Deadpool 2 (Original Motion Picture Soundtrack) [Explicit]
いよいよ国内での公開が間近に迫った『デッドプール2』。
実は映画の国内公開について今朝の新聞読んでて初めて気が付きました……。
何にせよ、この時期にデッドプール関連記事を上げないのもあれだし。今日の記事では国内公開記念として、これからデッドプールをコミックで読みたいという人向けに入り口としてオススメな5つのシリーズを紹介してみよう。
0.NEW MUTANTS #98
デッドプールが誌面デビューを飾った作品として有名な1冊。
初登場誌ということもあってあるいはここを入り口にする人も少なくないかもしれないが、実際読んで見ればわかる通りこのデッドプールは多分皆の求めている” MERC WITH A MOUTH ”じゃない。
Rob Liefeld と Fabian Nicieza が生み出した初期のデッドプールはぶっちゃけ DC に登場するデスストロークのパクリで、そこに同じく Liefeld がファンだったスパイダーマン(容姿)やウルヴァリン(出自)などの要素も和えて生み出されたキャラクター。”ウェイド・ウィルソン”という名前がデスストロークの本名”スレイド・ウィルソン”に酷似していることは決して偶然じゃない。
その後、ケーブルが率いるミュータントチーム『 X-FORCE 』などのシリーズにゲスト出演した後、二度のミニシリーズがあてがわれたデッドプール。しかしここでも彼はシニカルな傭兵程度にしか描かれていない。
一応これらの話は上に挙げた1冊の合本におおよそ収録(ゲスト出演もの除く)されているものの、どうしても原点から読みたいならともかく、映画で初めてデッドプールに興味を抱いたような人にはここを入り口にすることは勧めない。そんなわけでリスト外。
1.『 DEADPOOL 』 BY JOE KELLY
Deadpool (1997-2002) #2(何故か#1の画像が出てこない……)
デッドプールが現在我々がよく知る人物に形作られたのは97年に晴れて初の長期連載シリーズが始まってから。
創刊号のライターを務めることになった Joe Kelly はそれまで棘のある印象が強かったデッドプールに過剰なほどのユーモアを注入し、他のヒーローへのダメ出しやメタ的な発言も平然と行うような独特のギャグを発揮するキャラに仕立て直した。
また、映画でもお馴染みのウィーズルやブラインド・アルといった脇を固めるキャラが登場したのもこの連載。
Kelly が #33 でシリーズから離脱した後にメインライターを引き継いだ Christopher Priest や Gale Simone といったライターも彼の人格形成に大きく寄与したと言われている。
個人的にはギャグが古く感じられるような部分もあったが、概ねファンからは絶賛されており、デッドプールの歴史を知る上で1つのスタートラインであることは間違いない。
ちなみにこのシリーズは現在刊行中の『 AVENGERS 』で作画を担当している Ed McGuinness の出世作でもあるので、彼のファンも一見の価値ありかと。
2.『 CABLE & DEADPOOL 』 BY FABIAN NICIEZA
上で紹介した最初の長期連載シリーズが終了した後、入れ替わりに始まったのが『 AGENT X 』だが、この作品はデッドプールと近くて遠い別人が主人公なのでここでは割愛(ややこしいしね)。
その後2004年に始まったのがデッドプールとケーブルがツートップで主役を飾る『 CABLE & DEADPOOL 』。それまでもなんだかんだと因縁で結ばれていた2人だが、本格的にコンビとしてのイメージが普及したのはこの時期かと。
Rob Liefeld と共にデッドプールを初めて世に送り出した Fabian Nicieza が創刊から最終号までの全50冊のライティングに携わっており( #49 と #50 は Reilly Brown と共同)、それまでの出演作を包括したバランスの良いユーモアとアクションが描かれた。
また、それまでの単独誌では傭兵という設定もあってどうしても活動範囲が狭くなりがちなデッドプールだったが、無限に近いエスパー能力を有するケーブルと共演することで、規模の大きいストーリーも展開されるように。
最終的にこのシリーズは再びそれぞれの単独誌に分かれる形で終了したが、現在も根強い人気を誇り、ダブル主演シリーズの復活を望む声も少なくない。
今回の映画でデッドプールとケーブルというコンビがお気に召した方はここから読み始めるのが良いだろう。
3.『DEADPOOL』 BY DANIEL WAY
さて、そんなわけでケーブルとのコンビを解消して再スタートを切ったデッドプールのソロタイトル。このシリーズでは終始一貫して Daniel Way がライティングを務めた。
