スナイダー版バットマンのフィナーレ。
自分の遺体を形どるかの如くゴッサム市街に描かれた巨大なチョーク・ラインの謎を追って因縁の場所、クライム・アリーを訪れたバットマン。彼は、そこで1人の少年を発見する。だが子供が隠し持っていた銃を突きつけた、次の瞬間 ---
ブルース・ウェインは精神病棟にいた。
周囲にいるのは自分が戦っていたヴィランとよく似た医師や患者。
困惑するブルースにアルフレッドは両親を殺害して以来、彼がずっと妄想に囚われ続けていたのだと諭し、コウモリを模した拘束具を見せる・・・。
バットマンは妄想だったのか?
だが、これは全ての始まりでしかなかった・・・。
NEW52が始まった2011年から DARK KNIGHTS: METAL などを経て描かれ続けてきたスコット・スナイダーとグレッグ・カプロのタッグによるバットマン・サーガの完結編。正義と悪との戦いの果てに荒廃してしまった世界における、闇の騎士ことバットマンの最後の戦いを描く。
基本的にブラック・レーベルから刊行される作品は正史のDCユニバースとは少し距離をおいた”外典”として扱われるので、本作も厳密には数あるバットマンのラストエピソード、その1例でしかないものの、スナイダーがつい最近まで手がけてきたJUSTICE LEAGUEなどの内容も盛り込まれているため、これまでにおける彼の作品群の到達点とはいえるだろう。
さて、本作の中身に関して言いたいことは3つ。
1.ダークサイドは首だけになってもカッコいい。
2.ワンダーウーマンはモヒカンになってもかっこいい。
3.ゴードンはチャラいポニテになっても全然イケる。
以上だ。
真面目な話、スナイダーもカプロもそれぞれホラーにルーツを持つ作家なだけあって彼らの手による暗黒版DCユニバースは最高に醸成されている。ディストピアとか悪堕ちとか、そういうの好きな人は結構ツボにハマると思いますです、はい。
さて、つい最近スナイダーとカプロは新たにDARK KNIGHTS: METALの続編(噂ではDEATH METALだかHEAVY METALだかになるとか・・・)刊行を発表し、チェーンソーを構えるワンダーウーマンのイラストが公開された。
バットマンを描ききったタッグが今度は何を作るのか楽しみだ。