念の為、先に言っておこう。この記事は「アメコミ」中級者のための記事ではない。「英語」中級者のための記事だ。
矛盾したことは言ってないからな!
さて、英語学習者の諸君。コミック・ストリップを使っての勉強は進んでいるかな?
何のことを言っているかわからないという人は以下の2記事をまず読もう。
visualbullets.hatenablog.jp
visualbullets.hatenablog.jp
最初の一歩を踏み出してからもうしばらく。最早ストリップくらいなら余裕で読みこなせるという人はそろそろ本格的にアメコミの世界へ飛び込みたいんじゃないだろうか。
飛び込めばいいじゃないか!
…と言いたいところだが。先の記事でも述べたとおり、アメコミの中には比喩や専門用語をやたらと使う作品も多い。それに「児童向け」と銘打っていているような作品は DC やマーベルのメインユニバースに関わるものがあまりないため「 MCU をきっかけにアメコミで勉強する気になった」と言うような人には内容的に不足だろう。
「可能なら挫折の苦渋は舐めたくない…」
「門前払いだけは避けたい…」
「でもどうせなら面白いスーパーヒーロー物で勉強したい…」
そんな英語中級者の君にオススメの読み方がある。
それはライターで読むという方法だ。
アメコミのストーリーを組み立て台詞を紡ぐライターの中には、日本の村上春樹みたく平易な表現を武器にする者もいる。
以下に挙げるのは私が個人的にそんな英語中級レベルの人にオススメのライター3人である。
彼らは若い読者にもわかりやすい英語表現を重用しながら、名作秀作を数多く手がけている者達ばかりだ。日本語訳されている作品も少なくないため、邦訳版と原書を並べて勉強するのにも適している。
この3人の作品を追っているうちに英語能力はメキメキと上達するだろう。
1. JEPH LOEB
英語にまだ自信がない人がスーパーヒーロー物を読み始めるならベストじゃないかと個人的に思うのがこの人の作品群。
BATMAN: THE LONG HALLOWEEN や SPIDER-MAN: BLUE などのマーベルの「カラー」シリーズで有名な彼は DC 、マーベル問わず幅広いジャンルのヒーローを手がけており、そのどれもがそれなりのクオリティであるため、まず教材の選択肢が多いというのが魅力だ。
加えて彼はモノローグを効果的に使用し、最小限のダイアログで物語を進める手法を頻繁に使う。故に例えばまずは平易な語り口の台詞だけを読み進めざっと物語の全体像を掴んだ後、改めてモノローグも読み作品の深い部分まで味わうといった二段階の学習も可能だ。
加えてこれまた個人的な印象で言うなら、彼の作品はメインユニバースを舞台にしつつも、クロス・オーバーイベントなど他の場所で起こっている事柄から影響を受け難い傾向があるのも有り難い。
おすすめ作品は…
2. NEIL GAIMAN
アメコミを読んだことのない者でもあるいはこの名を目にしたことがあるのではないだろうか。
90年代の名作 SANDMAN でアメコミの裾野をぐっと広げた革命児として知られる彼は、同時に世界的なファンタジー作家としても有名だ。映画化もされた CORALINE のような児童書も手がけており、また普段から英語の文法書を趣味で読んでいるような人物なので彼の英語に間違いはない。
童話や古典などからモチーフを取ることも多く、将来的に文学的な英語も読めるようになりたいという人は是非とも彼の作品を読んでおくべきだろう。
おすすめ作品は…
絵本をモチーフにしたファンタジック作(Batman: Whatever Happened to the Caped Crusader?)
4.BRIAN MICHAEL BENDIS
とにかくスピーキング能力を上達させたいという人は彼の作品を読むのが良いだろう。
良くも悪くも台詞が多い作品を書くことで有名な彼は「喋りのベンディス」略して「喋ンディス」と(私だけに)呼ばれるだけあって、とにかく会話文が豊富だ。ページの大半がフキダシで埋まってしまうなんてことも少なくない。
が、それだけあって台詞はとにかく軽妙で読みやすい。無駄話も多いため、とにかく会話能力を身に着けたいという人は彼の作品を読めばあっという間に上達できるだろう。
おすすめ作品は…
カジュアルな会話が豊富なヒットシリーズ(Ultimate Spider-Man (2000-2009) #1)
以上、私がお勧めする英語中級者向けのライター3人について述べさせて貰ったがどうだろう。あくまで個人的な意見なので人によって賛否両論あるだろうが、ある程度英語を読み慣れて次の教材に迷っている人は参考にして頂きたい。案外、カチリとはまるかもよ?
てなわけで。次はいよいよ英語上級者向けのオススメアメコミを記事にしますので乞うご期待!
追記:続編記事