他サイトのオススメなんかを見ると意外に名前が挙げらることは少ないが、デッドプールの人気が飛躍的に向上したのはこの連載の頃からで、やたらとゲスト出演が増えたりミニシリーズが乱発されたのもまた然り。
シットコムのようなコメディセンスや映像的なアクションシーンなど、現時点で映画のノリに一番近いのはこの連載かと思われる。
合本なんかではこのシリーズのプロローグとしてこれ以前に Way がライティングを手がけていた『 WOLVERINE: ORIGINS 』でデッドプールがゲスト出演していた話が収録されるが、そちらは当時のウルヴァリン事情(記憶のこととか息子ダケンのこととか)も絡んでくるので電子書籍で入手する人なんかは場合によっては無視しても構わない。
またシリーズ初っ端からイベント『 SECRET INVASION 』のサイドストーリーだったり、その後もノーマン・オズボーン率いるサンダーボルツとクロス・オーバーしたりと多少当時のマーベル事情に精通していないと困惑する危険があるかも。
多少マーベルの世界観に慣れている必要はあるが(まあウィキで十分か)、おそらく映画を観てファンになったよう人の多くが求めているデッドプールの活躍が見られるシリーズ。
ちなみに Way は2013年に発売されたゲーム版にも携わっているので、そちらのファンにもオススメ。
4.『 DEADPOO L』 BY GERRY DUGGAN & BRIAN POSEHN
Way の連載シリーズが終了した後、2012年にマーベルの新ラインナップ『 MARVEL NOW! 』に合わせて再びリニューアルした『 DEADPOOL 』。このシリーズでは当時まだ無名に近かったライターが Gerry Duggan がコメディアンの Brian Posehn と共にストーリーを担当することになった。
それまではどちらかと言えばマーベル・ユニバースの裏側で活動しているような印象があったデッドプールも今やマーベルの代表的キャラクターの1人。その知名度を反映する形でスパイダーマンやキャプテン・アメリカといった他のスーパーヒーローと比較しても引けを取らない派手な活躍を見せるように。
同時にこれまであまりクローズアップされてこなかったウェイドのシリアスな面も丁寧に描かれ、とりわけ#15−19の” THE GOOD, THE BAD, THE UGLY ”はデッドプールのベストエピソードとしてその名が挙げられることも珍しくない。
Duggan と Posehn によるコンビは #45 で終わりを迎えるが、その後シリーズは『 DEADPOOL: WORLD’S GREATEST 』に名を改め Duggan が単独ライターを務める形で再スタートを切る。
一番最近のシリーズであるということも含め、これまでアメコミを読んだことのない人なんかには現状で最も敷居が低いシリーズかもしれない。
マーベル・ヒーローとしてのデッドプールの活躍が見たい方もこちらからどうぞ。
5.『 DEADPOOL 』 BY SKOTTIE YOUNG
Previews are out online. Checkout the cover for DEADPOOL #1 by @NicKlein I’ll be writing and he’ll be drawing the new ongoing series. pic.twitter.com/YOyM0TgLa4
— skottie young (@skottieyoung) 2018年3月20日
*画像がなかったのでSkottie Youngのツイートから。アートはNic Klein。
一番手軽に読める新シリーズ。というかこの記事を書いている時点ではまだ始まってさえいない(6/6刊行予定)。
『 ROCKET RACCOON 』や『 I HATE FAIRYLAND 』などで知られるバイオレンス・コメディの達人 Skottie Young がライティングを担当。以前からデッドプールに対する愛を語っていた人物なだけに「来るべくして来たな」という印象。
詳しくは以下の過去記事(7.)にも書いてあるのでこちらをお読みください。
…と、まあ主だったシリーズはざっとこんなもんか。
他にもミニシリーズや連載物がぽいぽい刊行されているものの、そういったものの多くは番外編的な内容だったり正史に含まれないような作品だったりして、入り口にはなるのかもしれないもののその後に続かないので今回は除外した。
ただ単行本1冊で済む話も多いため、取り敢えずさっくりとデッドプールの活躍を見たいという方は手を出してみると良いかと。
デッドプールが主役を飾るタイトルは他の連載と比べてクリエイター陣、とくにライターが長続きする傾向がある。取り敢えず電子書籍などの形で各シリーズの創刊号を揃え、自分の好みに合った作風のシリーズを読み進めるというのもアリだろう。
『デッドプール2』でウェイド・ウィルソンの魅力を堪能した後は(勿論そうでない場合でも)是非コミックで彼の更なるハチャメチャぶりをご堪能あれ。