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数年前にその存在を知ってから長らく復刊を待ち望んでいた伊藤潤二の SF ホラー。
英訳版も発売されたのに日本語では入手できず長らくやきもきしていたのですが、この度アイズナー賞の受賞により重版。
なんとかゲットできました。
ありがとう、アイズナー賞。
ありがとうございます&おめでとうございます、伊藤潤二。
地球に猛スピードで迫りくる謎の星レミナとパニックに陥る人類の姿を、その名付け親の愛娘である少女麗美奈を軸に描いた作品です。
中身についてはテンポの良いスピード展開と「愚かな人間」の展覧会がとにかく気持ち良い。
あらすじは良い意味でストレート、でも細かな捻りもあって著者の奥深さに驚かされます。
あと、なんといっても絵がすごいです。
群衆シーンも好きなんですが、なんといってもレミナ星のおどろおどろしさの中にどこか惹かれるものがあります。
併録されていた『億万ぼっち』も大変満足。
表題作にしろこちらの作品にしろ、わかりやすいあらすじでありながら読者の想像に委ねる部分もしっかり用意されており、作品と対話したような読後感。
改めてアイズナー賞の受賞、おめでとうございます。