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これから X-MEN を読もうと思っている人のための解説

その名を知るものは多く、だが識るものはほんのひと握り。

米国コミック史上最も人気であると同時に最も難解であると言われる X-MEN 。

この一大フランチャイズを難解たらしめているのは大きく3つ。

長い歴史、大勢のキャスト、そして大量のスピンオフ。

こうした要素が作品の魅力であることは事実ですが、何も知らない人が読み始めるには少々ハードルが高い……。

はい、そんなわけでやってみましょう。

映画などを観て興味を持った人がコミックにも手を出しやすくなるよう。

何も知らない人がちょっとでも興味を持って貰えるよう。

これだけ知ってりゃなんとかなる!な X-MEN をこれから読み始めたい人向けの完全防備となる解説記事。

これを読めば X-MEN が読めるようになる!

なるかも。

なればいいなあ……。


解説に突入する前にいくつかの注意事項として。

まず、ここで扱うのは基本的に原書コミックです。

翻訳版に関しては自分の専門外なので本記事では特に言及しません。


また、私自身もそこそこ読んでいるつもりとは謂え、スピンオフ含めたシリーズ全作を網羅しているわけでもなければ知識量もそれほど多いわけではありません。

間違いはなるべく気付き次第修正するつもりですが、こうした可能性があることを承知の上で以下読んで頂ければ。

特に(代表的なシリーズ・事件)とか(読む順番)の箇所はイベントとかゲスト出演とかワンショットとか細かい動向を色々すっ飛ばしてますのであくまで参考程度に留めて頂ければ幸いです。


さて、ゴタクはこれくらいにして。

早速やってみましょう。

目次

X-MEN

まずはフランチャイズの中核をなすこのシリーズを把握しましょう。

基本コンセプトは映画などでも描かれているとおり。

舞台は突然変異によって特殊能力を備えたホモ・スペリオールこと”ミュータント”が人々から恐れられ、差別を受けている世界。

若きミュータント達を集め”エグゼビア学園”を設立した世界最高のテレパス、チャールズ・エグゼビアはミュータントにまつわる種々な事件に対抗するべくチームを結成します。

これが X-MEN です。

クリエイター陣やマーベル・ユニバース内の世相などに応じて作風やメンバー編成はころころ変わりますが、基本この点がぶれることはほぼありません。

ちなみに ”X-MEN” という名称はエグゼビア( XAVIER )の頭文字からきているように思われがちですが、作中( THE X-MEN #1 )では”常人にはない追加(EXTRA)の力”を指す意味だという説明がなされています。


さて、これを踏まえた上で次に代表的な時代をさっくり見てみましょう。

なお、(代表的なシリーズ・事件)の項目にてこれから読み始める人向けの入り口になりそうなフランチャイズの転換点については色を変えて表示しています。

ファースト・クラス時代(1963〜70)

1963年刊行の THE X-MEN #1 でデビュー。

エグゼビアを指導者に、サイクロプスことスコット・サマーズ、エンジェルことウォーレン・ワージントン III 、アイスマンことボビー・ドレイク、ビーストことハンク・マッコイ、そしてマーベルガールことジーン・グレイの5人が活躍。

エグゼビアを除いた5人は後にオリジナル・ファイブ(O5)などと呼ばれることもあります。

エグゼビアの友で宿敵のマグニートーや彼の率いるブラザーフッドなど初期から多彩な面々が登場し、後にはスコットの弟で自身も強力なミュータントであるハヴォックことアレックス・サマーズやマグニートーの娘で磁力を操るポラリスことローナ・デーンなどがメンバー入り。

派手な超能力バトルを繰り広げる横で人種差別に絡めたテーマも盛り込み、中々盛り沢山な内容ながら連載当時あまり人気は奮わず、#66で新作はストップ。

#67から#93までは過去作の再収録となっています。

(代表的なシリーズ・事件)

THE X-MEN(1963)#1-66: 全てはここから。メジャーなエピソードはないものの、O5 を始めとした著名キャラのデビューなどフランチャイズの基礎を築いた。

クレアモント時代(1975〜91)

1975年刊行の特別号 GIANT SIZE X-MEN #1 でデビューしたチーム。

エグゼビアとサイクロプスを除くほぼ全てのメンバーが入れ替わり、新たにカナダ出身のウルヴァリンやソ連出身のコロッサス、アフリカ出身のストームなどと国際色豊かなチーム編成となります。

GIANT SIZE X-MEN #1 の次に刊行された THE X-MEN #94からは新たにクリス・クレアモントがライターに就任し、以後91年まで17年間に渡り X-MEN や関連タイトルに携わり続けます。

この時代はまさに X-MEN にとっての黄金時代といわれ、特にダーク・フェニックス・サーガ完結(THE UNCANNY X-MEN #138)までの初期連載についてはスーパーヒーロー史でも一、二を争う名連載として名を挙げられることも少なくありません。

また、この頃 THE X-MEN というタイトルは #114 から THE UNCANNY X-MEN と改められます。
80年代に入ると X-MEN は THE NEW MUTANTS を始めとしたスピンオフやそれらとのクロスオーバーを生み出しながら、世界観をぐんぐん広げて人気を伸ばしていきました。

91年に刊行されたジム・リー作画による X-MEN #1 は800万部以上売れたと言われ、「史上最も売れたコミック誌(THE BESTSELLING COMIC BOOK OF ALL TIME)」としてギネス入りを果たすという偉業を成し遂げています。

90年代のカートゥーンや対戦ゲームなどのデザインは大体この時代にアートを手掛けたジム・リーの絵を元に作られているので X-MEN といえばこの頃の姿をイメージする人も少なくないかもしれません。

映画化作品の原案も大体この時代からきています。


ただ一方でキャストの数も膨大になり世界観が広がり続けるにつれ、いくつもの並行世界が生まれたりラインナップの大半を巻き込んだメガクロスオーバーなどということをやり始めて話が複雑になってきたのもこの頃から。

良くも悪くも「何でもあり」な姿勢が X-MEN を業界随一のフランチャイズにまで成長させたのがこの時代。

(代表的なシリーズ・事件)

GIANT-SIZE X-MEN #1(1975): 長らく停滞していた X-MEN を再起動させた特別編。それまでのメンバーが生ける島クラコアに囚われてしまい(サイクロプスのみ生還)、救出のためプロフェッサー X が様々な国から集めた新チームを結成する。


THE X-MEN #94- (1975): 上の特別編の直後から再び新作を掲載するようになり、以後基本的に本シリーズがフランチャイズの中心(フラグシップタイトル)となる。クリス・クレアモントがライターに就任したのも #94 から。#114からは THE UNCANNY X-MEN に改題。


THE DARK PHOENIX SAGA(1980): 超自然エネルギー”フェニックス・フォース”の宿主に選ばれてしまったジーン・グレイの能力が暴走。彼女を巡って X-MEN はヘルファイア・クラブや惑星シーアーと争う。 GIANT-SIZE X-MEN #1 から読み始めた場合は取り敢えずこのエピソードが完結する THE UNCANNY X-MEN #138 まで読んでおきたい。


DAYS OF THE FUTURE PAST(1981): X-MEN がほぼ全滅し、ミュータント達が強制収容所に送られるようになった暗黒の未来。キティ・プライドは過去の自分に意識を送り込み、現代の X-MEN 達と共に全ての引き金となった議員暗殺計画を阻止しようと奔走する。


GOD LOVES, MAN KILLS(1982): 狂信者ウィリアム・ストライカーの襲撃に遭いエグゼビアやサイクロプスが行方不明に。残された X-MEN はマグニートーと手を組み救出を試みる。実は連載でなく最初から単行本の形で刊行された特別編で、シリーズ屈指の名作にも関わらず長らく位置づけが曖昧だった。本作が映画『 X-MEN 2 』の原案になったことから02年に初めて正史入り。


MUTANT MASSACRE(1986): フランチャイズ初のラインナップ全体を巻き込んだメガクロスオーバー。謎の組織マラウダーズによる地下ミュータント集団モーロックスの虐殺を食い止めるべく、 X-MEN 、 X-FACTOR 、そしてニュー・ミュータンツが立ち向かう。


