先週2ヶ月先の近刊予定からこれはと思うものをチョイスして紹介してみたコラム『LEAP OF FAITH』。ただやっぱり2ヶ月も先のコミックを取り上げても現在読んでいる内容とギャップがあって語りにくいなとは思ってた。
そこで方針転換。本コラムは副題を『今週のマストバイ』として、2ヶ月も先の作品ではなく今日この当日に発売されるコミックから個人的にこれはと思う作品をチョイスして紹介するスタイルに変えてみようかと。その方が記事も書きやすいし、興味を持ってくれた人もすぐ新刊を手に取れて良いかと思うんで。
じゃあ早速今週の5作品行ってみましょー。
ALIENS: DUST TO DUST #1 (DARK HORSE)
ゼノモーフから襲撃を受けたスペースコロニーを舞台に、避難シャトルの発着港を目指す母と息子の姿を描いた映画『エイリアン』のオリジナルスピンオフ・コミック。ストーリーを担当しているGabrielle Hardmanは『ダークナイト・ライジング』や『ローガン』といった映画の絵コンテアーティストとしても有名。
映画などのスピンオフは外伝的位置づけということもあってか中々注目され難いものの、ファンであるクリエイターが自己流にアレンジしている作品も多くてむしろ映画では見られない面白さを発見できることが多い。本作も独自色を出せるかどうかが鍵となるかと思われる。
DOOM PATROL #11 (DC/YOUNG ANIMAL)
YAラインナップ全体を巻き込んだ『ミルク・ウォーズ』事件を挟んで久々の続刊では、引き続きMorrison時代に強烈なインパクトを残した集団Dadaとの戦いが繰り広げられる模様。
本シリーズは度重なるスケジュールの遅れがやや気になるものの、クリエイター陣の交代がないことや、他に類を見ない奇妙キテレツなストーリーを考えればそれほど気にならない。引き続き安定した高いクオリティの作品を送り出してほしい。
HUNT FOR WOLVERINE #1 (MARVEL)
『マーベル:レガシー』で帰還を果たした現代版ローガン。そんな彼の存在に気付いたX-MEN達がその行方を追いながら復活の真相に迫っていくミニシリーズ。
天国の回転ドア化など様々な影響により、現時点では反応がイマイチな彼の再登場劇をどれだけ盛り上げられるかが鍵になるかと。夏のクロス・オーバーイベント『インフィニティ・ウォーズ』とも絡んでくる気配があるのでそちらを読もうと思っている人は本作も手に取っておくべきかも。
BLACK: WIDOWS AND ORPHANS (BLACK MASK)
黒人だけが特殊能力を持つという世界観で人種差別問題に切り込み、2016年発表時に大きな話題を読んだ作品の続編スピンオフ。2人の捜査官が人身売買組織を追う中で目の当たりにする虐待被害や少年兵らの姿を描くという、今回も中々挑戦的な内容になる模様。大手でないから刊行可能な作品と言えるだろう。
PRISONER #1 (TITAN)
放送から今年で50周年を迎えるカルト作品『プリズナーNO.6』がコミック化。単純なアダプテーションでないことは判明しているが、具体的にどのような内容になるかはまだわかっていない。
ライターにはこれまでDC/VERTIGOのENIGMAなど、アイデンティティの問題に深く切り込んだ名作を数多く生み出してきたPeter Milliganが就くため、一定以上のクオリティは確実に望める筈。原典を彷彿とさせるミステリアスな脱出劇/スパイアクションを期待したい。
以上が今週の5作品。興味が湧いた作品があれば是非手に取るなり電子版で購入するなりしてほしい。
うん、やっぱこっちの方が書きやすいかも。来週の水曜もこんな感じでやってみようかと思うのでよろしくお願いしまーす。