住む人型種族。

ヴィルトラム人は地球人によく似た姿をしているものの、怪力や飛行といった超人的能力を有する。
文明レベルが高く、戦争や疫病を根絶。争いがない豊かなユートピアを築き上げた。

やがて自分達の恩恵を全宇宙に広めようと思い立ったヴィルトラム人は外宇宙へ進出し、可能性のある惑星に対して文明援助を行う活動を始めた。

・・・とマークは聞かされている。

クリエイター


ロバート・カークマン

2000年に BATTLE POPE でライターとしてデビュー。

2003年に開始されたスーパーヒーロー物の INVINCIBLE とゾンビサバイバル物の THE WALKING DEAD で一躍人気作家に。
前者はアマゾンプライムでのアニメ作品が配信され、後者も実写ドラマ版が世界的なヒット作となり2000年代以降のゾンビブームを牽引する存在となる。

マーベルのヒーロー達がゾンビ化する MARVEL ZOMBIES なども手がけており、その独創的なアイデアとエンターテイメント性を両立したセンスでコミックファンの度肝を抜き続けている。

現在はイメージコミックスの共同経営者の1人(創設者ではない人物としては唯一)として、傘下のインプリント「スカイバウンド・エンターテイメント」の代表などを務めている。

(この前も紹介したばかりなのでそのままコピペ。以下のフランク・ミラーとの対談に関する記事も是非)

www.visbul.com

今回のカートゥーン版にも深く関わっており、シーズン1のラストエピソードの脚本を担当しています。


コーリィ・ウォーカー

本作初期のアーティストとして #1 から #7 までを担当。
レギュラーを外れてからも頻繁にゲストアーティストを務め、ラストの #144 などを手がけました。

今回のアニメーション版でもリードデザイナーとして関わっています。


ライアン・オットリー

ウォーカーの後を引き継いで #8 からアートを担当し、シリーズ完結となる #144 までの大半を担当した人物。

本作完結後の2018年からマーベルで AMAZING SPIDER-MAN のアートを現在まで担当しています。


ビル・クラブトリー

シリーズ初期のカラーを担当。
スーパーヒーロー物らしいポップながら目に優しいカラーで本作のアートを仕上げてくれます。

上記の通り、本作のアートは割と早い段階でウォーカーからオットリーに切り替わっているものの、ほぼ違和感がないのは多分この人のおかげです。

作品の特徴

本作の雰囲気を端的に言い表すならば、 THE WALKING DEAD の容赦の無さをスーパーヒーロー物に持ち込んだとでもいったところ。

THE WALKING DEAD はゾンビものをストレートに描くことで結果としてエッジの効いた作品に仕上がっていました。

本作もそれと同様、アクションパートとドラマパートの双方をドが付くほど直球に、しかも非常にバランス良く描くことで却って他に類を見ない作品に仕上がっています。


まず、アクションパートですが、はっきり言って結構バイオレンスな作品です。
一般的なスーパーヒーロー物よりも血の気が多いといいますか、マークがボッコボコに殴られて顔が青く腫れ上がるのもしょっちゅうですし、それ以外でも体の一部とか中身とかの描写が割と多い方です。
というかシリーズが進んでいくにつれ拍車がかかりますね。

作画やカラーのおかげで精神衛生的なダメージは少ないものの、それでも暴力描写は他の類似スーパーヒーロー作品よりも強めといえるでしょう。

ドラマパートも結構エグい。
カークマンのライティングの特徴とでもいいますか、物語のノリ自体は比較的軽い一方で、人間関係がどんどんもつれていくという。
徐々にキャラクターの裏の顔とか暗躍とかが明らかになり、インビンシブル / マーク の日常を複雑にしていきます。

このショッキングなアクションと驚愕のドラマが予想外につく予想外をもたらし、息つく暇もない読書体験をもたらします。

どこから読み始める?

インビンシブルを読む方法は現在のところ大きく分けて4つあります。

1.#144まで1冊ずつのコミック

2.全25冊のTPB

3.全12冊のハードカバーからなるアルティメット・コレクション

4.分厚いソフトカバー3冊からなるコンペンディウム・エディション

5.現在3冊目まで刊行されている(このペースだと全6冊?)のライブラリー・エディション

どれを選んでも良いのですが、手に入れやすいのは電子化されている1,2,4あたりかと。

紙の書籍で集めたい場合、5のライブラリー・エディションは2011年以来続刊が出ていないため、同じ体裁のもので揃えたい方は避けたほうがいいかもしれません。

2のTPBに関して、人気タイトルであることに加え今回の映像化に合わせて重版がかかったのか、2021年4月現在はアマゾンなどでも比較的在庫が揃っています。

序盤の#4あたり(TPBのVol.1)までは結構シンプルに話が進んでいくので本格的に物語が始動しだす #8 くらいまで一気に読んでいただくのがおすすめです。



マーベルや DC に属さない作品はまだまだ馴染みが薄いためハードルが高いように思えるかもしれませんが、本作は THE WALKING DEAD に勝るとも劣らないロバート・カークマンの代表作。

少しでも気になった方はとりあえずアマゾンプライムで配信されているシーズン1の第1話をご覧になってみて下さい。
今のところ、レビューでも好印象のようです。

そして、アニメーション版を観る前でも観た後でも原作コミックも手にとって頂ければ幸いです。

では、今後共よいコミックライフを!


INVINCIBLE の後はこちらもどうぞ!
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