VISUAL BULLETS

アメコミをはじめとした海外コミックの作品紹介や感想記事などをお届け

LEAP OF FAITH: 2018年7月号 MARVEL編

  各出版社が毎月出す3ヶ月後の刊行予定リストを元に、その中からこれはと思う作品について独断と偏見と少しばかりの経験で期待や予想なんかを語ってみる新連載『 LEAP OF FAITH 』。
 昨日に引き続き今日もやります。
 
 2回目の今回は2018年7月発売する予定のマーベルコミックス。続々と『フレッシュ・スタート』タイトルが出揃う一方、最新イベント『 INFINITY WARS 』の序章あり、 X-MEN にちょっと動きがあったりと今月も盛りだくさんなラインナップになってる様子。

 ではまず以下の CBR へのリンクから一覧をどうぞ。

www.cbr.com

CAPTAIN AMERICA #1

 ライター Ta-Nehisi Coates とアーティスト Leinil Francis Yu の新コンビによるキャプテン・アメリカの新シリーズ。去年の『 SECRET EMPIRE 』で人々からの信頼が大きく損なわれた彼が、さらに自身を貶めようと罠を張る”パワー・エリート”という集団に立ち向かう。

 あらすじなどからかなりポリティカルな内容になることは必至で、それが吉と出るか凶と出るかが見どころの1つとなりそう。

AMAZING SPIDER-MAN #1 & 2

近年は起業して社長の座に着くなどして活動の幅を広げていたピーターが新シリーズでは基本に立ち返って地に足の着いた活躍を見せる…と思ってたら早速宇宙からの脅威を相手にするみたい。

 10年近くライターを務めていた Dan Slott が退き、新たに Nick Spencer が就任。アーティストは IMAGE で長年『 INVINCIBLE 』を描いてきた Ryan Ottley 。

  Spencer は先にも挙げた『 SECRET EMPIRE 』こそ賛否両論だったものの、スパイダーマンヴィランにスポットライトを当てた2013年の『 THE SUPERIOR FOES OF SPIDER-MAN 』が高い評価を得ており、今回の新シリーズにも期待が寄せられている。

 #1のページ数が356となっているのは誤植ですね、はい。

THE LIFE OF CAPTAIN MARVEL #1(OF5)

 今やアベンジャーズ、そしてアルファ・フライトをも率いるヒーローとなったキャプテン・マーベルことキャロル・ダンバース。戦闘時に降りかかったトラブルをきっかけに彼女が自らのオリジンを見つめ直すという内容のミニシリーズ。

うーん、キャロルといえば初期はアメリカ空軍でも活躍していた野心的な女性というイメージなので、あらすじに「キャロル・ダンバースはボストンの田舎で科学とレッド・ソックスを愛する何の変哲もない女の子〜」って書かれてるのがちょっと引っかかるかも。
  Joe Quesada のヴァリアント・カバーは魅力的。

COSMIC GHOST RIDER #1(OF5)

 悪魔と契約してゴーストライダーになり、ギャラクタスと契約してコズミック・パワーを得て、さらにサノスと契約して死まで得たフランク・キャッスルが銀河をブイブイいわす新ミニシリーズ。
このぶっ飛んだストーリーを紡ぐのはここ数年で突如トップクリエイターの仲間入りを果たしたDonny Cates。内容も内容だがデザインも中々良いので興味を唆られる。

X-23 #1 & 2

 新鋭 Mariko Tamaki と Juann Cabal が送る新シリーズ。ローガンの帰還に合わせて X-23 にコードネームを戻したローラの脇を固めるのは妹のギャビー、そしてペットのジョナサン(クロアナグマ、つまり英名 Wolverine )。

DEATH OF THE INHUMANS #1(OF5)

 何らかの理由により惑星クリーが暴走。「仲間になるか、さもなくば死を」と言わんばかりの彼らに対し、地球の分家ともいうべきブラックボルト率いるインヒューマンズ達が決断を迫られるというミニシリーズ。

 こちらもライターは Donny Cates 。アーティストの Kaare Andrews が描いた謎の新キャラのデザインも現在話題を読んでいる。
 正史に含まれるのかまだわからないものの、あるいはこの先ブラックボルトがクリーの支配者になるなんて展開も…?

INFINITY COUNTDOWN & INFINITY WARS PRIME #1

 マーベルの最新イベント『 INFINITY WARS 』は前哨戦が終わり、遂に本番へ。サノスの登場やインフィニティ・ストーンがキーアイテムになることなど、映画『インフィニティ・ウォー』と共通する要素も多い一方、ローガンの帰還などにも関わってくるのか注目したいところ。

 個人的には『 IWP 』のカバーに描かれてる∞メガネの方と、一番上に居るイカヅチ兄さんが気になりますね。

HUNT FOR WOLVERINE

 ローガンの帰還に気付いた各方面のマーベル・ヒーロー達がそれぞれ真相に迫ろうとする(がおそらく多分辿り着けないだろう)ミニシリーズ各種。こういうスピンオフからは稀に突出した才能が出現するのであながち侮れない。

