VISUAL BULLETS

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エヴェレット

デアデビルの話が出てきたのでビル・エヴェレットの話をまたしておきましょうか。

以前も述べたとおり自分は一部界隈の人がエヴェレットをして「締め切り破りのアル中」呼ばわりするのはあんまり好ましく思ってなくて。

エヴェレットが DAREDEVIL #1 の締め切りに間に合わなかったことがスタン・リーとジャック・カービィに即興で既存のヒーローを共演させ AVENGERS #1 を作らせる契機となったという日本でも軽くバズった話、元はトム・ブリヴォートがどこぞの掲示板でファンの質問に答えたのを切り取ったものだと思われるんですが、そこでエヴェレットがグリーティング・カードなどを作る”本業”で忙しかったという面は無視されがちです。

ブリヴォートも自身のブログなどではむしろこっちの理由の方が大きくて、あるいはアルコール依存症もあったのかもしれないくらいのニュアンスなんですが、多くの場合はアルコール依存症という面ばかりが取り沙汰されます。
(もっと言うならブリヴォートも後にアベンジャーズは即興的に作られたわけではなく、もっと前から制作が進んでいたという説を紹介していますし。)

以下のリンクはトム・ブリヴォートのブログからの記事。
Lee & Kirby & Ditko & Everett: The linked stories of X-MEN #1, AVENGERS #1 and DAREDEVIL #1 – The Tom Brevoort Experience
Lee & Kirby & Ditko & Everett: More on the linked stories of X-MEN #1, AVENGERS #1 and DAREDEVIL #1 – The Tom Brevoort Experience

エヴェレットがアルコール依存症だったこと含め、色々と話題に事欠かない人物であったことは事実ですが、当時多くのコミックアーティストが置かれていた状況やエヴェレットの事情を度外視してただの”アル中”呼ばわりするのはあまりに乱暴な括りかと。