VISUAL BULLETS

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BUG! THE ADVENTURES OF FORAGER

これ感想記事書いた気してたんですが、どこにも見当たらなかったので。

バグまたはフォレジャーと呼ばれるキャラクターはジャック・カービィが生み出したフォース・ワールド・サーガに登場する惑星ジェネシスの住人です。

惑星ジェネシスのニューゴッズは基本天空都市で暮らしているんですが、地上にも集団生活を営む”バグ”という昆虫人種族がいるんですが、本来はニューゴッズである筈にも関わらず何らかの理由でバグ達によって育てられたのがフォレジャー。

そんなフォレジャーを主役にしたのが本作 BUG! THE ADVENTURES OF FORAGER です。

手掛けたのは MADMAN などの作品で知られるマイク・オーレッドや彼の妻でカラリストのローラ・オーレッド、マイクの兄(弟?英語って基本"BROTHER"だからわかんないんですよね…)でライターのリー・オーレッド、それにレタラーのネイト・パイコスといった面子。

コズミック・オデッセイ事件で命を落としたフォレジャーが復活し、不思議な少女(と喋るテディベア)と共に DC のあちこちを巡るというお話なんですが、ジャック・カービィ100周年記念に製作されたということで DC でジャック・カービィが手掛けたことのある戦争もの界隈とか二代目サンドマン界隈とか(勿論ニューゴッズ界隈も)を渡り歩きます。

んで、なんでこの作品の話しているかというと OMAC のその後が描かれているから。

カービィの連載に依る OMAC は#8で打ち切られてしまったせいで無理やりとってつけたような形で終わりを迎えてしまうんですが、本作ではフォレジャーが巡る界隈の1つとして最終回直後の OMAC 世界が登場し、オリジナルのもやもやしていた幕切れにまともなエンディングを与えてくれています。

テンポも良いし、カービィをリスペクトしつつしっかりとオーレッド作品になっているので割と好きな作品なんですが、刊行元である DC の YOUNG ANIMAL レーベルが既に下火になりつつあった時期に出た作品なのであまり話題にならなかったのが残念なところ。

隠れた秀作なので見かけることがあれば是非読んでみて下さい。