最近実写ドラマになるとかで話題になっている DC の新キャラ、ナオミのデビュー作、NAOMI SEASON ONE を読みました。
前々から気になってはいたものの、現状ハードカバーの単行本しか出てなかったのでソフトカバーを待つ構えでいたんですが、機会があったので購入。
スーパーマンが出没したことで湧き上がる田舎町。
そこに住む少女ナオミは温かい家庭で育つも、養子である自分の出自について悩んでいた。
そんな中、彼女は自分が生まれたのと同じ年、この町に異変があったことを知り興味を抱く。
何か知っている素振りを見せる修理工に話を聞きに行くが…。
というあらすじ。
なんていうか、うん。
端的に言えば ULTIMATE SPIDER-MAN 再びという感じです。
あれもスタン・リーとスティーブ・ディッコが16ページくらいでやった AMAZING FANTASY #15 の内容を単行本丸々1冊分の分量に膨らますというトンデモ芸作品でしたが、NAOMI についてもイメージと言うか読んだ時の感覚としてはそんな感じ。
「まあ、短くしようと思ったらできないこともなかったと思うけど」
「この分量でやってよかったよね」
という。
そういう意味では成功例。
ブライアン・マイケル・ベンディス。
できる時はできる人です。
USM の他にも DAREDEVIL とか NEW AVENGERS とかヒット作もある一方、どれとは言わないものの鳴かず飛ばずの作品もあり。
どのライターもそういうところは少なからずあるんですが、多分この人ほどその差がはっきりするのも珍しいかと。
ただ、いくつかのポイントを踏まえさせすれば、ある程度面白いかどうか予想がつくようになります。
ベンディスには大きく3つのヒット作発動条件があって。
① オリジナル作品か、あるいは物語の舞台が(他誌に影響を及ばさない程度に)範囲が限定的な作品であること
② 主人公が一般人目線であること。
③ 物語の芯がクライム・フィクションかスパイ・フィクションであること。
これが揃ってれば大体ヒット作です。
逆に SF ギミックを使った超人メガクロスオーバーイベントとかやり始めるとツッコミどころ満載の作品になります。
ある意味これほど分かりやすい人もいません。
で、そんな彼が手掛ける NAOMI SEASON ONE ですが。
舞台は田舎町で主人公は一見ごく普通の少女。
一見宇宙人とか異次元人とか出てくるサイエンス・ファンタジーですが、やってることは自分の出自を探るという点でヤングアダルト向けのミステリーです。
今後の展開次第では(というか既に ACTION COMICS とか JUSTICE LEAGUE とかで色々やってますが)評価が変わる可能性もありますが、少なくとも本書だけを読んで判断するなら高品質なニューヒーローのオリジンストーリーだと思います。
アートについても色々言いたいことはあるんですが、多分近日中に FAR SECTOR の感想もやるのでその時にでも改めて語りたいと思います。
強いて言うなら1つ。
ナオミ、肩パーツない方がかっこよくね?
以上。