INFERNO(1989): ミスター・シニスターと悪魔の共謀により異次元の扉が開き、魔物の軍勢が現世への侵攻を開始する。 X-MEN をはじめヒーロー達が対処に奔走する中、”ゴブリン・クイーン”と化したサイクロプスの妻マデリーンが立ちはだかる。


X-TINCTION AGENDA(1990): ミュータントを洗脳し道具として利用してきた国家ジェノーシャ。襲撃に遭い連れ去られた仲間を救うべくジェノーシャに向かう X-MEN 達だったが、そこには洗脳されたハヴォックの姿があった。


X-MEN (1991): UNCANNY X-MEN と並行してもう1つのフラグシップタイトルとして創刊。 一応 UNCANNY ではストーム率いる”ゴールド”チームが、本誌ではサイクロプス率いる”ブルー”チームが活躍するという体だが徐々に形骸化。

NEW & ASTONISHING 時代(1990年代頃から2000年代前半頃)

クレアモントが離れてからもしばらくは評判を維持し続けたもののスピンオフシリーズやイベント乱発の他、93年のコミックバブル崩壊、96年のマーベル破産などもあり徐々に X-MEN の人気は低迷していきます。

2001年に創刊された NEW X-MEN はそんな X-MEN のイメージをリニューアルする意味を含め、英国出身の鬼才グラント・モリスンをライターに迎えナンバリングを刷新したシリーズです。

かつて敵対していたヘルファイア・クラブのホワイトクイーンことエマ・フロストをメンバーに迎え、エグゼビアの双子の姉(?)カサンドラ・ノヴァやウルヴァリンと同じ政府の極秘計画によって生み出された強化ミュータントのファントメックスといった新キャラが登場。

斬新な SF 的アイデアを盛り込みつつ、原点回帰の意味も含めて学園物としての一面も強調されました。

そしてモリスンによる NEW X-MEN の連載が完結し、その後継作として作られた ASTONISHING X-MEN では人気キャラクターのキティ・プライドやコロッサスが面子に加わり、ド派手なアクションが満載な直球のスーパーヒーローものとして展開。

ジョン・キャサディやジョス・ウェドンが手掛けた2004年から2008年 の連載はクレアモント時代に匹敵する高い評価を得ました。

一方こうした人気連載と並行してマーベル・ユニバースではマグニートーの娘であるスカーレット・ウイッチの暴走により HOUSE OF M 事件が発生(2005年)。

その余波により世界中のミュータントの99%が能力を失い、その人口が僅か198人にまで減らされてしまう事態( ”M-DAY” あるいは”デシメーション”と呼ぶ)となり、絶滅の危機に瀕したミュータント達と X-MEN はこの頃から(色んな意味で)暗黒時代に突入します。

(代表的なシリーズ・事件)

90年代前半: この頃、ストライフというヴィランが生み出したミュータントにのみ感染し死に至らしめる”レガシーウイルス”という病原体が猛威を奮っており、最終的に妹イリアナ(ニュー・ミュータンツのマジック)をウイルスで喪ったコロッサスが自らの特性を利用して抗体を作り出すまで各タイトルで多くのミュータントが犠牲になった。

AGE OF APOCALYPSE(1995): 時間を遡ったエグゼビアの息子リージョンが誤って父を殺してしまったことで時空改変が起こり、世界がアポカリプスに支配されてしまう。マグニートーに率いられたこの世界の X-MEN は歴史を修正するべく奔走する。通年イベントとしてフランチャイズの全作品が並行世界を舞台にしたバージョンに置き換わった。


ONSLAUGHT(1996):エグゼビアとマグニートーの深層意識が融合し誕生したオンスロートに X-MEN やアベンジャーズらが立ち向かう。マーベル・ユニバース全体が巻き込まれ、事件後は一時主要なヒーローがマーベル・ユニバースから一掃される事態に陥った(後に HEROES REBORN で復活)。


NEW X-MEN #114(2001): グラント・モリスンがライター就任するのにあたって X-MEN 誌が改題したもので、 UNCANNY 誌はしばし X-MEN の別働隊を描くサブタイトル扱いとなった。


ASTONISHING X-MEN #1-24(2004) + GIANT-SIZE ASTONISHING X-MEN #1(2008): NEW X-MEN 誌の後継作として創刊された作品でジーン・グレイに変わりキティ・プライドがチームに加入。後に日本人のアーマーことヒサコ・イチキや、異星人の技術で復活したコロッサスなども参加。”ミュータントという病の治療”を巡る陰謀に始まり、やがて宇宙規模にまで話が広がる直球のエンターテイメント。オールタイム・ベストに選ぶ人も多い伝説的な連載。


HOUSE OF M(2005): アベンジャーズの一員にしてマグニートーの娘でもあるスカーレット・ウィッチの現実改変能力が暴走。ヒーロー達やミュータントにとって理想の世界となったマーベル・ユニバースが描かれる。終盤でスカーレット・ウィッチが ”NO MORE MUTANTS”(意訳:ミュータントもういらん) と願ったことで世界が元に戻った後も99%のミュータント達が能力を失う事態に陥る。

暗黒時代(2000年代後半から2010年代)

”M-DAY” を機に絶滅危惧種となったミュータント達を取り巻く環境が激変する中、 X-MEN もまた大きな苦境に立たされるようになります。

とりわけ X-MEN のリーダーとして難しい舵取りを任されたサイクロプスはミュータントへの脅威に対して強硬策を取るようになり、エグゼビアやウルヴァリン、果てはアベンジャーズとまで対立。

その影響は周囲も巻き込み様々な方向へ波及し、チームが分裂したりクロスオーバーするなどしてはタイトルが変わったりスピンオフが量産される遠因となります。

終いにはファーストクラス時代のオリジナル・メンバー O5 が現代にやってきたり並行世界の未来からオールド・マン・ローガンがやってきたりといった事態にまで至り、年齢の異なる同一人物が複数入り乱れるなどしていよいよ長年追いかけてきたファンさえどこで何が起こっているのか把握しきれなくなる状態になってしまいます。

ミュータントを巡る環境も一旦は”M-DAY”がフェニックス・フォースの力で解消されたと思ったら独立国家”ネイション X ”を作ったり今度はインヒューマンズに由来する奇病で再び絶滅の危機に晒されたりと目まぐるしく変化しました。

こうした動きの背景については大人の事情が少なからず関与しているといわれています(憶測の部分も多いことに留意)。

実はこの頃徐々に MCU が人気を伸ばしてきており、 2009年にマーベルがディズニーを買収したり2012年に映画『アベンジャーズ』が公開されたりするといよいよ大きく勢いづいてくるわけですが、そうなればなるほど X-MEN の版権を20世紀フォックスが握っているばかりにミュータントを MCU に登場させられないというジレンマが徐々に顕在化してきました。

マーベルとディズニーはなんとか X-MEN やミュータントの映像化権をフォックスから奪還しようと試みるものの、フォックスはフォックスで既に X-MEN というフランチャイズは重要な版権となっているため中々譲りません。

こうした作品外の綱引きに巻き込まれた結果、 MCU に登場するアベンジャーズやインヒューマンズが誌面で大きく扱われる横で、この時期の X-MEN フランチャイズはかなり冷遇される羽目になったと言われており、当時の関係者からは”大きな話をやらせてもらえなかった”とか”話が自由に作れなかった”という旨の証言が出ています。

ただし INHUMANS VS X-MEN が終了した頃(というか MCU のドラマでインヒューマンズがイマイチ奮わないまま終了した頃)から徐々に軌道修正がなされ、過去の O5 や未来のローガンがそれぞれの時代に戻されると共に死亡していた現代版が復活。

2018年版の UNCANNY X-MEN では SCHISM 以来仲違いしていたスコットとローガンも再び手を取り合い、1つのチームとしてまとまりました。

(代表的なシリーズ・事件)

