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今朝発表されたジェフ・ジョーンズ関連の報道についてまとめ

 現在『 DOOMSDAY CLOCK 』のライティングに携わっているライター、ジェフ・ジョーンズ。これまで数多くのヒットタイトルを送り届けた彼だが、 DC エンターテイメント社の CCO ( CHIEF CREATIVE OFFICER )になってからはやや活動が下火になっていた。

 だが本日、彼が CCO から身を退くことが発表され、それと共に彼の今後についていくつか発表があった。


 そこで取り急ぎ現在発表されている彼に関する一連の報道について、私見を交えながらさっくりとまとめてみた。

・ CCO 引退

 ジェフ・ジョーンズは2010年以来務めてきた DC ENTERTAINMENT の CCO から引退し、その後任にはジム・リーが就く。また、それに伴い新たに自分のライティング兼プロデューススタジオ MAD GHOST PRODUCTIONS を設立し、 DCE やワーナー社と契約を結んだ。

以下のリンクはその MAD GHOST PRODUCTIONS の公式サイト
Mad Ghost Productions

 「 CCO 」とは「 CHIEF CREATIVE OFFICER 」の略で出版物の内容からマーケティングまであらゆる要素を統括するポジションのこと。
 似たようなポジションとしてはマーベルなんかでよく聞く EIC ( EDITOR IN CHIEF )なんかがあるが、あちらと違うのは EIC が主に出版物の内容のみを扱うのに対し、 CCO はその他メディア展開などまで扱うという点。

・THE KILLING ZONE

 ジョーンズが統括する DC の新レーベル『 THE KILLING ZONE 』発表。 DC ユニバースに登場する比較的新しいキャラクターやマイナーなキャラクターを中心に扱うラインナップになるとか。
 ちなみにロゴのデザインは2005年まで DC で使用されていた” DC BULLET ”と呼ばれるもののオマージュとなっている。

  DC は最近新レーベルをどしどし立ち上げており、今回の『 THE KILLING ZONE 』もその1つかと思われる。現在ジェラルド・ウェイが担当する YOUNG ANIMAL などとの差異化が気になるところ。

・SHAZAM

 今秋刊行予定の『 SHAZAM 』新シリーズ。 NEW 52 の連載以来、長らくファンから待ち望まれていたシャザム(キャプテン・マーベル)の新作。ミニシリーズかオンゴーイングかはまだ不明だが、設定は NEW 52 のものを継ぐよう。


Shazam! Vol. 1(前作の単行本)

・THREE JOKERS

『 JUSTICE LEAGUE: DARKSEID WAR 』の終盤に言及されたジョーカーについての新事実を扱う新作『 THREE JOKERS 』。刊行時期はまだ不明。作画はジェイソン・ファボックが担当する予定。

 はるか昔に記した MR. OZ の記事で

www.visbul.com

1) Batman界隈におけるJoker(達)に関する謎について。この謎が初めて提示されたJUSTICE LEAGUE #50 をよく読んで頂ければわかる通り、実のところMoebius Chairは「Jokerが3人いる」などとは一言も言っていない。単にBatmanの「What’s the Joker’s real name?」という問いに「There were three.」(ここで”ARE”でなく“WERE”という過去形を使っていることにも留意)と答えただけだ。「Jokerが3人」というのはこのことを聞いたHal Jordanの解釈に過ぎない。
 またDCやそのクリエイター達のインタビューやアナウンスメントを軽く漁ってみたが誰も「Jokerは3人いる」と言及した者は見当たらない。この謎を指すのには”The Mystery”という言葉を使っている。私達の知る限り、”Three”という数は目下どう捉えることも可能なのだ。

……と記したが、今回のタイトルに『 JOKERS 』と複数形で記されている辺り「ジョーカーは3人いる」という解釈で正しかったとも考えられる。

 なお、本作及び『 SHAZAM 』が上記『 THE KILLING ZONE 』レーベルに含まれるかはまだ不明。

・GREEN LANTERN CORPS

 2020年公開予定のグリーン・ランタン実写版映画の脚本家にジョーンズが就任。映画は彼が2004年から2013年まで連載していた内容をベースにする模様で、ハル・ジョーダンジョン・スチュワートが登場する予定。


Green Lantern: Rebirth (New Edition)

全体的な私見

 今回の動きを一言でまとめるならば、これまでマーケティングや経営などにも携わっていたジョーンズが作品制作に軸足を戻すということ。
 
 このこと自体は一読者として嬉しい限りだが、一方で DC 全体を見渡した時に不安要素が全くないわけではない。
 これまでの DC は CCO であるジェフ・ジョーンズと、主に経営方面を管理するパブリッシャーという役職に就くダン・ディディオ(ジム・リーが兼任)との間で微妙なバランスを保ってきた。
 つまり長年の歴史を愛する前者と、革新的な方向を目指す後者とが両軸となって DCU を推し進めてきたのである。具体例を挙げるなら DC REBIRTH はジョーンズが主導したもので、 NEW 52 や最近の THE NEW AGE OF DC HEROES なんかはディディオが打ち出した企画と言われている。

 ジェフ・ジョーンズが CCO から引退するということはこの均衡を崩すことを意味する。彼の公認となるジム・リーはこれまで2人の間に立つ中立派という印象だったが、 IMAGE WILDSTORM の立役者として急進的な面もないではない。

 古いものにばかり固執するのも考えものだが、ただ前へ前へとイケイケドンドンして良いというわけでもない。

 今回の動きが今後の DC にどのような影響を与えていくのか注視していく必要があるだろう。