VISUAL BULLETS ー今日もアメコミ三昧ー

アメコミをはじめとした海外コミックの作品紹介や感想記事などをお届け

FEAR AGENT ( Dark Horse )

みんな大好きタイムリープ物。

特に日本では青春ものと相性が良いのか、最近特にやたらと見かけます。

アメコミの世界でもこの手の作品は多く、有名どころである X-men の DAYS OF FUTURE PAST からイメージで刊行している ROCKET GIRL (今確認したら続きが出るって発表されてたぜ、ひぇっふー!)』まで様々なものがあります。


とある事情から宇宙の辺境で害獣(?)駆除屋としてくすぶっていた地球人ヒース・ハストン。

彼が次第に宇宙全体を脅かす陰謀に巻き込まれていく FEAR AGENT もまた、そんなタイムリープとバタフライ・エフェクトが鍵を握る作品の1つ。

加えて本作はレーザー銃とジェットパックを装備した男が様々な異星人を相手に宇宙を縦横無尽に駆け巡る懐かしくも新しい冒険物語でもあります。


宇宙服と空になったビール缶ってどうしてこう相性が良いんでしょうね…(うっとり)。


原書(Kindle版もあり): Fear Agent Volume 2: My War

ライターのリック・リメンダーは『アイアン・ジャイアント』や『タイタン A.E.』などといったアニメーション映画にも関わったことのある人物で(言われてみると本作と雰囲気似てるかも)、少し前までマーベルを主な活躍の場としていたヒットメーカー。

現在はスーパーヒーロー物から少し距離を置いてイメージから DEADLY CLASS や BLACK SCIENCE といった作品を出しています。

マーベルで連載していた作品群はそれほどの数を読んでいるわけではないので何とも言えないのですが、他社の作品を見ている限りではスタートダッシュは遅めで後々驚かせてくれるスロースターターという印象。

どちらかといえば単行本向けのライターかと思われます。 


彼の初期代表作である本作も最初のうちは基礎固めと伏線張りで(後から気づいた)一見するとシンプルな冒険活劇物かと油断していましたが、その分後半の伏線回収パートからは怒涛の勢いで話が進みます。

加えて本作は時空改変があったり人格交換があったりで間をおくと何が何だかわからなくなるので、これから読もうとする人がいれば本編(私は所有していないものの短編集が1つあります)は一度に揃えて一気読みすることを推奨したいところ。

実際に読んでみるとラノベのようなテンポの良さや、アートを手がけているトニー・ムーアなどによる癖のないカートゥーン調な絵柄もあり、サクサク読み進めることができます。

とりわけVol.5からVol.6にかけての展開は凄まじく最終号となった#32などは何度読んでももぐっときます。

良質な4クールアニメを見終えた時と同じくらいの満足度が得られるでしょう。



Kindle版: Fear Agent (Issues) (6 Book Series)