DEADLY GENESIS(2005): 死亡したと思われていたサイクロプスの弟ゲイブリエル・サマーズが宇宙から帰還。エグゼビアの隠された罪が明らかとなる。


MESSIAH COMPLEX(2007): ”M-DAY” 以来初めて誕生したミュータントの赤児を巡って X-MEN やマラウダーズ、ケーブルまでをも巻き込んで様々な思惑が交錯する。


UNCANNY X-MEN #495- : UNCANNY 誌が単独フラグシップとして復活。エグゼビア学園が閉鎖し、 X-MEN はサンフランシスコへ本拠を移した。


SCHISM(2011): 若きミュータントを巻き込もうとするチームの方針を巡ってサイクロプスとウルヴァリンが激突。結果として両者は袂を分かつこととなり、 X-MEN はサイクロプス率いるサンフランシスコ組とウルヴァリン率いるニューヨーク組とに分裂することになる。


UNCANNY X-MEN(2011): SCHISM で分裂後、戦闘に特化したサイクロプス側のチームを描いた作品。ナンバリングを一新し #1 からの連載となった。

+
WOLVERINE AND THE X-MEN(2011): UNCANNY 誌と並ぶ新たなフラグシップタイトル。ニューヨークに戻ったウルヴァリンは若手の教育を重視し”ジーン・グレイ学園”を設立。もう1つの X-MEN チームの活躍を描く。


AVENGERS VS. X-MEN(2012): フェニックス・フォースの新たな宿主候補となったホープ・サマーズ(MESSIAH COMPLEX 事件で保護された赤児が成長した姿)の処遇を巡って X-MEN とアベンジャーズが対立。紆余曲折を経て "M-DAY" 以来力を失っていたミュータント達は能力を取り戻す。


AVX のイベント後、マーベルでは MARVEL NOW! と名付けられたラインナップの一斉改編が行われ、 X-MEN のフラグシップタイトルは3つに以下の分かれた。

ALL-NEW X-MEN(2012): テロリスト化したサイクロプスを改心させるためビーストが過去からファーストクラス時代のオリジナル X-MEN 05 を現代に連れてくる。……なんでだ。

+
UNCANNY X-MEN(2013): 再びナンバリングを一新。AVENGERS VS. X-MEN 事件後に収監された後、脱獄してテロリストとなったサイクロプスが率いる過激な X-MEN チームを追う。

+
AMAZING X-MEN(2013): グレイ学園側の X-MEN が活躍する WOLVERINE AND THE X-MEN の後継タイトル(ただし WatX シリーズも学園のスタッフや生徒らをメインキャストに継続)。ウルヴァリン自身は ”DEATH OF WOLVERINE” という別シリーズのイベントで死亡(?)するため途中退場する。


SECRET WARS(2015): マーベル全体のマルチバースを巻き込んだメガクロスオーバー。これを機に "DEATH OF WOLVERINE “事件で死亡したローガンに代わり、未来の並行世界における元ウルヴァリンことオールド・マン・ローガンがしばらく現代に滞在。


DEATH OF X(2016): サイクロプス(現代版)の最期を描いたイベント。インヒューマンズに超人的能力を与える物質”テリジェン・ミスト”が世界中に蔓延。これがミュータントに致死性の奇病 ”M-ポックス” をもたらすことが明らかとなり、 X-MEN がインヒューマンズと対立。


EXTRAORDINARY X-MEN(2016): 終了した UNCANNY 誌に代わるサイクロプス亡き後の新フラグシップ。奇病 ”M-ポックス”を避けて異次元に非難した X-MEN がストームを筆頭に解決法を探る。

+
UNCANNY X-MEN(2016): 三度ナンバリングを一新。死亡したサイクロプスに代わりマグニートーがサイロックやセイバートゥースからなる新しいチームを結成。一層強くなったミュータント差別に過激な手法で対処する。


INHUMANS VS. X-MEN(2016): 最早 ”M-ポックス” の危機が待ったなしの状態になり、追い詰められた一部の暴走によりミュータントとインヒューマンズが全面戦争に突入。おそらく上で述べた MCU 絡みの大人の事情による影響が MAX だったイベント。


X-MEN GOLD(2017): ”M-ポックス”による危機が解消し、セントラルパークに新本拠地を構えた X-MEN の新たなフラグシップタイトル。他方で2012年からずっと現代にいた過去版 O5 は別シリーズ X-MEN:BLUE 、そして EXTERMINATION というイベントを経て元の時代に帰還。同じ時期に現代のジーン・グレイ続いて同じくサイクロプス、さらにはウルヴァリンがそれぞれ復活。ジーンは X-MEN:RED というタイトルでチームを率いた。


UNCANNY X-MEN(2018): 5度目の新シリーズ。復活してしばし別チームを率いていたジーンが本格的に X-MEN に復帰。キティ・プライドらとチームを率いる。シリーズ後半では消失した X-MEN を探すべくサイクロプスとローガン(どちらも復活した現代版)が再結束するという胸熱展開。

HoX 時代(2019ー)

さて、混迷を極めた X-MEN フランチャイズですが、2019年にディズニーが20世紀フォックスをまるごと買収しミュータント関連の版権も傘下に収めたことでジレンマ解消。

これにより X-MEN は再びコミックでも大きく扱われるようになり、ヒットメイカーのジョナサン・ヒックマンをフランチャイズのメインライターに据え新時代を迎えます。

まず、2019年に刊行された HOUSE OF X/POWERS OF X ではエグゼビアの旧友でそれまで人間だとされていたモイラ・マクタガートが実は転生能力を持つミュータントだったと判明。

死を迎える度に生まれた時点からやり直すことを繰り返してきた彼女はホモ・スペリオールという種が存続するためには全てのミュータントが手を取り合う必要があることを悟り、エグゼビアやマグニートーらと共にミュータントだけの独立国家を生きた島クラコア(75年の GIANT-SIZE X-MEN #1 に出てきた島)に築きます。

アポカリプスやミスター・シニスターといった者達まで分け隔てなく歓迎、協力し合うことで様々な奇跡を行使できるようになったミュータント達は事実上の不死さえ手に入れます。

神に等しい力を得た彼らが世界に影響を与えながら内外の脅威に立ち向かうネオポリティカルエンターテイメントとして、かつてないスケールで物語が展開されます。

残念ながら2022年10月の時点で既にヒックマンは離脱しているものの、ジェリー・デュガンら他のクリエイターの手で現在も独立国家クラコアの物語は続行中。

ただ、先日 NY コミコンで発表された内容によると2023年には FALL OF X というイベントが控えており……。

(代表的なシリーズ・事件)

HOUSE OF X/POWERS OF X (2019): ジョナサン・ヒックマン監修の X-MEN 新時代、その幕開けを飾る2つで1つのミニシリーズ。モイラ・マクタガートが転生を繰り返しながら試行錯誤の末、クラコアにミュータントの独立国家を建国するまでの過程が描かれる。ちなみに後者のタイトルの ”X” はアルファベットの”エックス”ではなく数字の”10”で”パワーズ・オブ・テン”と読む。


X-MEN(2019): 未だ建国間もないクラコア国家に向けられる内外の脅威に対処する中枢メンバーの活躍を群像劇的に描く新フラグシップタイトル。


X OF SWORDS(2020): かつてクラコア島と1つの存在だったものの異次元エイメンスからの侵攻を食い止めるため、太古の昔に分裂し取り残されたもう1つの生ける島アラッコ。だがエイメンスを統べるアナイレーション(ファンタスティック・フォーに登場する同名キャラとは別人)に支配されたアラッコはアポカリプスの子”最初の四騎士”らと共に軍勢を引き連れ再侵攻を開始、クラコアと選ばれた戦士同士の対決による決着を提案する。


HELLFIRE GALA(2021): クラコアに非ミュータントを初めて招くことになったパーティの一部始終を分単位でドキュメントしたクロスオーバー。


INFERNO(2021): 建国に際し存在を秘匿されていた最重要人物モイラ・マクタガートが誘拐されエグゼビアとマグニートーが救出に奔走する。一方、クラコアの上層部では積もり積もった不信感が軋轢を生み始める。本イベントを最後にヒックマンは X-MEN から離脱した。


