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MOON GIRL AND DEVIL DINOSAUR, VOL.1: BFF (MARVEL, 2015 - )


Moon Girl and Devil Dinosaur Vol. 1: BFF(合本)

 発明少女のパートナーは真っ赤な T -レックス!

 特定の遺伝子を持つ者をインヒューマンに変えてしまうテリジェン・ミストが世界中に広まってしまった。発明が大好きな少女 Lunella Lafayette は自分にも同様の遺伝子があることを知り、その探知と無効化のための研究を重ねていた。ある夜、家を抜け出して発明の試験を行っていた彼女が見つけた不思議な石 — やがてその中から出現したのは獰猛な原人達、そして真っ赤なティラノサウルスだった!

  MARVEL とか DC みたいな大きな出版社が新ラインナップを出すときはざっくり保守型と革新型に分かれる。
 前者はいわゆるお馴染みキャラの新シリーズで固めたラインナップで近く MARVEL で開始される『 FRESH START 』のようなタイプだ。
 後者はこちらもお馴染みキャラのタイトルを出すことも多いが、そういうのに混ぜて新キャラや久しく姿を見かけなかったキャラのリブートなどもたくさん刊行するラインナップ。現在 DC で行われている『 NEW AGE OF HEROES 』をイメージして貰えれば良いかと。

 保守型の方はトレンディな人気キャラを集めてるわけだから当然読者からのウケは良いが、同じ料理を別の皿に移し替えただけの場合が大概なのであっというまに常態化する。
 一方で革新型の場合は出版社にとっても読者にとってもかなりの博打であるためラインナップ全体としてはけちょんけちょんにけなされることがままある(というかむしろその方が多い)ものの、1つ1つを見るとそれほどクオリティが低いわけではなく、光る原石みたいなものはほぼ必ずある。最近の例だと Cameron Stewart らの BATGIRL や Tom King の VISION などの作品が業界に新風を巻き起こしてくれた。
  
 本作も2015年の SECRET WARS 終了後の『 ALL-NEW, ALL-DIFFERENT MARVEL 』の、どちらかと言えば革新型のラインナップにて創刊された Amy Reeder と Brandon Montclaire 、それに Natacha Bustos によるシリーズ。

 とにかく面白いの一言に尽きる。
 展開も早ければダイアログも小気味よく、またハートもある。
 発明を駆使する Moon Girl こと Lunella と巨体で派手なアクションを繰り出す Devil Dinosaur は絵的にも映えるし、何より読んでいて楽しい。子供が読んでも安心な内容だが子供だましは一切ないという質の高い全年齢向けコミックであることも評価が高い。
  Reeder と Montclaire は IMAGE の ROCKET GIRL が長期休載に伴う煮え切らない終わり方だったたので、本作でその名誉挽回というか真価を発揮する様を見ることができてとても嬉しい。
  Bustos のアートもリアルとカートゥーンの間を取った程よい感じで見やすい。

 3ヶ月毎にイベントに巻き込まれるうだつの上がらないフラグシップタイトルを読むくらいなら断然本作を読むことをおすすめする。
 久々に” FUN ”という言葉がよく似合うコミックと出会うことができた。


Moon Girl and Devil Dinosaur (2015-) #1(キンドル分冊)


Moon Girl and Devil Dinosaur (2015-) #2(キンドル分冊)


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