遠い昔、遥か銀河のかなたで……少し未来に起こったこと。
分冊キンドル版(Amazon): Star Wars: Legacy (2006-2010) #1
ヤヴィンの戦いからおよそ130年。銀河の平和は新たなるシスの暗黒卿 Darth Krayt と手を結んだ新生帝国により再び破られる。 Skywalker 家の末裔で修行中の身であるジェダイ Cade は、師 Wolf Sazen らと共に惑星 Ossus で幼きジェダイ達を狙うシスを迎え撃つも苦戦を強いられる。やがて戦いの中で父を失い、さらに師の命までもが危機に瀕した時、 Cade は禁じられた領域に足を踏み入れその生命を蘇らせる。だが、フォースの暗黒面に触れた彼はそのまま復讐心に駆られ追手に航空戦を挑むが敢え無く撃墜、命を散らしたと思われていたが……。7年後、 Skywalker の名を捨てて賞金稼ぎに身をやつした Cade が再びジェダイ達の前に姿を現す。
今更説明するまでもないフランチャイズのスピンオフ。
Lucas Film がネズミの王国に買収されて SW の版権が同じく傘下の Marvel に渡った際、何が一番不満だったかってそれまで映画の外で展開されていた歴史のほとんどがチャラにされたことですよ。
知っている人も多いと思うけれど、 STAR WARS の広大な世界観のうち、映画で描かれているのはごくわずかな部分のみ。エピソードとエピソードの間であるとかその遥か過去や未来については小説やコミック、あるいはゲームなどの媒体で補完されており、逆を返すとそういったところで展開された物語は映画と矛盾がなければ公式設定となるのが暗黙の了解となっていた。
然るにこれまで Leia と Han の間には双子が生まれ、 Luke は元シスの手先だった女性と結婚して、ようやく平和になったらと思っていたら別の銀河から新たな敵が……というのもファンには事実として受け入れられていたのに、一夜にしてほぼ全て非公式扱い。もやっとするなという方が無理な話で。
ひいてはかつて Dark Horse から刊行されていた本シリーズも SW の版権が Marvel に移行してしまい最早読むことは適わないか……と思っていたところ、最近 Marvel が分厚い新装版の EPIC COLLECTION として再刊行。これに関しては素直にグッジョブとその英断を讃えたい。
さて、その上で肝心の中身だけど。まずエピソードⅥから100年以上経過した未来が舞台というだけで食指が動くのは私だけじゃない筈。加えて、主人公が落ちぶれてバウンティハンターとなった Luke の子孫(あ、 Luke 自身もあの幽体モードで説教しに出てきます)と聞けばワクワクするなって方が無理なお話。
クリエイターはスクリプトに Suicide Squad を世に送り出した John Ostrander 。そして彼とストーリーを共に手がけペンシルも担当するのは Jan Duursema 。 Duursema の名は初めて聞く名なので他にどんな作品を手がけているのだろうと調べてみたらびっくり。 SW 絡みのコミックを数多く手がけている彼女は映画やカートゥーンでもお馴染み Aayla Secura の生みの親でもあれば、もしかすると私が初めて入手したアメコミの合本かも知れないエピソード2のコミカライズを手掛けた個人的にも関係の深いお方でしたわ。
映画の時代から130年という長い年月を経ているため、多少政治関係がごたついているものの、慣れればそれほど苦じゃないどころか、ジェダイが本家と帝国騎士側に分裂していたり、その帝国が味方(?)についたりと中々面白い展開が凝縮されている。
現在どのくらい設定が生き残っているのかわからない本シリーズなものの、今後の展開がとても楽しみな有望シリーズ。
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本記事で紹介した内容含む原書合本版(Amazon): Star Wars: Legacy Vol. 1 (Star Wars Legacy)