IMMORTAL X-MEN(2022): INFERNO 事件後の新フラグシップタイトル。内容は以前の X-MEN シリーズ同様クラコア国家の中心メンバーを群像劇的に描く感じ。


JUDGEMENT DAY(2022): 人類の発展を見守り続けてきたエターナルズが不死の技術を手に入れたクラコア国家のミュータントを問題視。緊張が高まる中、アベンジャーズなども介入し、世界中がセレスシャルズから”裁定”をうけることになる。

……と、ここまでがざっくりとした X-MEN の経緯。

かなり色々とすっとばしてますが、細かい部分は実際に作品を読んだりウィキで各自確認して頂ければと思います。

スピンオフ

さてさて、フランチャイズ全体の流れを掴んだところで続いて説明したいのは X-MEN フランチャイズを複雑怪奇にしているもう1つの要因。

大量のスピンオフ。

全部とは言わずとも代表的なチームタイトルだけピックアップして解説してみましょう。

再び、これから読み始める人にオススメなタイトルについては色を変えておきます。

NEW MUTANTS

当初 X-MEN のスピンオフには慎重姿勢だったマーベルが満を持して世に送り出した初めてとなるスピンオフシリーズ。

O5 がすっかり成長してそれぞれの道へ進んでしまったため、新たにエグゼビアが学園に集めた若きミュータント達が活躍します。

単なる X-MEN の下位互換というわけではなく、SF や神秘的要素を取り入れることでしっかりと独自路線を切り開いており現在まで多くのファンを開拓してきました。

特に初期シリーズはアートにビル・シンケヴィッチが携わってから人気が飛躍的に伸び、業界全体でも80年代を代表するシリーズに成長。

終盤は X-FORCE に繋がっていくなど、本タイトル自体もスピンオフタイトルを輩出しました。

シリーズが代わってもメンバー編成が割と安定しており、他のスピンオフよりも追いやすい印象……と思ってたんですがそうでもねえな。

(読む順番)


THE NEW MUTANTS(1983): 第1シリーズ。当時 X-MEN のメインライターもしていたクリス・クレアモントが初期連載を担当。ビル・シンケヴィッチが作画として携わった DEMON BEAR SAGA (#18-20)はストーリー・アート共に高く評価され、2020年に公開された映画版の原作にもなった。クレアモントがライティングを離脱してからはルイーズ・サイモンソンが引き継いだ。


THE NEW MUTANTS: TRUTH OF DEATH(1997): まだ学生だった頃のニュー・ミュータンツがひょんなことから現代を来訪。2つの時代のメンバーが顔を合わせる事態となるが、マジックことイリアナ・ラスプーチンは自身が未来において死亡していると知りショックを受ける(この時の彼女はレガシーウィルスに感染して死亡していた)。


NEW MUTANTS(2003): 成長した元ニュー・ミュータンツのメンバーが指導者側に回り、エグゼビア学園の新たな生徒候補を探すべく各地を訪問。ダニ・ムーンスターなどメインで登場するオリジナル・メンバーは一部でチームとして活躍することはほぼない。どちらかというと下の新世代シリーズのプロローグ的な話。


NEW X-MEN: ACADEMY X(2004): モリスンによる NEW X-MEN の連載終了後にナンバリングを一新し、上の03年版シリーズでリクルートした次世代を主役に据えた新シリーズ。いわゆる学園物で、特にダニ・ムーンスターが指導する「ニュー・ミュータンツ」とエマ・フロストが指導する「ヘリオンズ」という2つのチームに所属する生徒達にスポットライトを当てる。06年にはクリエイター陣の交代に伴いタイトルから “ACADEMY X” が省かれ、シンプルに ”NEW X-MEN” となった。終盤は ”M-DAY” の影響でハードモードに突入。


YOUNG X-MEN(2008): MESSIAH COMPLEX 事件でエグゼビアが死亡し、エグゼビア学園は閉鎖。世界各地に散らばっていた元生徒達だったがある時サイクロプスに招かれ新たなチームを結成する。彼らに与えられたミッションは新ブラザーフッドの壊滅。だがそれを率いているのはかつてのニュー・ミュータンツだという…。


X-INFERNUS(2008): 紆余曲折を経て復活し魔の異次元リンボの支配者となったイリアナをコロッサスなどの X-MEN が救出に向かう。次シリーズに繋がるイベントで、ライターは現在マーベルの編集長を務めている C.B. セブルスキ。


NEW MUTANTS(2009): 第1シリーズのチームが再集結した新シリーズ。これまでの経緯を踏まえつつ心機一転、キャノンボールことサム・ガスリー率いるチームがリージョンやリンボの尖兵など様々な脅威に立ち向かう。第1シリーズを読んだ上で読むと良いかも。


THE NEW MUTANTS: DEAD SOULS(2018): 初代ニュー・ミュータンツの1人、カルマによって集められたメンバーが世界中の怪事件を調べるため各所を巡る。


NEW MUTANTS(2019): クラコア時代を迎えたニュー・ミュータンツの新たな活躍。シーアー帝国にいるキャノンボールを迎えに行くため宇宙へ飛び出したチームをはじめ、これまでフランチャイズに登場してきた様々な若きミュータント達の姿を描く。

ALPHA FLIGHT

かつてウルヴァリンが所属していたカナダの超人チーム(正確にはその発展型)"アルファ・フライト"が活躍する作品。

強化スーツを身にまとったガーディアンことジェームス・ハドソンを筆頭にビッグフットのような獣人に変身するサスクワッチ、ミュータントの双子で高速能力を有するノーススター&オーロラなど、ミュータントを含む様々な能力者で構成されており、メンバーの多くがイヌイットなどカナダにまつわる意匠を取り入れています。

第1シリーズは10年以上に及ぶ長期連載となったものの、その後の連載はやや筋が複雑で人気が伸び悩んだ模様。

最近だとキャプテン・マーベルがリーダーに就任し CAPTAIN MARVEL 誌に搭乗した他、メンバーの一部が IMMORTAL HULK 誌に”ガンマ・フライト”を結成して登場するなどしています。

形としてのチームはほぼ一貫しているものの、ゲスト出演やクロスオーバーイベントのスピンオフタイトルなどで登場することが多く、やや動向が追いにくいかもしれません。

ちなみにメンバーの1人であるミュータントのノーススターはメジャー誌で初めて同性愛を公言した先駆的キャラクターとして知られています。

(読む順番)

UNDANNY X-MEN #120&121 (1979): デビュー作。上司からの指示で X-MEN からウルヴァリンを奪還しようと試みた。


ALPHA FLIGHT(1983): 第1シリーズ。連載初期は X-MEN の黄金時代を築いた立役者の1人であるジョン・バーンが脚本と作画を両方こなし、”グレート・ビースト”と呼ばれる異次元からの侵略者などと戦った。この頃は個々のメンバーにスポットライトを当てる話が多かったものの、バーン離脱後の連載ではチーム物として活躍するように。


ALPHA FLIGHT(1997): 第2シリーズ。第1シリーズの続編だが別チームとの内紛やタイムトラベルなどで話がやや複雑。
(未電子化)

ALPHA FLIGHT(2004): 第3シリーズ。プローデックスという異星から船と接触してアルファ・フライトのメンバーが消失。残されたサスクワッチがカナダ全土から新メンバーをかき集めて救出に向かう。


NEW AVENGERS #16: HOUSE OF M 事件後、ミュータント達から失われた力の出力先となってしまった”コレクティブ”という超人の暴走によってチームが壊滅する。


OMEGA FLIGHT(2007): 米国の「スーパーヒーロー登録法」を巡り( CIVIL WAR )、新法に反対する超人がカナダに亡命し社会問題化。上の壊滅から生き残ったアルファ・フライトのメンバーと米国から派遣された超人からなる新チームが結成される。


