イギリスのコミック業界に関する余談をもう1つ。
ゴーボールズの吸血鬼が世間をざわつかせたのと同じ頃、アメリカのホラーやバイオレンスに満ちたコミックを苦々しく思っていた1人の聖職者がいました。
彼の名はマーカス・モリス。
自国の子供達にもっと希望の持てる作品を提供したい。
そう考えた彼は EAGLE という雑誌を創刊し、イラストレーターのフランク・ハンプソンに依頼。
1つの SF 作品が生まれました。
英国を代表する SF 冒険譚、ダン・デアです。
リンク
まだ駆け出しだった頃のアーサー・C・クラークを科学考証に迎えるなどして制作された本作はそのリアリズムと骨太のストーリーなどで瞬く間に大きな人気を博すようになり、ダン・デアは現在までカルト的な人気を誇る英国SFの代表的ヒーローとして時代を牽引しました。
これもまた”創作の力”だと思います。