VISUAL BULLETS

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しーくれっと・うぉーず

なんか MCU の影響で1984年の SECRET WARS がにわかに脚光を浴びているようですが、安易に名作扱いするのはどうよ、と思ったり。

あの作品は”大型クロスオーバーイベント”としての評価と”単体の作品”としての評価があります。

わかりやすく言い替えるなら前者が商業的評価で後者が内容的評価。


確かに本作はいわゆる”大型クロスオーバーイベント”の先駆け的(初ではない)作品として多くの作品を巻き込み、ヴェノムの元となるスパイダーマンの寄生体スーツを生み出したりするなど、影響力という意味では存在感の大きい作品です。

ただ一方でほぼほぼ「マーベルの人気キャラがここに集結」というチアリーダー効果だけで持っているところがあって、肝心のライティングやアートについては悩ましい感じなのも事実。


そもそも本作自体、おもちゃ会社と提携したマーベルがグッズを売るためという商業的要請から生まれたような作品なので注文や制約も多く、物語としての完成度は二の次という側面がありました。

それでも内容を破綻させなかったクリエイター陣の手腕が一定の評価に値することは認めつつ、他方でベタベタしたメロドラマ展開やなんともやっつけ感のあるクリーチャーデザインはもう少しなんとかならなかったの?と首を傾げざるを得ません。


結果として刊行当時からコミックは大変売れたものの、中身の評価は芳しくないという良いんだか悪いんだかよくわからない評価を受けており、マーベル自身も「内容は酷かったけれど売上はどうだったよ?」みたいなニュアンスだった模様。

”有名作”ではあるものの”名作”かは疑わしいという、ある意味でいわくつきなのが SECRET WARS という作品なわけです。

なので2つの側面をごちゃまぜにして片方の評価だけを前面に押し出すような語りの記事を読むとなんともやるせない気持ちになります。