CHAOS WAR: ALPHA FLIGHT(2010): ガーディアンを始めとした古参メンバーが復活。


ALPHA FLIGHT(2011): 第4シリーズ。復活したアルファ・フライトの新たな活躍……と思いきや、かつてチームを裏で支え続けてきたゲーリー・コードが突如政界に進出。カナダ首相となったコードに裏切られたアルファ・フライトは国の裏切り者として追われることになる。

X-FACTOR

数あるスピンオフの中でも一番説明するのが面倒くさいヤツ。

大きく分けてファーストクラス時代の O5 が再結集したチーム、ハヴォック率いる政府チーム、マルチプルマンが設立した探偵事務所、ポラリス率いる企業チーム、そして再びポラリス率いるクラコアの警察的チームといった感じです。

同名シリーズ同士でチームのコンセプトがバラバラな癖にクリエイターやメンバー編成など中途半端に繋がっている要素があり、少しややこしいことになっています。

初期シリーズの#71から#92、MADROX 、05年の第3シリーズ、14年の第4シリーズはほぼ全てピーター・デヴィッドがライティングを手掛けており、 巧みな心理ドラマやバランスの良いストーリーテリングなどが高く評価されています。

(読む順番)

AVENGERS #263 & FANTASTIC FOUR #286: DARK PHOENIX SAGA で死亡したジーン・グレイの復活エピソード。


X-FACTOR(1986)#1−70: ジーン・グレイらファーストクラス時代のメンバーが新チームとして再結成。当初は「ミュータント登録法」が施行されていたのを受けて正体を隠し未登録のミュータントを探す業者のフリをしつつ、見つけた同胞に力の使い方などを手解きしていた(後に改める)。後に02年版でマドロックスのチームに参加するリクターもここで助けられた1人。


THE MUIR ISLAND SAGA(1991): THE UNCANNY X-MEN #278-280 と X-FACTOR #69-70 で展開されたクロスオーバー。それまでの X-FACTOR チームと以降のチームの橋渡し的な役割を果たす。モイラ・マクタガートの研究所があるミューア島を舞台に、島の住民を洗脳し支配したシャードーキングと戦う。


X-FACTOR(1986) #71-: O5 が X-MEN に復帰したのを機にメンバーを一新。米国の政務官ヴァレリー・クーパーがハヴォックを筆頭にメンバーを勧誘して結成した政府チーム(後にクイックシルバーも加入)。初期のライティングをピーター・デヴィッドが手掛けており、ここでの経験が02年版に繋がる。


MUTANT X(1998): X-FACTOR 終盤で並行世界に意識を飛ばされてしまったハヴォック。ミュータントが世界人口の多数派になり差別が消滅した(ように見える)世界を舞台に、彼が現地の X-MEN を率いる。後に帰還。


X-FACTOR(2002): 同名ながらコンセプトもメンバーも他との繋がりが全く無いシリーズ。ミュータントにまつわる事件を捜査する人間の捜査官達の姿を描く社会派作品。


MADROX(2004): 政府チーム時代にメンバーだった1人のマルチプルマンことジェイミー・マドロックスが死亡した分身の調査に繰り出すミニシリーズ。次シリーズのプロローグ的作品。


X-FACTOR(2005): マドロックスがニューヨークに設立した私立探偵事務所に舞い込む事件を X-FACTOR が捜査。ミュータント絡みを中心としてマーベル・ユニバースの様々な事件に携わるネオノワールとして好評を博し、2013年まで連載された。近年のスピンオフの中ではかなりの長寿シリーズ。


ALL-NEW X-FACTOR(2014): 前チームから名前を買い取った企業サーバル・インダストリーズが設立したチーム。メインキャストがだいぶ入れ替わり、ガンビットやデンジャーといった新顔が加わった。残念ながら打ち切りにより終了したらしく、中途半端なところで謎が残されるエンディングとなった。


X-FACTOR(2020): これまた今までのチームとほとんど関わりなし。メンバーもこれまでのシリーズに登場したことのあるのはポラリスくらい。クラコア内でミュータントの死亡事件などを捜査する専門のチームが活躍する。

EXCALIBUR

1987年の EXCALIBUR: THE SWORD IS DRAWN にてデビューし、翌年からシリーズ化。

英国のスーパーヒーローであるキャプテン・ブリテンことブライアン・ブラドックが妻で変身能力を持つメガンや FALL OF MUTANS 事件後に残された X-MEN のメンバーらと創設したチーム。

X-MEN からはキティ・プライドやナイトクローラー、レイチェル・サマーズといったメンバーが参加しました。

その後何度も同名シリーズが生み出されていますが、基本は「キャプテン・ブリテンが率いるチーム」という理解で良いかと(2004年版以外)。

逆に”キャプテン・ブリテン”というキャラクターが登場する作品は基本この系譜にあり、名前は異なりますが2008年の CAPTAIN BRITAIN AND MI13 も”エクスカリバー系”と考えて良いと思います。

現在連載中の KNIGHTS OF X も同様ですが、こちらはブライアン・ブラドックからキャプテン・ブリテンの称号を引き継いだ姉のベッツィー(かつてのサイロック)がチームを率いています。

(読む順番)

EXCALIBUR: THE SWORD IS DRAWN(1987): とある事件により X-MEN が全滅(と思われていた)。キャプテン・ブリテンはキティ・プライドら残った X-MEN 達と共にレイチェル・サマーズを狙う異次元生物”ウォーウルヴス"に立ち向かう。


EXCALIBUR(1988): 上の特別編を経て開始された第1シリーズ。 X-MEN フランチャイズにはちょっと珍しい魔法などのオカルト要素と明るい作風が好評を博し、98年まで連載。英国政府のオカルト専門組織に所属するピート・ウィズダムといった独特なキャラが登場し、終盤まで人気を維持し続けた。


EXCALIBUR(2004): 他シリーズとコンセプトが異なる第2シリーズ。プロフェッサーXとマグニートーがカサンドラ・ノヴァによって破壊されたジェノーシャの復興に務める話でブリテン要素は皆無。むしろ HOUSE OF M のプロローグ的な感じ。ちなみにこの頃クレアモントとデイヴィスが UNCANNY 誌を手掛けておりメンバーも前シリーズ出身者が数多く登場するなどしていた。


UNCANNY X-MEN #462-465: HOUSE OF M 事件の発生により次元の壁に傷が生じ、全てを無に帰す”混沌の波”が発生する。並行世界の中枢アザーワールドに引退していたブライアンは再びキャプテン・ブリテンとして HoM 世界に突入し、世界改編の影響を免れたレイチェル・サマーズやサイロックと共に対処にあたる。本エピソードは次シリーズのプロローグとなった。


NEW EXCALIBUR(2005): クレアモントがライターとして再登板して刊行された第3シリーズ。HOUSE OF M 後、アース-616 に戻ってきたキャプテン・ブリテンが再び英国を舞台にピート・ウィズダム、ジャガーノートなどとチームを結成。


X-MEN: DIE BY THE SWORD(2007): EXILES とのクロスオーバー。両チームが HOUSE OF M 後に復活し超人殺戮マシン”フューリー”と融合した強敵ジェームズ・ジャスパースの襲撃に立ち向かう。


CAPTAIN BRITAIN AND MI: 13(2008): 英国の対超常現象を専門とする政府組織 MI13 を率いることとなったキャプテン・ブリテンの新たな活躍が描かれる。ピート・ウィズダムやブラックナイトといったメンバーの他にもブレイドなども登場し、スクラル(刊行開始時は SECRET INVASION の真っ最中だった)やドラキュラと戦った。短命に終わってしまったもののじわりじわりと人気を伸ばしていた。


EXCALIBUR(2019): クラコア時代の新エクスカリバー。ベッツィーが新キャプテン・ブリテンとして新チームを率い、モーガン・ル・フェイなどに立ち向かう。


KNIGHTS OF X(2022): 上記シリーズの続編。 アザーワールドに取り残されてしまったベッツィーらが現地のミュータント達を守るため今度はマーリンやアーサー王の軍勢を相手にする。

