VISUAL BULLETS

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FINAL CRISIS

そういえばニューゴッズの話で思い出したんですが、この間 Reddit か SNS で「これまで読んだ中で一番面白くなかった作品は?」というスレを見かけまして。

そこに FINAL CRISIS が挙げられてて割とショックだったというか。

いや、個人の好みなんで別に文句があるわけではなく、むしろそうかそういう見方もあるのかと目からウロコだったんですが、それはそうとショックなことに変わりはないという。

確かにところどころメタ的だったりハイ・コンセプトだったりなところがあってわかりにくいし、 SEVEN SOLDIERS とか JLA みたいなモリスンの過去作を読んでないととっつきにくいところもあるし、面白くないと思う意見もわかるというか書きながら「あれこれ面白くないと思われるのも当然じゃないか」みたいな気分にさえなるんですが。

一方で刺さる人にはとことん刺さります。

私は好きですよ、あれ。

メタ的なところも含めてかなり好きだし、なんなら近年のメガクロスオーバーの中では最高の作品だと思ってるくらいです。

アートもダグ・マンキの魅力に気付かされたのはこの作品があったからだと思います。

スーパーヒーロー作品が全部全部ああいう風になってほしいとは思わないものの、グラント・モリスンによるスーパーヒーローのメガクロスオーバー作品としては期待通りの期待以上だったと思います。

つまり何が言いたいかっていうともっと色んな人に読んでほしいというのと、書いてる内に SEVEN SOLDIERS 読みたくなってきたぞということ、そして FINAL CRISIS で描かれたトーキー・トーニーの勇姿はコミック史の歴史に残る名シーンとして認定して良いということです。


......待て、14年前の作品は最早「近年」とは言わないな?


(追記)
記事を投稿後、本作に携わったアーティストのカルロス・パチェコが自身の SNS アカウントで筋萎縮性側索硬化症( ALS )の診断を受けたと公表したことを知りました。

ご養生下さい。