マーベルや DC のようなシェアード・ワールドにおいて多様なクリエイターの統一を図るのが編集の仕事と書きましたが、こういったことについてマイク・ミニョーラはもっと評価されても良いと思います。
マイク・ミニョーラといえばアーティストというか作家としての面が強すぎて”ヘルボーイ・ユニバースの監修役”としての顔は単行本の巻末とかインタビュー記事でちらちら垣間見えるだけですが、数多くのスピンオフを生みながらそれらの整合性を調整するというのは世界観に関する余程広い視野と深い理解がないとできないわけで。
そりゃメインとなる HELLBOY シリーズは彼が書いているからある程度は納得できるとは謂え、刊行タイミングに合わせた話の進行度の調整からクリーチャーデザインの微調整からあらゆる方面から作品を監修し、なおかつ各作品のクリエイターに自由性も与えるという手腕は驚嘆に値します。
B.P.R.D HELL ON EARTH 時代は特にやばかったです。
ある意味で現在のマーベルや DC の基礎を築き上げた時代のスタン・リーやガードナー・フォックスに勝るとも劣らない手腕。
彼のような才能を持つ編集者がもっとたくさん現れれば今のコミック業界は大きく地図を変える可能性さえあると個人的には思います。