EXILES

様々な並行世界を巡り時空のねじれや歪みを修正していくミュータントのチーム。

元々 WHAT IF ものとして始まった企画が発展したシリーズで、メンバーも並行世界出身のメンバーが大半。

その多くがメインユニバースではほとんど活躍しなかった人物や未来の並行世界におけるあのキャラとこのキャラの子供などになっており、慣れてないとマルチバース酔い必至の作風となっています。

ただし慣れれば割と一本筋なので読みやすいかも。

(読む順番)

EXILES(2001): 第1シリーズ。タイムマスターと呼ばれる存在に招かれたメンバーが時空のゆがみを修正するべく奔走する。死亡したり元の世界に戻ったりでメンバーがやたら入れ替わるものの、テレポーテーション能力を有するエイジ・オブ・アポカリプス世界出身のミュータント、ブリンクはほぼ一貫して登場。


X-MEN: DIE BY THE SWORD(2007): EXCALIBUR シリーズとのクロスオーバーにして第1シリーズの完結編。エグザイルズの一員として活動していたサイロックが弟のブライアン(キャプテン・ブリテン)と再会。殺戮マシンと融合した強敵ジェームズ・ジャスパーに両チームが立ち向かう。


NEW EXILES(2008): 新シリーズ。エイジ・オブ・アポカリプス版セイバートゥースや変身能力を持つミュータントのモーフが引き続き登場(ブリンクは不在)。やっていることは基本的にこれまでと変わらず並行世界のゆがみなどを修復するため奔走する。


EXILES(2009): これまでのシリーズの総括的なシリーズ。各並行世界で死ぬ間際にエグザイルズのメンバーとして選ばれたヒーロー達。共に並行世界の危機を救うべく活動するが、そこには何故か再びチームにいるブリンクの姿も……。


EXILES(2018): ウォッチャーの代わりとして地球を見守っていたニック・フューリーが異変を察知。複数の並行世界からメンバーを招集し、対処に当たらせる。ブリンクも再登板するが、それまでのシリーズと異なり、異世界のミス・マーベルやヴァルキリーなどが登場しアベンジャーズ感が強い。


SABRETOOTH AND THE EXILES (2022): これまでのシリーズとはほぼ関係のないクラコア国家時代の新シリーズ。 HoX/PoX で任務中に不殺の掟を破りクラコアの深淵に落とされたセイバートゥース。本作のプロローグとなる SABRETOOTH(2022) でクラコアを脱出した彼が新たな EXILES チームを結成する。多分並行世界要素はないかと。

X-FORCE

”力”を意味する ”FORCE” という単語から示唆されるとおり、ざっくりしたコンセプトは「任務達成のためには殺しも厭わぬ戦闘特化型チーム」といったところ。

ただしそれ以外についてはチームの設立背景や参加メンバーなどがバラバラで共通項があまりないので、さっくり世界観の時勢(大概作中でフォローが入る)さえ掴めていれば好きなシリーズから読み始められます。

(読む順番)

THE NEW MUTANTS(1983) #98-100: 新たに指導者となったケーブル率いるニュー・ミュータンツにドミノやシャッタースターといった戦闘に長けたメンバーが加わり、いよいよ戦闘特化型のチームに変貌を遂げていく。当時業界を賑わせていたロブ・ライフェルドが携わっていた影響が色濃く「筋肉!爆炎!スレたキャラ!」という良くも悪くも That’s 90年代!な作風。ちなみにこの前号の#97はデッドプールのデビュー作。


X-FORCE(1991) #1-#115: 上のチームからメンバーが一部交代したもの。作風もそのままで、ケーブルを筆頭としたチームがストライフ率いる”ミュータント自由戦線”と戦った。ライフェルドがマーベルを離れた後はそれまで共同ライターとしてシリーズに携わってきたファビアン・ニシーザやデビュー間もないグレッグ・カプロなどが引き継いだ。


X-FORCE(2004): 上記シリーズの続編。人類とミュータントが争う未来において敗色濃厚となった人類が現代にミュータントを狩る生物兵器を送り込んだため、ケーブル率いる X-FORCE が殲滅にあたる。


X-FORCE(2008): MESSIAH COMPLEX 事件の際にサイクロプスが荒療治も辞さぬ覚悟で結成したチーム。ウルヴァリンをフィールドリーダーにし、危険な極秘任務の数々に繰り出す。基本的にそれまでの X-FORCE とは名前が同じ完全な別チームという扱いだが並行して連載された CABLE 誌とのクロスオーバーはした。


UNCANNY X-FORCE(2011): 上の2008年版チームの後継作で、サイクロプスが解散した X-FORCE チームをウルヴァリンとアークエンジェルがこっそり再結成。極秘任務は相変わらずな一方、規模が大きかったりそれまでよりも倫理破綻度が跳ね上がったりで、近年の X 系スピンオフの中では随一の出来と言われるほど評価が高い。あと、何気にデッドプールがレギュラーメンバーとして活躍するのは珍しい。


UNCANNY X-FORCE(2013): ナンバリングを一新した上記同名シリーズの後継作。サイロック率いるチームにストームやアルファ・フライトの一員だったパックなどが新たに加わった。ファントメックスの人間関係や MESSIAH COMPLEX で X-MEN を裏切ったビショップの復帰などが物語の焦点となった。


CABLE AND X-FORCE(2012): 上記シリーズと同時並行で連載。謎の予知現象に苛まれるケーブルが新たに率いる X-FORCE の活躍を描く。シリーズ終盤では上記シリーズとクロスオーバーした。


X-FORCE(2014): 再び1つのチームとして再結成した新シリーズ。ケーブルを筆頭にサイロックや元モーロックスのマロウといったメンバーが参加。ミュータントを生体兵器として利用するテロリストなどを相手にしていたものの、シリーズ後半はメンバーだったファントメックスの暴走を食い止めるなどした。


EXTERMINATION(2018): 過去から現代にやってきた O5 を巡る一連の事件の完結編となったクロスオーバーイベント。結論から述べるとそれまで活躍していたケーブルが死亡し、それに代わるように青年時代のケーブルが現代にやってきた。


X-FORCE(2018): ケーブルの死を受けて初代 X-FORCE のメンバーが再集結。任務のため現代に留まった青年ケーブルとデスロックの後を追う。話し合いの末に和解し、以降チームとしてミュータントを虐殺する国家トランジアなどを相手にした。


X-FORCE(2019): ジーン・グレイ率いる捜査チームとウルヴァリン率いる戦闘チームからなる部隊がクラコアに差し向けられる脅威に対処する。

ちなみに大人版が死亡し青年版が残ったケーブルだが、2020年にソロタイトル CABLE にて前者が復活、後者が未来に帰還する。タイムトラベルはややこしいのでここでは割愛。

GENERATION X

成長した X-MEN に代わって次世代のミュータント達の成長と活躍を描いた NEW MUTANTS シリーズ。

しかしそんなニュー・ミュータンツの面々も数々の修羅場をくぐり抜け今や X-MEN と肩を並べるほどの立派な大人に成長したので、これに代わりさらに下の世代のミュータント達を扱ったシリーズ。

ただし本シリーズでは古参 X-MEN メンバーの1人であるバンシーとヘルファイア・クラブのエマ・フロストが指導者となり、舞台もマサチューセッツへ。

X-MEN やニュー・ミュータンツとは異なる系譜に連なり、他の次世代系チームとは少し距離があります。

チーム名については当時65〜84年当たりに生まれた若者たちを指して”ジェネレーション X ”と呼ばれていたのに由来しており、こうした新世代の特徴はキャラクター造りにも反映されたとか。

第1シリーズは7年近くに渡って連載されたものの、その後メンバーは散り散りになり X-MEN 含む別チームのメンバーとして定着するなどしました(中には割と悲惨な目に遭うやつも…)。

(読む順番)

PHALANX COVENANT(1994): ミュータント差別主義者達が機械/有機系ウィルス(ニュー・ミュータンツのウォーロックに由来)”ファランクス”を悪用しミュータントを襲撃した事件。大きく3つのストーリーからなり、そのうちの1つが GENERATION X シリーズ創刊の礎となった。


