ええと、先の『フレッシュ・スタート』の記事を書く上で MARVEL LEGACY #1 を読んだところ、そこに登場するスターブランドという人物に関して自分はほとんど知らなかったので調べて記事にしてみようと思った次第。
誕生経緯
1986年に当時マーベルの編集長だったジム・シューターらは新規読者の開拓を狙って当時の社会にマッチした”ニュー・ユニバース”という世界観を生み出した。コンセプトは最近でいうところのアルティメット・ユニバースとよく似ているが、当初はマーベル・ユニバースとは完全に独立しており、登場するのも全く新しいキャラクターという点が異なる。
ニュー・ユニバースでは1986年7月22日午前4時22分(EST)に起こった「ホワイト・イベント」という人々の超常的能力を開花させた現象がスタートラインとなり、この世界観の中心となるのがスターブランドと呼ばれる紋章、そしてそれを保有することになった者達である。
KENNETH CONNELL
スターブランドの能力には基本的に制限がない。飛行や怪力といった能力は勿論、体からエネルギーを放出させて大爆発を引き起こすなど、紋章の所有者に無限の力を与える。
最初の STAR BRAND シリーズでこの紋章を謎の老人から受け継いだ青年ケネス・コーネルは当初こそスターブランドの力を使ってスーパーヒーローらしい活躍をするが、やがて徐々にそのあまりの強力さに恐れを抱くようになり、紋章を捨てようとしたところ、だが誤って大災害を引き起こしてしまう。
自らの圧倒的な力に翻弄され、徐々に呑み込まれていく姿をリアルに描いたことが斬新だと評価された本作だが、その後は紋章の持ち主が移ったり、タイムリープが絡んできたりと話が複雑になってくる。
またニュー・ユニバース自体が全体として人気を得られず、度重なる方針転換などにより徐々に展開が行き詰まりをきたすようになり、結局89年に STAR BRAND シリーズはニュー・ユニバースの世界観と共に終わりを告げる。
マーベル・ユニバースへ
その後、ニュー・ユニバースはマーベル・ユニバースのパラレルワールドとしてその世界観に組み込まれたり、2007年に”ニュー・ユニバーサル”としてリブートされ、それに併せてスターブランドも復活とお蔵入りを繰り返した。
そんなスターブランドが本格的にマーベル・ユニバースに参加したのは、2012年からジョナサン・ヒックマンが担当した AVENGERS 誌において。「ホワイト・イベント」といったニュー・ユニバースの他のコンセプトと共にマーベル・ユニバースの正史に組み込まれ、新たに紋章を手にしたケヴィン・コーネルは神にも等しい力を手にする危うい存在として描かれた。
そして一番最近登場した去年の MARVEL: LEGACY #1 において、謎のセレスシャルとの接触を回避させるべくゴーストライダーを襲撃した彼は、逆に返り討ちに遭って消滅してしまう。
死亡したのか、それとも…?
以上、スターブランドに関する覚書。自分以外にもいるであろうスターブランドについてよく知らない人が少しでも参考にしてくれれば幸いです。
このヒーロー覚書シリーズ、またちょいちょいやるかも。