あったあった。
purgatorioannotato.wordpress.com
上のリンクはアラン・ムーアとケヴィン・オニールの CINEMA PURGATORIO の注釈解説サイト。
PROVIDENCE の注解サイト作ってくれたのと同じ人が作ってくれているみたいです。
コマ単位で由来となった史実とか細かいところまで解説していて、(作品作った人とこのサイト作った人とダブルの意味で)よくここまでリサーチしたなと感心させられます。
話に出たのでついでに紹介(以前やった気もするけれどまあいいや)。
CINEMA PURGATORIO はアラン・ムーアがクラウドファンディングで資金を募ってアバターから刊行した全18号のアンソロジー。
各号映画をモチーフにした(?)モノクロ5作品が1章ずつ連載されました。
連載作は以下の通り。
CINEMA PURGATORIO: ムーアとオニールによるアンソロジーと同名の作品。奇妙な映画館に足を踏み入れてしまった主人公が陰謀とスキャンダルに塗れた映画史の暗部を炙り出すような上映作の数々を目の当たりに。
CODE PRU: ガース・エニスとラウロ・カスレスによる作品。吸血鬼や狼男といった存在が日常の影で暮らす現代社会を舞台に、怪人たちを救おうと奔走する新米救急隊員の活躍を描きます。絵はややグロいものの話自体は割とコメディ寄り。今回のアンソロジーに収録されているのとは別にプロローグ的同名作が何冊か出ています。
A MORE PERFECT UNION: マックス・ブルックスとマイケル・ディパスカルの作品。南北戦争時代を舞台に巨大アリの大群に攻め込まれた南軍の奮闘を描いた仮想戦記。ブルックスは WORLD WAR Z とか書いた人です。あの小説を読んだ人はわかるとおり本作も考証がかなり練り込まれているようで上記注解サイトに本作の注解も掲載されています。
MODDED: キーロン・ギレンとイグナチオ・カレーロの作品。 文明が荒廃した世界で人々がモンスターを使ったバトルに明け暮れる中、1人の少女が奪われた自分のモンスターを取り返そうと立ち上がります。確かコンセプトは「マッドマックス+ポケモン」だとギレンがどっかで言ってたかと。
THE VAST: クリストス・ゲージとガブリエル・アンドラードの作品。 世界各地で巨大怪獣が出現する中、1人の女性兵士が怪獣の幼体に懐かれたのをきっかけに怪獣を利用した新たな戦争の形と直面するという作品。巨大怪獣もののギアを一段上げたような面白さがあります。
……といったラインナップ。
なお、レターは全ての作品で共通してカート・ハサウェイが担当。
カバーのカラーはホアン・ロドリゲスです。
クリエイター陣を見て頂ければわかるとおりかなり豪華。
アーティストはアバターで活躍している人が中心なのでこっち方面読んでないと馴染みないかもしれませんが、ライターは DC マーベル含めあっちこっちでばりばり活躍するヒットメーカーばかり。
どの作品も読み応えは抜群です。
……と言いたいところですが、実を言うと自分は A MORE PERFECT UNION のみ「まとめ読みした方が良いな、うん」と溜め込んだまま現在まで放置していたことをさっき思い出したので未読です(あんまクオリティは心配してませんが)。
単行本としてまとまっているのは CINEMA PURGATORIO のみのようなので他の作品が読みたい場合は各号購入する必要があるみたいです。
一応キンドルに電子版はある模様。
おそらく現在までのところアバターが新作月刊誌としてまともに刊行した最後の作品。
ある意味でこの出版社の集大成かもしれません。
CINEMA PURGATORIO と MODDED 以外は「第一部完」みたいな終わり方なので続きを出してほしいところ。