で、彼は今どこ?
Phantom Stranger による警告以来、 Smallville に押し寄せる数々のトラブルを Simon や Psionic Lad ら仲間と共に退けてきた Conner Kent a.k.a Superboy 。しかし敵は着実に目的を達しつつあった。唯一の手がかりである”壊れたサイロ”を探し求める内、黎明期の Smallville で黒魔術に手を染めた Eben Took なる人物について知った Conner だったが、その直後彼の目の前で人々が昏倒状態に陥ってしまう。
Phantom Stranger は何故 Smallville へやって来たのか? Took を操る黒幕の正体は? Psionic Lad が未来からやってきた本当の目的とは?謎が交錯する中、 Conner は Smallville を救うべく奔走する。
Jeff Lemire と Pier Gallo が Smallville に戻ってきた Conner Kent の新たな冒険を描いたシリーズ完結編。#6は他の Super 系タイトルとのクロス・オーバー REIGN OF DOOMSDAY の一部だったのでここでは省略( Tim Drake との語らいとか Simon と Ray Palmer との邂逅とか面白い要素は諸々あったんだけどね)。
まず#7はゲスト・アーティストに Marco Rudy と Danier Kor の両名を迎えた1話完結。こちらは1985年に刊行された Alan Moore と Dave Gibbons による Superman の名作 FOR THE MAN WHO HAS EVERYTHING のオマージュとなっており、オリジナルでは憑依した相手に望みの幻影を見せていた寄生体がここでは逆に作用し、 Conner の最も恐れる幻影を見せてくる。正直、 Superboy によるディストピアというネタは Geoff Johns が TEEN TITANS である程度やっているのでこれと言って得られるものもないし、この手の暗黒未来系ストーリーは現在と未来とのギャップだけで引っ張っているようなところがあり展開はほぼ決まってくるので「うーん…」という感じ。どうもこの話は後々への布石として配置されたようだが New52 開始でシリーズが終了してしまったためその結実も見ることができずちと残念。 Rudy の絵も瓦礫ばかりでは少々窮屈に見えた。
一方で残りの#8−11は再び Smallville を舞台にここまでのストーリーをまとめるクライマックスとなっていて、こちらは満足することができた。大人の( New52 な)事情で Psionic Boy の事情など若干宙ぶらりんのままとなってしまった要素もあるのは否定しないものの、それでも僅か11冊でこれだけ充実した内容を作り上げたのはお見事かと。締めのモノローグなんかも#1と対比してみるとはっきりと成長が見られて良い。読後感としては面白いのに放送局の事情で打ち切りの憂き目に遭ったドラマを見終わった後みたいな(残念ながらコミックには Netflix に拾い上げてもらうという選択肢はないのだよ……)。 Conner と Lori の関係が発展する様子ももう少し見たかったなあ。
現在刊行されている DC REBIRTH において何故か姿を見せていない Conner 。 WATCHMEN と絡んでいる可能性もあり、そう遠くないうちに姿を見せてくれるものと思われるが、その時の彼が本シリーズで描かれた Smallville な彼であることを願わんばかりだ。
原書合本版(上記商品と同一のもの)(Amazon): Superboy Vol. 1: Smallville Attacks