VISUAL BULLETS

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終わるかルネサンス *追記あり

FABLES の新刊が出ることを今知りました。

ヘイデン・クリステンセンがまたアナキン演じているとか。

昨日は冗談で「15年くらい前に戻ったみたいですね」とかって言ってたんですが。

あれ、これ割と大きな動きになるのかも、と思わんでもないです。

多分、業界の動向から目を逸らしていたことによる視野狭窄と拡大解釈のなせる業だと思いますが。

以下、誇大妄想。


90年代暮れから00年代初頭に始まった、いわゆる米国コミック業界のルネサンスエイジ。

簡単に言えば過去に誕生した作品やキャラクターを再評価し、現代風にアップデートする作品が数多く生まれている一連の流れのことを指します。

DC でいうところのジェフ・ジョーンズやトム・キングの作品群、あるいはマーベルでいうところのアルティメット作品とかバッキーの復活とかをイメージして頂ければ。

私が最初に”ルネサンスエイジ”とこれを文字で目にしたのはグラント・モリスンの SUPERGODS でしたが、多分刊行当時から多くの方が似たようなことをうっすらとは考えていたのではと思います。


こうした傾向は MCU に代表されるコミックを原作とした映像化作品が往年のキャラクターをつまみ食いしていくことによって拍車をかけられていった反面、その影響力もあって一つのメディア時代としては少し長引き過ぎているのではないか、というのが個人的な感想でした。


そんな中。

久々に新刊のラインナップ眺めていたらピーター・デヴィッドにキャラやストーリーを再演させまくっていたり、アズラエルの新シリーズ爆誕してたり、しまいには DC で水着ヴァリアントなんてのも目に入り。

おいおい、今は90年代かよ、と。

いや、別に各々が悪いと言っているわけではないんです。

デヴィッドは大好きだし、ヴェノムとかステファニー・ブラウンとかカサンドラ・ケインとかも今になって急に出てきたわけではないので。


ただまあ。


ざっと見回すと少し前までゴールデンエイジとかシルバーエイジとかの作品やキャラをリメイクしていたのが、気がつけばその範囲はだいぶ狭まっており。

コミックの外でも巷を見回したら最初のカートゥーン版を原作にした TMNT の新作ゲームが出てたり、レスキューレンジャーズの新作映画が配信されてたり。

単純に幼い頃そういった作品を読んだり観たりしていた層が大人になって製作側に回っただけなのかもしれませんが。

全体的な傾向としては「おや?」と思わなくもないです。


いや、 DC にしろマーベルにしろコンテンツの貯蓄は十分あるし。

ルネサンスエイジに新しいものが何も生み出されていないとは言わないし(ディディオはなんかその旗振り役だった)。

MCUなんかもまだ X-MEN と FF という特大の打ち上げ花火が残ってますし。

そもそも、温故知新なんて言葉もあるとおり古いものを再評価しながらコンテンツは常に進化するものだし。


ただ、なんとなく時代が変わる前兆なのかな?と近刊リストを眺めてると身構えてしまいます。


最初にいったとおり冷静に考えれば、見当外れな憶測な可能性の方が高いですし、仮に的を射ていたとしてもルネサンスエイジが終わるのはもう少し先になるのではと思います。

追記:
書いたの見返してて思ったんですが、あるいは「昔のコンテンツを現代で再演する」という手法が”ルネサンスエイジ”という1つの時代に限定されるものから、普遍的な創作メソッドとして確立されたという可能性は否定できないですね。

いずれにせよ、しばらく業界の動向を注視してないとわからないかもです。

追記の追記:
ただし、ここでいう温故知新的メソッドには

1)単純なリメイクや続編というパターン
2)ミラクルマンのような「見た目は一緒だけれど中身は別物」(いわゆるリブート)というパターン
3) ウルトラマンをエヴァンゲリオンにしたような「装いを改め、過去のコンテンツの中身を継承する」パターン

という3つの立場があるかと思われます。これについてはまた機会を改めて詳しく書いてみたいです。