地獄よさらば、僕はこの味を知ってしまった。
キンドル分冊版(Amazon)(何かよくわからんけどこれしか出てこない)Hellboy: The Right Hand of Doom and Others #5
かつて Hellboy がこの世界に現出してより一貫して彼の抹殺を主張し続けながら生涯を終えた Malcolm Frost 教授。その彼の息子に呼び寄せられスペインのとある教会を訪れた Hellboy はそこで教授が何故そこまで自身を敵視していたのか聞かされる。教授の遺した紙片に自らの右手とよく似た岩籠手が描かれているのを見て、彼は Cavendish 家での1件以来続く奇妙な事件の数々を語り始める。(『THE RIGHT HAND OF DOOM』編)
Dark Horse の真っ赤なタフガイ Hellboy 。現在自分でも驚くほど良いペースで巻数を重ねていることに、改めて本シリーズの読みやすさと面白さを実感している次第でございます。
シリーズ4冊目となる本巻は前巻と同じような詰め合わせ的内容。あちこちで発表された短編中編を Hellboy の幼少時代、新人時代、現在の3時代に区分してまとめている。ファンからの人気も高い掌編『 PANCAKES 』編が収録されているのも本巻。
現代編の方は前巻よか大筋に絡んだ感じ。
作品解説ページによると Mike Mignola は今回の『 THE RIGHT HAND OF DOOM 』編とそれに続く『 BOX FULL OF EVIL 』編に関して、これまで展開されてきた世界に終末をもたらす” Beast of Apocalypse (黙示録の獣)”としての Hellboy の物語に一端区切りを付ける主旨で作ったとか。
今後の展開を知っている身としては次巻の内容の方が転機のように思えて当初「?」と首を傾げたものの、実際に読んでみるとまあ確かに Hellboy が Anung Un Rama という名から自らを断ち切り Hellboy としての自己を再確認したというあたりドラマのシーズン・フィナーレみたいにはなっているかも。
長編の位置づけをどうするかは今後の課題にするとして、短編の方に目を向けてみると、こちらはこちらでこれまではどちらかと言えば東欧西欧の小村が舞台のエピソードが多かったのに対し、今回は都会の寂れた劇場へ赴いたり日本へやって来たりとやや Hellboy の活動範囲が広がったかと思われる。
Mignola 自身もだいぶ気に入っているというその日本を舞台にしたエピソードについては、当初日本についてほとんど何も知らない状態で手がけたらしく、わからない部分を想像で補っているのか独特のアトモスフィアを感じる。後の HELLBOY IN HELL なんかに通じる彼のイマジネーションの伸びしろを垣間見れるかと。
えーと、実はですね。現在、夏の美味しいビールを何杯かあおった状態で本記事を記しているため判断力がちと低下しており(直す時も二日酔い状態だから大して変わってないよ!)。記事の内容も自分でわかるほどキレがないので今回はここまで。また明日から頑張るよ。
原書合本版(Amazon): Hellboy Volume 4: The Right Hand of Doom (2nd edition)