VISUAL BULLETS

アメコミをはじめとした海外コミックの作品紹介や感想記事などをお届け

LEAP OF FAITH 2021/5/17

今週もやってきました、近日刊行予定の新刊をざっくり紹介する週間コラム LEAP OF FAITH です。

今週紹介するのは7本。

マーベルや DC からの新作が多いものの、全体としてはやや少なめな印象です。

まあ、気にせず早速いってみましょう!
(タイトルのリンクから各出版社等の紹介ページへいけます)

LEGENDS OF THE DARK KNIGHT #1 ( DC )

様々なクリエイターが各々の視点からバットマン達の活躍を描くシリーズが復活(デジタル版は既に先行刊行しています)。

まずは THE BOYS などで知られるクリエイター、ダリック・ロバートソンの作品です。 

専らアーティストとして知られる彼ですが、実はストーリーも結構イケます。

今号から始まるのは、新たにゴッサムへやってきてジョーカーやペンギンといった凶悪犯達に危険なドラッグを売りつける謎の売人を相手にバットマンがその正体を探るというストーリー。

#3まで続きます。

ロバートソンのアートはキャラクターの感情表現がすごく豊かで見ていて飽きません。

彼の作品を見たことがないという方は是非この機会に。

WONDER GIRL #1 ( DC )

ゴッサムの”ありえたかもしれない”未来を描いたラインナップ FUTURE STATE から独立した作品。

未来世界ではダイアナに代わり新たなワンダーウーマンとして活躍していたヤラ・フロア

本作では時を現代に移し、彼女のオリジンを描きます( FUTURE STATE と違いこちらはおそらく正史に含まれるものかと)。

クリエイターは FUTURE STATE でも彼女を担当したジョエル・ジョーンズ

ライターとしてもアーティストとしてもヒット作を生み出している彼女が本作でも両方担当します。

カバーアートからして力強さと美しさが兼ね備えられていて期待大です。

FANTASTIC FOUR LIFE STORY #1 ( MARVEL )

60年代に初登場したキャラクター達がリアルに齢をとっていたらどのようになっていたかという想定でマーベル・ユニバースを描く LIFE STORY の新作。

前回の SPIDER-MAN: LIFE STORY も高く評価されましたが、続く本作で扱うのはファンタスティック・フォーです。

今回はライターとしてマーク・ラッセルが担当。

既に何度も語られ尽くしている FF のオリジンをどう語るのか注目です。

SHANG-CHI VOL 2 #1 ( MARVEL )

映画の公開も控えているシャン・チーの最新シリーズ。

新たに闇の組織 ”FIVE WEAPONS SOCIETY” を率いることになってしまったシャン・チー。

彼は組織を善なる道へ歩ませようとするものの、誤解などからマーベルのヒーロー達を相手に戦うことになってしまうとか。

今号ではスパイダーマンと戦う模様。

なんていうか、スパイダーマンって結構この手の「勘違いで戦ってしまう」こと多いですよね・・・。

APOCALYPSE 5000 #1 ( FLOATING WORLD )

衰退した人類が大いなるマシンに仕えるようになったディストピア世界を舞台に、それに反抗する者達の姿を描いたワン・ショット作品を復刊。

アーティストは70年代から80年代にかけてマーベルや DC で活躍したクリエイター、ケン・ランドグラフです。

濃ゆい陰影などがかなり独特のアートですが、刺さる人には刺さると思うので気になる方はまずプレビューされているページなどをご覧になってみて下さい。

ARCHIE & FRIENDS SUPERHEROES #1 ( ARCHIE )

タイトルの通り、アーチーがスーパーヒーローと一緒にわちゃわちゃする作品。

・・・これ以上説明のしようがないんですよねえ。

でもそれがいい。

アーチーは他の出版社とのクロスオーバーも結構多いんですが、自分でも数多くのヒーローを擁しています。

今号ではヴィジランテのボブ・ファントムブラックジャックが登場。

RED ROOM #1 ( FANTAGRAPHICS )

今週一番注目なのは多分これですね。

X-MEN: GRAND DESIGN などで知られるエド・ピスコーによる最新作。

ダークネットや暗号通貨を使い、自らの凶行を映像配信する殺人犯達の姿を描くサイバーパンクサスペンス。

あらすじからしてクライムとかホラーが大好きな私としてはめっちゃ惹かれます。

ピスコーのアートはマーベルや DC といったメジャー路線と、アンダーグラウンド系コミックで見られるような独特路線を上手にハイブリッドしたような作風が魅力。

なお、ピスコーはユーチューブでコミック作品について語り尽くす CARTOON KAYFABE のホストとしても知られていますが、そこで彼と同じくホストを務めているカートゥニストのジム・ラグも本作にヴァリアント・カバーを提供。

こちらも中々良くてどのカバーを購入するか迷います。


以上、今週刊行される中から注目の7作品でした。

今回はエド・ピスコーの最新作みたいな注目作があった一方で、イメージやダークホースといったオリジナル作品の大手からの新作がやや少ない印象。

来週はこれらの出版社から新作がでるのを期待したいと思います。


それでは本日もよいコミックライフを。

先週の LEAP OF FAITH
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