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雑談:CBR.COMのベストワンショット&グラフィックノベル

 以前別の記事で言及した CBR.COM の企画”TOP 50 ONE-SHOTS AND "DONE IN ONE STORIES"”TOP 50 ORIGINAL GRAPHIC NOVELS”
 ファンが選出するワンショット(リーフ1冊分程度)グラフィックノベル(単行本1冊程度)のそれぞれベスト50が全て発表され、そのマスターリストが発表されました。

www.cbr.com
SOURCE: CBR.COM

 当初は、ネタ被りした自分の記事をお蔵入りさせられたこともあって「どうせワンショットはいつもどおりAMAZING FANTASY #15とかが獲っちゃうんだろ」とふんぞり返っていた私ですが、蓋を開けてみたら案外面白いことになっていたのでCBRさんでかい態度とってごめんなさい(それでも1位はノーサプライズだけれど)。

 では以下、それぞれのベスト5を引用しながら全体を眺めてみましょうか。

ワンショット

5. "SPIDER-MAN!" AMAZING FANTASY #15 (1962)

4. "THE COYOTE GOSPEL" ANIMAL MAN #5 (1988)

3. "THIS MAN, THIS MONSTER" FANTASTIC FOUR #51 (1966)

2. "THE NEARNESS OF YOU" ASTRO CITY 1/2 (1997)

1. "FOR THE MAN WHO HAS EVERYTHING" SUPERMAN ANNUAL #11 (1985)

SOURCE: CBR.COM

 ワンショットはやっぱり大半がDCかマーベル、それも2000年以前が中心となっているみたいですね。

 上位5作品に関して言えば4位にANIMAL MAN #5が食い込んできたことが驚きかな。
 ルーニートゥーンズのワイリー・コヨーテそっくりのキャラクターがカートゥーンの世界から現実に抜け出してしまったことによる悲劇を描いたこの作品。いまや伝説的な連載となっているモリソンのランにおいて、物語がメタな方向へ舵を切った分水嶺としても知られています。
 私自身も連載中で一番好きな1話ではあるものの、最終話である#26の印象が強いためこういうランキングでここまで上位にランクインするほど評価されているとは思ってませんでした。


Animal Man by Grant Morrison Book One Deluxe Edition

 1位に関して言えば、まあやっぱアラン・ムーアは強いよねとしか。
 
 ランキング全体については、イメージの勃興などでオリジナル物が大きく飛躍したと言われている2000年以降だけれど、意外にも今回のランキングに含まれているのはマイク・ミニョーラによる38位のTHE AMAZING SCREW-ON HEADくらいというのは色々と考えさせられるかも。
 

The Amazing Screw-On Head and Other Curious Objects

 それと絶対入ってくると思っていた911直後に緊急刊行されたAMAZING SPIDER-MAN #36が入っていなかったのは正直驚き。世相か。
 
 ウォーレン・エリスのファンとしては46位のTRANSMETROPOLITAN #8とか嬉しい。冷凍冬眠によって現代からトランスメットの時代に復活した女性をジャーナリズム的に描写した本作は連載屈指の名作として知られている。

 あと42位に紛れ込んでいるWEIRD FANTASY #18ってのがめっちゃ気になる。


 では続いてグラフィックノベルの方。

グラフィックノベル

5. ASTERIOS POLYP BY DAVID MAZZUCCHELLI (2009)

4. ARKHAM ASYLUM: A SERIOUS HOUSE ON SERIOUS EARTH BY GRANT MORRISON AND DAVE MCKEAN (1989)

3. "THE DEATH OF CAPTAIN MARVEL" MARVEL GRAPHIC NOVEL #1 BY JIM STARLIN (1982)

2. THE KILLING JOKE BY ALAN MOORE AND BRIAN BOLLAND (1988)

1. "GOD LOVES, MAN KILLS" MARVEL GRAPHIC NOVEL #5 BY CHRIS CLAREMONT AND BRENT ANDERSON (1982)

SOURCE: CBR.COM

 ワンショットと違ってこっちはヒーロー物以外も多数ランクインしているグラフィックノベル枠。
 お恥ずかしいことに5位のASTERIOS POLYPなる作品は初めて目にしやした(クリエイターは知ってる)。
 それ以外でも以前手に入れようか迷った挙げ句見逃したような作品もちらほら見受けられてて歯ぎしりしたくなるようなラインナップです。


ASTERIOS POLYP(H) [ DAVID MAZZUCCHELLI ]

 
 それでも上位5位はほぼヒーロー物が席巻しているような状態で、1〜4位はどれが1位をとってもおかしくないかと。

 けどやっぱ1位の"GOD LOVES, MAN KILLS"はやっぱ格別ですかね。
 X-MENといえば”差別”がテーマになっているという風によく言われている一方、実際読んでみると人種差別の要素は物語を転がすためのスパイス程度にしか扱われていない作品が多いのだけれど、この作品に関しては真正面からがっつりとぶつかっていた。
 この作品が1位に選ばれたのも何だか世相を反映しているように思えなくもない。


Marvel Graphic Novel #5: X-Men: God Loves, Man Kills (Marvel Graphic Novel (1982))

 その他の作品ではカイル・ベイカーWHY I HATE SATURNとかダニエル・クロウズPATIENCEとか読みたいし、エミル・フェリスMY FAVORITE THING IS MONSTERSも「値段がー」とか言ってないでそろそろ手を出したいところ。


My Favorite Thing Is Monsters 1

 なんだかんだこっちのランキングの方が私は好きかも。


 えー、以上CBR.COMの企画”TOP 50 ONE-SHOTS AND "DONE IN ONE STORIES"”TOP 50 ORIGINAL GRAPHIC NOVELS”に対するコメントでした。
 みなさんも気になる作品があれば是非是非手を出してみてください。