映画のネタバレはない。と思う。(映画に関して何も知りたくないという方は念のため避けといて下さい)
キンドル分冊版(Amazon): Guardians 3000 #2
西暦3014年。1000年に及ぶ長い眠りから目覚めた地球人 Vance Astro 、あらゆる武器の達人 Yondu 、周囲の温度を自由自在に操る Martinex 、木星出身の強化人間 Charlie-27 、そして不思議な力で未来を見通す Starhawk 。彼ら5人は銀河の支配を企む Badoon の脅威から星々を解放するため GUARDIANS OF THE GALAXY を結成し、今日も星々を巡る。
Guardians により Badoon の収容所から解放された地球人の少女 Geena 。 Starhawk の予言によると彼女は全宇宙の命運を握るらしい。困惑する彼女を伴い、宇宙の主要なリーダー達が集まる極秘会談の場へ赴く Guardians だったが、そこで Badoon からの強襲を受ける。 Geena の目の前で次々と命を落とす戦士達 — しかし、気が付くと彼女は再び極秘会談へ赴く Guardians の船の中にいた……。
今でこそ GotG と言えば映画に登場するあの面子ですが、コミックではこちらの方が40年近く先にデビューしてるわけで。昔、 Tom Defalco による X-MEN AND SPIDER-MAN: TIME’S ARROW というノベルで彼らが活躍するのを読んだ私は何気にこっちの方が好きかもです。
ライターの Dan Abnett は DC で Legion を手がけたり、 BOOM でも似た傾向のオリジナル物 HYPERNAUTS なんかを制作しているのでこういうのが得意なのかも。現在も DC で TITANS や AQUAMAN などのライティングを担当しており、クオリティのアップダウンが激しいこの業界で常に一定以上のクオリティを保証してくれる貴重なクリエイターの1人。
本作のような未来物は各所に散りばめられた現代とのコネクションを探すのがちょっとした楽しみ。本作でも Vance が Captain America のシールドを所有していることに始まり、 ”Old Hunger” という異名でのみ知られるかの魔神様が度々言及されたり、しまいには現代の GotG を率いている Star Lord こと Peter Quill がこの時代にも若い時と同じ姿で生き永らえていたりと大小のネタが盛り沢山。
アートの Gerardo Sandoval とカラーの Edgar Delgado によるちょっと盛り気味なアートもまた良い。現代の地球ではコンティニュイティの都合上ちょっと難しいド派手なアクションも未来の見知らぬ惑星なら後先考えずにいくらでもできるので、加減を知らない戦闘描写が大変魅力的。
本作は Science Fiction というより Sci-fi だ。あくまで雰囲気作りとしての宇宙という舞台。スパイスとしてのフューチャー・ガジェット。ちょっとくらい科学的に正しくなかろうが見てくれさえ良ければ問題ない、ストーリーの勢いを削ぐくらいなら考証など無用の長物とでも言わんばかりのファンタジー。
だが、これがいい。
小説などでは最近めっきり見かけなくなってしまったスペース・オペラ。ここにはそれがある。
キンドル分冊版(Amazon): Guardians 3000 #1
キンドル分冊版(Amazon): Guardians 3000 #3
キンドル分冊版(Amazon): Guardians 3000 #4