GENERATION X(1994): 第1シリーズ。胸元から絶えずエネルギーを放出しているチェンバーや、当時 X-MEN にも登場していた人気キャラクター、ジュビリーなどが登場。クリス・クレアモントが X-MEN を離れた後に主要な X タイトルを手掛けていたスコット・ロブデルのストーリーと、クリス・バチャロのアートによる初期連載が人気を博した。


GENERATION M(2005): シリーズとはちょっと距離があるものの、名前が似ているので。” M-DAY ”で能力を失ったミュータントの姿を描き、ジェネレーション X チームのチェンバーやジュビリーも登場する。


GENERATION X(2017): 第2シリーズ。ただしメンバーはほとんど入れ替わり、旧シリーズで生徒側の立場だったジュビリーが新たに指導者としてキッド・オメガなどからなるさらに若い世代を導こうと奮闘する。

X-STATIX

当初は X-FORCE のチーム名でデビュー。

ただしケーブルや元ニュー・ミュータンツからなる元祖 X-FORCE から名前をパクっただけの完全な別チームで、活動をリアリティショーの形で売り込んでセレブを目指すパリピ集団。

内輪もめや裏切りはお手の物、超高感度で超過敏な肌を持つミスター・センシティブや酸性の汗からエネルギーを放出するアナーキスト、正体不明の緑色生物ドゥープなど性格も能力も癖の強い連中ばかり。

”スーパーヒーロー”とはかけ離れた風刺の利いた作品として割と有名です。

シリーズ関連作のほぼ全てについてピーター・ミリガンがライティングを手掛けており、アートも大半はマイク&ローラ・オーレド夫妻が担当。

メンバーが他の作品で登場することはほぼなく(ドゥープだけジーン・グレイ学園にいた)、ある意味一本筋なので動向を追いやすいものの、作風が作風だけに最初に読む作品としては…?

(読む順番)

X-FORCE(1991)#116-129:#115までのチームとは似ても似つかぬパリピな X-FORCE のデビュー作。その過激な描写からデビュー作となる#116は(業界で既に形骸化しつつあったとは謂え)コミック・コード・オーソリティ( CCA )からお咎めを喰らったものの、マーベルはむしろこれを機に CCA と袂を分かつことになった。


X-STATIX(2002): パリピ集団が名を改めて再デビュー。基本的には上のシリーズからメンバーやクリエイターなどはそのまま継続。 ダーウィン・クックやポール・ポープといった珍しい作家もゲストアーティストとして携わった。メンバーに死から蘇ったダイアナ王妃を加えようとした際は情報がリークして英国王室からお叱りを受けるという前代未聞のスキャンダルとなった。


X-STATIX PRESENTS: DEAD GIRL(2006): X-STATIX のメンバーで半分ゾンビ半分幽霊のデッドガールがドクター・ストレンジと共に次から次へと蘇るヴィラン達に立ち向かう。日常茶飯事になりつつあった”スーパーヒーローの復活”を痛烈に皮肉った作品。


ALL-NEW DOOP(2014): 元 X-STATIX メンバー、ドゥープ。ジーン・グレイ学園のスタッフとなった彼がキティ・プライドに恋慕したり、自分のルーツを探ろうと母親を召喚したり。基本的に”ドゥープスピーク”という独特の言語でしか喋らないドゥープだが、一時的に英語も喋られるようになった。


GIANT SIZED X-STATIX(2019): U ゴー・ガールの娘(ただし自分では妹だと思いこんでいた)の前にとある理由から X-STATIX を再結成したいというデッドガールが現れる。一方、復活したツァイトガイストも別のチームを作っていた。


X-CELLENT(2022): X-CELLENT と X-STATIX が激突。

X-TREME X-MEN

91年に X-MEN の中心を離れたクリス・クレアモントが新たに開始したシリーズ。

第1シリーズではストームを筆頭にビショップ、レイチェル・サマーズにガンビットとクレアモント時代でお馴染みの面子が集まり、X-MEN の別働隊として様々なミッションに繰り出しました。

そのまま読んでもそれなりに楽しめるものの、背景が背景だけに70、80年代の連載をある程度履修してから読むとさらに楽しめるかと思われます。

(読む順番)

X-TREME X-MEN(2001): 予知能力を持つデスティニーが遺した13冊の日記”真実の書”を探すためストームがビショップやローグを招き X-MEN の別働隊を結成。クレアモントの昔の連載から引っ張ってきた要素も多く、映画『 X-MEN 2』の公開に合わせて正史入りした GOD LOVES, MAN KILLS の続編的ストーリーなども展開された。


UNCANNY X-MEN #444-473: モリスンの NEW X-MEN が終了した際のラインナップ改編でクレアモントが UNCANNY 誌のライターに就任したことで上記シリーズが終了。ストーリーの一部が本誌に引き継がれた。 EXCALIBUR を共に手掛けたアラン・デイヴィスも前半の作画に参加しており、 HOUSE OF M とのタイイン号である#462&463ではキャプテン・ブリテンもフィーチャーされた。


X-TREME X-MEN(2012): ASTONISHING X-MEN #44-47 のライティングを担当したグレッグ・パクがそこからスピンオフする形で始めた新シリーズ。ダズラーやセイジの他、並行世界のウルヴァリンやナイトクローラーなどがマルチバースに散らばった10の悪人エグゼビア(多分”10”というのはギリシア数字の”X”を意識したものかと)を追う。 X-TREME X-MEN よりむしろ EXILES っぽい。


X-TREME X-MEN(2022): 最近発表された作品。キティ・プライドが忍者オグン(1984年の KITTY PRYDE AND WOLVERINE に登場した、過去にウルヴァリンの師だったこともある人物)から襲撃を受けたのをきっかけに初期チームが再結成。クレアモントのみならず第1シリーズの連載初期において作画も手掛けていたサルヴァドール・ラロッカまで再登板することが発表されており内容も第1シリーズを踏まえたものになるとか。

WEAPON X

ウルヴァリンやセイバートゥースらを生み出した政府機関として有名な”ウェポン X ”を軸に据えたシリーズ。

とはいうものの02年版とその続編の05年版を除けばシリーズ同士の繋がりは比較的ゆるく、強いて言うなら前提として MARVEL COMICS PRESENTS #72-84 があるくらいかも。

時代やチーム問わず様々な界隈からキャラが登板しており、話の内容もトリッキーなものや騙し合い的要素があるものが少なくないため、ある程度 X-MEN 、特にウルヴァリン周辺に慣れ親しんでから読んでみるのが吉かと思われます。

(読む順番)

MARVEL COMICS PRESENTS #72-84: バリー・ウィンザー・スミスがウルヴァリンにアダマンチウムの骨格が埋め込まれた直後を描いた作品。 X-MEN 好きならとりあえず読んでおきたい超名作。


WEAPON X(1995): WOLVERINE 誌が通年イベント AGE OF APOCALYPSE を受けて一時的に改題したシリーズ(ローガンのコードネームが”ウルヴァリン”でなく”ウェポン X ”だった)。必読ではない。というか多分読むと頭がこんがらがるので最初は一旦スキップするのがおすすめ。


WEAPON X(2002): ミュータント問題に対処すべく新たに設立されたウェポン X のミッションと内部の権謀術数。初期はウルヴァリンに恨みを抱く人間側の視点から描かれていたものの、途中からは同組織を壊滅に追い込もうとするウルヴァリンら X-MEN 側の視点も描かれる。


WEAPON X: DAYS OF FUTURE NOW(2005): 前シリーズの続編。ミュータントの抹殺を目的に権謀術数を張り巡らせるウェポン X 長官のマルコム・コルコードが、ウルヴァリン達としのぎを削り合う。


WOLVERINE: WEAPON X(2009): ウルヴァリンがウェポン X に絡んだ事件に挑むシリーズ。タイトルに WEAPON X とあるのでここに含めたものの、どちらかというとウルヴァリンのソロタイトル WOLVERINE の派生系。


