エディター、つまり編集者という存在は正直、扱いにくい話題です。
出版社から作品を出すのであれば必要不可欠な存在でありながら、具体的に何をやっているのかわからないという人が少なくないんじゃないでしょうか。
実際、コミコンで「エディターって何する人?」というテーマのパネルが開かれるくらいです。
以下のリンクは THE BEAT からの記事。
SDCC '19: So what do comic book editors do, anyway?
私自身、上の記事含めインタビューや業界史関連本などでエディターの話題にはそこそこ触れているつもりですが、強いて言うなら”ライターとペンシラーとインカーとカラリストとレタラーがやること”以外のことをやる役職というくらいの認識です(これも正確ではない)。
なにせその仕事内容は多岐にわたり、スケジュール調整をはじめとした事務的な仕事をはじめ、クリエイター陣のコミュニケーションを円滑にしたり、他誌と内容の擦り合わせをしたり。
時にはライターの”アイデア”を”物語”にする手助けをすることもあります(そのためかエディター出身のライターというのは割と多い)。
なんにせよ、ある種の仲介者であることは間違いないかと。
海外のコミックだろうが日本の漫画だろうが”エディター(編集者)”というとクリエイターの創作意欲を削いでしまう企業の手先みたいなイメージで語られることもあります。
ただそれは決して全員に言えることではなく、むしろ多くの編集者はより良いものを作ろうとするクリエイター陣が能力を最大限発揮できるよう日々努めているのではないでしょうか。
そして優秀な編集者が担当した作品にはその編集者”らしさ”とでも言うべきものが伴います。
自分は語彙力と表現力が不足しているためその”らしさ”をはっきり言葉にはできないのがもどかしいのですが、例えばアクセル・アロンゾにしろC.B.セブルスキーにしろ上手にクリエイターの持ち味を引き出しつつ自分の色を作品に残しているため、読んでいると「あ、これ○○が担当エディターかな」と気付かされることがしばしばあります(そしてそれは大体当たる)。
マイク・マーツもそんな”らしさ”を示すことができる秀逸な編集者の1人です。
アフターショックを離れた今後も面白い作品をたくさん世に送り出してくれればと願います。
……というか改めて調べてみると自分がちょうど UNCANNY X-MEN とか BATMAN とかにどっぷり浸かって読んでた頃の作品、結構な打率でこの人が担当してましたわ。