英語を学ぶ教材としてアメコミをはじめとした海外コミックに関心を持つ方も少なくないでしょう。
このブログでもかなり以前ですが、アメコミが英語学習にうってつけである理由と、習熟度に合わせたオススメの作品を紹介しました。
しかし、最近になって盲点があったな、と思い至りまして。
それはリスニングです。
コミックは結局のところ書籍であるため、読解の学習にはなっても、耳を鍛えることはできません。
今は MCU を始めとしたアメコミ映画が豊富にあるため以前より状況が改善したとは謂え、映画のようなカジュアルな会話では勉強しにくいという方も、特に受験などで英語を使う学生なんかに多いのではないでしょうか。
そんな人におすすめしたいのがポッドキャストやユーチューブ動画といった媒体。
日本でも映画や漫画作品の解説動画があるように、アメコミでもその歴史や製作背景を取り扱った動画や音声が多数あります。
そしてそうしたものの中にはクオリティが高く、英語が聞きやすいものも。
今日は私が最近聞いたポッドキャストで英語学習にもぴったりな本作を紹介したいと思います。
概要
米国ケーブルチャンネル SYFY が運営するサブカルエンタメ系ウェブサイト SYFY WIRE が手がける BEHIND THE PANEL というポッドキャスト。
その最初の4エピソードを飾ったシリーズが THE STORY OF VERTIGO COMICS です。
VERTIGO といえば、かつて1993年から2020年まで DC コミックス内に存在し、 SANDMAN や HELLBLAZER など数多くの名作を生み出したレーベル。
それまでスーパーヒーローに席巻されていた業界に風穴を空け、コミックに関心のなかった大人や女性といった読者層にも門戸を開いたことで知られています。
タイトルの通り、本シリーズはその VERTIGO の歴史を関係者へのインタビューなどを元に辿っていくという内容です。
VERTIGO といえばこの人ともいうべき名物編集者カレン・バーガーはもちろんのこと、グラント・モリスンやガース・エニス、ブライアン・アザレロにマーク・バッキンガム、シェリー・ボンドといった数多くのクリエイターや編集者が当時の制作環境などについて深く語ります。
英語学習
コミックに関連するポッドキャストの多くはインタビューやトークセッションを録音したものです。
そうしたものの中には音質があまり良くないものや、会話がカジュアル過ぎて文法や単語などの面から英語を聞き慣れていない人には厳しいものも。
本作も関係者へのインタビューをメインに構成されているという点では他と共通しているものの、そこは大手らしい編集力。
一部電話によるインタビューであるため音質的に聞き取りにくい部分こそあるものの、内容的についてはインタビューの中身がざっくばらんになりすぎることもなく、単語や文法が聞き取りにくいといった部分はあまりみられません。
(・・・というか音質的に聞き取り辛いのはアザレロとモリスンなんですが、ことモリスンに関してはスコティッシュ訛りが強烈なので多少音質が改善されたところでごにょごにょごにょ・・・)
筋道立った構成や、要所要所にホストであるマイク・アヴィラによるナレーションが挟まれるおかげで多少聞き逃してしまった箇所があったとしてもすぐに置いてけぼりになるといった心配も少ないかと。
1エピソード30分前後×4話、合計2時間程度というのも丁度よい分量かと思います。
オーディオドキュメンタリーを聞くような感覚でじっくり聞くもよし、別の作業をしながら聞き流すのもよし。
これを聞いた後に紹介されていた作品を購入してそのままリーディングの勉強に繋げることも可能です。
また、このポッドキャスト以外にも SYFY WIRE はユーチューブ動画なども数多く手がけています。
個人的なオススメはイメージの黎明期を追ったこちらの動画。
今回紹介したポッドキャストと似たような構成ですが、映像が豊富な分むしろ理解しやすいかもしれません。
まずはこちらをご覧になって、英語のスピードなどに慣れてから本シリーズに挑戦してみるというのもありです。
以上、ポッドキャスト BEHIND THE PANEL: THE STORY OF VERTIGO COMICS の紹介でした。
本ブログでもアメコミを使った英語学習の記事はそこそこ人気でして。
もっとこうした活用法を紹介する記事が作れないかなと実は少し前から企画を模索しています。
まだ本格的な記事が公開できるほど形にはなっていないのですが、とりあえずそれまでは今回のように英語学習にオススメできそうな作品や関連メディアを紹介していこうかと思います。
今後の記事も乞うご期待!
それでは本日もよいコミックライフを。