あらすじ
ムンバイ。
出産を控えた妊婦が病院に到着したのと同じ頃。
1人の女性がパーティ会場のビルから飛び降りたのと同じ頃。
天界では死の神が上司に呼び出されていた。
曰く、間もなく生まれる胎児が人類に”永遠の生”をもたらすようになるため、彼女はお役御免になってしまうとか。
悲嘆に暮れる死の神に対し、上司は人間として転生することを勧める。
ところが一計を案じた彼女は、もうすぐ生まれるというその小賢しい人間のすぐ近くに転生することを画策する。
やがて死の神はビルから飛び降りて死亡したばかりの女性、ライラ・スターの肉体に転生するが・・・。
感想
最近 DC やイメージで数多くの意欲作を発表し、にわかに注目を浴びるようになったライターのラム・V。
インド系の家庭で育った彼はその独特な感性を活かしたストーリーテリングで読者を魅了しています。
そんな彼の最新作 THE MANY DEATHS OF LAILA STARR 。
現在のところ全5話の予定。
タイトルから察せられるように、いわゆる転生物です。
転生物って基本あんま外れがないですね。
アートはフィリペ・アンドラーデ。
マーベルなどを中心に活動されているアーティストです。
私自身、どこかで見たことあるなー、と思っていたんですがスコッティ・ヤングの ROCKET RACCOON も手がけていたんですね。
ややラフな筆致でコミカルな画風。
キャラクターデザインには愛嬌があって中々好印象です。
転生したてのライラに助言するおばけの女の子が登場するんですが、特にこの子が可愛らしい。
第1号は言ってみればプロローグなのでこのジャンルに慣れている方であれば比較的よくあるパターンと思うかも。
意外性という点ではやや物足りなさがあるものの、割とさくさく進むので満足はしても不満を抱くことはないと思います。
終盤の展開も今後に弾みをつけることに成功し、#2以降にもかなり期待が持てます。
本作に関しては舞台をムンバイとしていることからもわかるとおり、インドの文化が色濃い作品となっています。
正直ファンタジーってそんな好きなジャンルではないんですが、本作については現代風にアップデートされた神話世界も面白く、むしろ世界観に魅力を感じます。
いや、別にそれほどインドの神話とかに詳しくないんで、どれほどベースにしているかとかはさっぱりなんですが・・・。
まあ、何にせよ。
一般的なアメコミ作品とは一風変わった作品を読んでみたいなー、という方などには大変おすすめです。
それでは本日もよいコミックライフを。