WEAPON X(2017): 謎の長官に率いられた新たなウェポン X 部隊がかつての被検体であるローガン(この時はオールドマン版)やセイバートゥース、レディ・デスストライクなどを狙う。後にハルクとローガンの DNA を組み合わせて生み出した被検体が登場する WEAPON H というスピンオフも生まれた。


……と、とりあえずここまでが代表的なスピンオフですが他にもここで言及しきれなかった人気キャラクターのソロタイトルや過去の補完的内容のミニシリーズなどがたくさんあります。

結局どこから読めば良いのか。

では最後にここまでの話を踏まえた上で「 X-MEN をどう読み始めてどう読み進めれば良いのか」ということについていくつかのルートを挙げてみたいと思います。

①当たって砕けろ

個人的にはこれが正道。

結局、ここまで話が複雑になってしまうとどこからどう読んでもいずれ壁にぶち当たることは必至なので、ならばいっそ何も知らない状態で書店で新刊なり有名作なりを手に取って読み始めるのが一番手っ取り早いし、ほとんどの人はどうせいずれここに落ち着きます。

わかる範囲で読み進めてわからないところは過去作集めるなりググるなりして補完しましょう。

現在マーベル作品は MARVEL UNLIMITED というサブスクサービスで大半の過去作は読めるようになっていますし、詳しく書かれた海外版のウィキペディアや X-MEN に特化したウィキサイトとかもあります。

実際、自分も今回この記事を書くにあたってはこうした媒体をかなり参考にしています。

それに X-MEN の歴史がかなり複雑なことになっているのはマーベル側も十分承知しているので、本当に作中で必要な事項については作中で多少解説が入っています。

臆せずまずは読んでみましょう。

②代表的シリーズから入る

そうは言ってもどうせ墜落するとしても可能なら軟着陸したいという気持ちもわかります。

そういう場合フラグシップタイトルだと以下の候補があり得るかと。

THE X-MEN #1(1963): 原点。入りやすいといえば入りやすいものの際立ったエピソードがないためスルーするのも可。


GIANT SIZE X-MEN #1(1975): がっつりのめり込んでみたい人向けの入り口。これを読んだ後に THE X-MEN #94 の連載へ GO。

X-MEN #1(1991): なんだかんだ一番売れた作品なのでこれが入り口になった人は多そう。90年代のカートゥーンとかカプコンの対戦ゲームとかで X-MEN を知った人にとっては一番イメージ通りかも。ただし UNCANNY 誌と二大フラグシップ体制となるのでやや複雑。


NEW X-MEN #141(2001): X-MEN のイメージを21世紀用にリフレッシュ&アップデート……という建前なものの、クリエイター陣がやや個性派揃いのため初っ端からこれはどうかと思わないでもないです。

ASTONISHING X-MEN #1(2004): あっさりめに読み始めたい人向けの入り口。ウェドン&キャサデイによる連載自体は「これぞ X-MEN 」といった感じでオススメ。ただ、この後は暗黒時代に突入して動向がかなりややこしくなるのでやや迷走しそう。


HOUSE OF X/POWERS OF X(2019): 現行のクラコア国家時代のスタートライン。 X-MEN の今に追いつく最短ルートの入り口ですが、設定がやや込み入っており理解しにくい部分もあるので、まっさらな状態で読むのは正直あまりおすすめできず。

③代表的ストーリーから入る

取り敢えず有名な事件から入るという方法。

一番オススメなのは1982年に刊行された GOD LOVES, MAN KILLS 。

通常の連載とはやや距離を置いた単発作品として刊行されているので初めて読むにはうってつけです。

本作で X-MEN の雰囲気を掴んだ後、 GIANT SIZE X-MEN などに進むという方法はありでしょう。

また、現在マーベルは代表的なシリーズやストーリーを極厚ハードカバーの単行本”オムニバス・エディション”という形で続々刊行しています。

X-MEN フランチャイズからも INFERNO や ONSLAUGHT 、 HOUSE OF M や AVENGERS VS X-MEN といった転換点となったクロスオーバーイベントについてはタイインなどの関連作品を全て網羅し、わかりやすい順番に収録したオムニバス・エディションが刊行されています。

こうしたオムニバスを1冊読めば、少なくともその当時何が起こっていたかは大体わかるようになるかと思うので入り口としてはありだと思います。

ただしこうしたオムニバスは1冊で1000ページ以上に及ぶこともザラなので値段が高くなりがち。

特にこだわりがないのであれば紙より電子で購入したほうが金銭的にも物理的にもオススメです。

④スピンオフから入る

最初から X-MEN のフラグシップタイトルに突撃するのではなく敢えて上で紹介したスピンオフから入るという方法もあります。

常にクロスオーバーイベントの渦中に置かれている X-MEN よりは X-FACTOR や X-FORCE などの方が影響を受けにくく、それだけ読みやすくもあります。

ただし作品によってはがっつりイベントに関わっていたり、他シリーズに続く形でシリーズが変な終わり方をしていたりすることがあるので注意。

書籍版が絶版になっていたり電子版が全号揃っていないこともあります。

スピンオフから読む場合は上のスピンオフ編で色を変えた部分を参考にして頂ければ。

⑤キャラクターから入る

やや変化球ですが、例えば MAVEL UNLIMITED とかだと著名なキャラクターの登場作を時系列順に表示してくれるので「キャラ読み」というものも可能です。

X-MEN 他スピンオフシリーズはメンバーの入れ替えが割と激しいので好きなキャラクターが1人いればそのキャラクターを追う形でそれなりに長く広く網羅できるかと思います(複数号にまたがって出演している作品だけをピックアップして読むのがコツ)。

ただし人気キャラだったり歴史の長いキャラクターなどは追いきれない場合があるので注意。

例えばウルヴァリンほどのキャラクターともなると X-MEN のフラグシップタイトルは勿論、 NEW AVENGERS など他のマーベル作品にも登場していたり、ソロタイトルがいくつもあったりするので動向を追うのは至難の業です。

逆にあまりにもマイナーなキャラクターだとそれはそれで出番もなければ一貫性もないことが多く、散逸的過ぎて理解できないし、面白くもならない。

これから読み始める人には若干渋い手法ではあります。

ある程度読んで雰囲気が分かってからやってみると良いかと。

ガッツリめに読みたい人ならキティ・プライド、そこそこならホープ・サマーズあたりがいいかもしれません(具体的に調べたわけではありません)。

⑥当たって砕けろ

まあ最終的にはまたここに来ます。

どっかで諦めましょう。

終わりに

以上、 X-MEN をこれから読み進めたい人へ向けた基礎知識の解説でした!

これで基礎知識!?と思うくらい盛りだくさんな内容でしたが、実はこれでもかなり情報を省いており、各キャラクターについてや細かい動向など書き切れていないことがたくさんあります。

特にウルヴァリンやケーブル、デッドプールといった人気キャラクターのソロタイトルについては今回ほとんど扱っていません。

ただそこまで攻め込むといよいよいくら書いても足りなくなってしまうし、あまり書きすぎて実際に作品を読んだ時の驚きやドキドキが削がれてしまうようなことがあっては本末転倒。

そんなわけで今回はストーリーの流れを重視した記事となりました。

ですが、逆にこれだけ知れば余程変なところから読み始めない限り混乱せずに読めると思います。
キャラクターについては自分の目で作品を読んで是非確かめて下さい。


米国コミックでも最大級の人気を誇る X-MEN 。

長く複雑な歴史が高いハードルになっていることは事実ですが、映画などのファンがコミックも読まないのはあまりに勿体ない!

正直、本記事を作成して私自身 X-MEN について全然知らなかったんだということを痛感しましたし(間違っている箇所とかあったら本当にごめんなさい)、逆に全部を網羅しなくてもそこそこ読めるんだということを実感しました。

本記事を読んで X-MEN に興味を持ってくれたり、元から X-MEN に興味を持っていた人が今後読む作品を選ぶ参考にして頂ければ幸いです。

以上、これだけわかれば X-MEN を読める解説でしたー。