VISUAL BULLETS

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業界の変化

(2022.9.24追記)本記事は盛大に誤っており訂正記事を掲載しましたのでこちらの記事と併せてご覧ください。

ダークホースが自社から刊行するコミック誌の小売店への流通に関して、それまで契約していたダイヤモンドに加え新たにペンギン・ランダムハウス(以下 PRH )とも卸売契約することを発表しました。

以下のリンクは THE BEAT からの記事。

www.comicsbeat.com

ダークホースと PRH は以前より一般書店向けのグラフィック・ノベルと英訳マンガに関して卸売の契約を結んでいたものの、今後はコミック専門店を対象とした月刊誌(いわゆるリーフとかフロッピーとかと呼ばれるやつ)についても取り扱ってもらうことになります。

こうしたコミック専門店向けの月刊誌について PRH と契約するのはマーベル、 IDW などに続く動き。

ダークホースと契約を断たれたわけではないとは謂え専属でなくなることはコロナ禍以降におけるダイヤモンドにとって新たな痛手となりそうです。

一方で小売店にとっては卸売の業者に選択肢が増えることは必ずしも悪いことではないかと思われ。

ダークホースにとってもそれは同様ですが、加えて長年の取引先であったダイヤモンドとの専属契約をやめるという判断に至ったのは何らかの意図があるものと推測できます。


今回の動きを含む流通に関する一連の経緯は出版社がこれまで売上の中心となっていた「コミック専門店」から「一般書店」へと軸足を移すか少なくとも販売に力を入れる前触れではないかという見方もでき、同様に読者層を大きく変化させた50年代のコミックス・コード・オーソリティの設立や90年代のコミックバブルなどの時代をどことなく彷彿とさせます。


個人的にはこうした動きはコンテンツや形態の多様化をもたらし、旧態依然とした業界を刺激するものとして歓迎したいところなんですが、他方でコミック専門店やダイヤモンドなどはかなり危機意識を抱いているのも無視できません。

加えて、この間の ICV2 と COMICHRON のレポートでも痛感させられましたが、ダイヤモンドがこれまで収集役を担ってきた流通に関するデータが提供されなくなたので業界の全体像が見えにくくなるところもあるなど、しわ寄せが目立ち始めてもいます(レポートを自己流に解釈したどこぞの日本語記事もありましたし)。

変化自体は歓迎するものの、それに伴う弊害は今後も注視してないと読者も思わぬところで足元をすくわれかねない不安がないともいえない感じ。

とりあえず月ごとの売上レポートみたいのがちゃんと出るようにならないかなあ。