AVENGERS #4 & 5

  Jason Aaron と Ed McGuinness による新アベンジャーズ。最初の相手はロキと結託したダーク・セレスシャルなる存在のようで。去年の『 MARVEL: LEGACY 』に登場した先史時代のアベンジャーズに関する謎にも迫る模様。

IMMORTAL HULK #2

 不死の怪物として復活を果たしたハルクの新たなる物語は、ホラー調の1話完結物になる模様。
 
 ライターの Al Ewing はこれまで方々から高い評価を得つつもタイトルに恵まれず埋もれていた人物。本シリーズで大きな躍進を見せるか注目。

TONY STARK: IRON MAN #2

 スパイダーマンのメイン・ライターを退いて新たにアイアンマンを担当することになった Dan Slott による新シリーズ第2号。
 トニーの帰還に続き『 CIVIL WAR II 』でサノスに殺害されたウォー・マシンことジェームズ・ローズが復活。何やらトニーの秘密を握っているようで…。

  Slott はアイアンマンにぴったりのライターだとこれまで度々話題に上ってきたので今度のシリーズにも期待大。

TRUE BELIEVERS: FANTASTIC FOUR

これでもかとファンタスティックフォーの旧作号を大量放出。新シリーズのための布石だと思われ、ざっくり FF の歴史を予習したい方には値段も手頃で良いかと。

BLACK PANTHER #3

 宇宙に飛び出したワカンダとそれを率いるブラックパンサーの活躍を描いた新シリーズの3号目。
 内紛で勢いを増す反乱軍に対し、事態の挽回を図るためティチャラ達が謎のアイテムを探すという内容。

 色々と意欲的な内容が話題を読んでいるシリーズなので是非ともチェックしたい。

THE PUNISHER #227 & 228

 ウォー・マシンのスーツを手に入れたフランク・キャッスル(時系列的には上の IRON MAN より前ということだろうか?)に対し、遂にトニー・スタークが立ちはだかる。

 ゴーストライダーになってみたりウォー・マシンになってみたり…いや、前にもキャップのマスク被ってたりフランケン・キャッスルになってた時期があったから驚くことはねえか。

RUNAWAYS #11

 宣伝効果が薄いのか、映像化もしている割にはあまり話題にはなっていない本シリーズ。だがファンの心は着実に掴んでいるようで、中にはオリジナルシリーズ並かそれ以上なのではという者も。

 本号では死から蘇ったガートにスポットライトを当て、かつて反抗の意思を示す意味で紫に染めていた髪が、最近ではすっかりファッショントレンドになってしまったことへ戸惑いを覚えるという内容になるよう。

 死の回転ドア自体は考えものだが、こういうちょっとした変化からキャラクターにアプローチするのは嫌いじゃない。

X CLASSIFIED #1

 何から何まで秘匿されている X-MEN の新作。
 海外の掲示板などを見ていると、 UNCANNY 誌の復活かと期待するファンも多いが、一方でその何ら開示しない宣伝方法自体に批判的な声も。

 何にせよ続報を待ちたい。

ASTONISHING X-MEN #13

 クリエイター陣が一新されると共にチーム編成も改変。ハヴォック、ビースト、ダズラー、ウォーパス、コロッサスという面子になる模様。
 ただハヴォックは『 AXIS 』事件以来最近までヴィランとして活動していただけに、他のメンバーからの信頼回復に一苦労か。

DEADPOOL #2

  Skottie Young と Nick Klein による新シリーズの第2号。宇宙からやって来た脅威にウェイドが立ち向かう…って何か今月スパイダーマンといいアベンジャーズといい、宇宙から随分色々とやって来るな。

STAR WARS #50 & 51

 マーベルユニバースから独立しているためか、現在まで一度もリブートすることなく50号を迎えた稀有な作品。 
 #50では反乱軍の艦隊が成立したことを察したダース・ヴェイダーが動き出す他、続く#51では帝国軍の艦隊とミレニアム・ファルコンの追走劇が展開されるようで、帝国が攻勢に出る模様。

STAR WARS: DOCTOR APHRA #22

 何かカバーがエロいなと思ってたら『 SQUARRIORS 』などでコアな人気を誇る Ashley Witter が描いてた。これまで未読のシリーズだがこのカバーのために買おうか。

合本

  Jonathan Hickman による S.H.I.E.L.D. シリーズの合本がようやく出る他、同ファンタスティック・フォーのランも新装版が出るのは嬉しい。

 他にも映画公開を控えてか過去のヴェノム関連タイトルや長らく忘れられていた作品、それになんといっても90年代に大ヒットした Tom DeFalco らによるスパイダーガールの新装版など興味を唆られる作品がそこかしこに。



…というわけで。
 
 今月のマーベルから気になったタイトルについてつらつらと語ってみました。
 なお、ここに載せた見解は個人のものだったり、実際に読んでみたら中身が結構変わってることも十分あり得るんでその辺りはどうぞよろしく。
 1人のファンによる下馬評として買う際の参考にして頂ければ有り難い限りです。

 では、多分明日は IMAGE の近刊を扱うと思うのでどうぞよろしく!