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GIANT-SIZE LITTLE MARVEL: AVX (MARVEL, 2015 - )


Giant-Size Little Marvel: AVX

スーパーヒーローのハチャメチャコメディ!

あらすじ

  Battleworld の一画にある町 Marville では、毎日ちびっこヒーロー達が Avengers 組と X-men 組に分かれて仲良く喧嘩している。そんなある日、町へ新たに双子がやって来たからさあ大変、2人をメンバーに迎え入れようと両チームは熾烈な勧誘合戦を繰り広げ始める。果たして双子を獲得するのは Avengers か、 X-men か。それとも…?

Skottie Young

 ブログを再開してからほぼ週1のペースで Skottie Young の作品を取り上げている。
 彼の作品にハマったのはごく最近のことだが、アートは以前からあちこちで見かけては良いなと思っていたし、アメコミを集め始めて初期に購入した作品も彼がアートを担当していたりして何気に付き合いが古いことも判明した。今度彼がライティングを担当する DEADPOOL の新シリーズもかなり期待している。

作品の概要

 そんな彼がブレイクしたきっかけは大きく分けて2つ。『オズの魔法使い』シリーズのコミックアダプテーションと、 Marvel のヒーロー達を幼児にデフォルメしたヴァリアントカバーの数々 — いわゆるベイビー・ヴァリアントと呼ばれるものだ。

 後者にストーリーを与えてコミック化したとでもいうべき本作は、当時行われていたクロス・オーバーイベント SECRET WARS のタイアップとして、作中で生まれた数々の異世界で繰り広げられた物語群の1つという位置づけとなっている。
 故にあちこちにその片鱗が見え隠れするものの、基本的に話は本作の中で完結しており、別に何の知識なしに飛び込んでも十分楽しむことができるようになっている。

魅力

 可愛い妖精たちがばったばったとなぎ倒されていく IMAGE の I HATE FAIRYLAND よりは多少子供向けにマイルドな味付けとなっているものの、全体のノリはそう大して変わらない。というかクリエイター陣がほぼ一緒だし。ざっくりとしたあらすじがあって、その流れに沿って次から次へとハイテンションギャグが繰り出されるというパターンだ。

 ちょっとしたことをきっかけにして Captain America 率いる Avengers 組と、 Cyclops 率いる X-men 組が対立し、競い合う。そのかけ合いというか応酬する姿がとにかく楽しい。
 1つの単純な筋の中にいくつものギャグが重ねられているこのミルフィーユ形式のストーリーは、相変わらず直に響いて病みつきになる面白さだ。小さい頃にワーナーやディズニーのアメリカン・カートゥーンを見て育ったような人ならこの感覚を分かってもらえるかと思う。

 複雑なキャラクターや仕掛けの凝ったプロットを用意した作品には、それらを伝えることに力を注ぎすぎて読者の好奇心を置いてけぼりにしているものも少なくない。というか、今の MARVEL や DC が新規ファンを獲得できずにいる問題点はこういったところにあるだろう。つまり、固定ファンが”読んでくれている”ことに頼りすぎているのだ。
 だが Young はまず読者に読んで貰うこと、読み続けて貰うことを強く意識してギャグなどの工夫を盛り込んでいる。
 それこそが彼の最大の魅力であり、業界がもっと見習うべき姿勢でもあるのだろう。

まとめ
 本作は…

 ・往年のアメリカン・カートゥーンが好き!
 ・ドタバタコメディが好き!
 ・手軽にさっくり読める作品を探している!

といった方にオススメです。




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