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STAR WARS LEGACY VOL.3 (DARK HORSE, #14-19, 2007-08)

 ファンの心をくすぐる快作。


Star Wars: Legacy (2006-2010) #14

 再び Jedi の道を歩み始めた Cade Skywalker はかつて犯した過ちを正すため Sith に捕らわれている騎士の Hosk を救出すべく新生帝国の首都がある Coruscant へ向かう。しかし、そんな彼の行動は既に敵も見越しており、待ち伏せされた Cade は容易く捕まってしまう。 Sith を率いる Darth Krayt はヒーラーとしての彼のポテンシャルを見抜くと、暗黒面でその力を引き出さないかと持ちかけるが……。一方その頃、息子である Cade が敵の手に堕ちたことを知らされると同時、上官からその解放もしくは暗殺の命を授かった Morrigan Corde は、彼のかつてのクルー達に協力を求める。

 オリジナル三部作から100年以上未来の銀河を舞台に描かれる全く新たなサーガの3冊目。前巻のラストでお馴染みのマスコットキャラ R2-D2 が登場したことに加えて、本巻ではさらに皆がよく知る新旧三部作(+小説版)との密接な関わりも明らかになり、いよいよ Star Wars らしくなってきたというか。
 メインのクリエイターはライターの John Ostrander とアーティストの Jan Duursema の2人(ストーリーの作業自体は共同執筆という形をとっている)。 DC などでも今なお活躍する Ostrander と、数多くのコミカライズなどを通して Star Wars の世界を知り尽くしている Duursema によって紡がれるストーリーはさすがと言おうか、ファンが唆られる展開というのを心得ている。

 本巻では主にかつて旧共和国時代の Jedi としてクローン戦争などにも参加経験がありながら暗黒面に落ちた Darth Krayt の経歴と、 Cade の母 Morrigan 率いるゴロツキクルーによる彼の救出劇が物語の中心。
  Morrigan が Cade の母であるという事実はもうしばらく伏せられるのかと思っていたので、彼女がこうもあっさり伝えたことはやや意外だったものの、冷静になって考えてみると登場人物たちには秘密でも読者へは既にバレバレなので十分アリというか、クリエイター陣の心意気や潔しと感心させられた。確かにこういった情報はプロットの中継点にはなり得てもストーリーのアクセントとしての作用はほぼ皆無だから、焦らして焦らして結局肩透かしなシーンになるよりはさっさと開示してその後の反応をいじる方が遥かに有効活用といえるだろう。ライティングの経験が豊富な彼らならではの妙技だ。

 アイデア的なインパクトではなく、テクニカルな手練手管で読者を巧みに引き込む本シリーズが今後どのような変遷を辿るのか、続刊にも期待したい。


Star Wars: Legacy (2006-2010) #15


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Star Wars Legends Epic Collection: Legacy Vol. 1 (Star Wars Legends: Legacy)