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『ジョン・ウィック』監督による実写化が早くも決定!『 ANALOG 』


Analog #1

『ジョン・ウィック』の監督を務めたことなどで知られるチャド・スタエルスキが IMAGE から刊行中のオリジナル作品『 ANALOG 』を映像化することが先日海外で報じられた。

 ライターの Gerry Duggan 、作画の David O’Sullivan とカラーの Jordie Bellaire らが手がけるこの作品は、インターネットが崩壊した近未来を舞台に情報の運び屋として生計を立てる男の姿を描いたサスペンス・アクション。
 
 今回の記事ではそんなまだ#2までしか刊行されていないにも関わらず早くも映像化決定したことが現在話題を呼んでいる『 ANALOG 』について紹介しよう。

あらすじ

 舞台は2024年。
 4年前に起こった” THE GREAT DOXXING (大いなる晒し)”という事件であらゆる個人情報がネットに大量流出したことを機に、社会はネットが存在しない時代の暮らしに戻る者達と、最早プライバシーなど存在しないものとしてあらゆる情報を公開しながらネットを活用し続ける者達とに二分されていた。

 元 NSA の Jack McGinnis は最早ネットを使えなくなった企業などのために秘密情報を運ぶ”レジャーマン( LEDGER MAN )”として相棒のスナイパー(ついでにガールフレンド?) Oona と共に日々の生計を立てている。

 だが実は彼こそがインターネットを壊滅させた張本人であることを知る者はいない

 そんな Jack はある日、セント・ルイスで引き受けた1件の仕事を機に何者かから狙われるようになる……。

クリエイター

 本作の制作に携わっているクリエイターは新鋭揃いだ。

 ライターの Gerry Duggan はマーベルで『 DEADPOOL 』の連載などを手がけてここ数年で急速に人気上昇した人物で、今夏刊行される大型クロス・オーバー『 INFINITY WAR 』も手がける予定。
 実はスマホやネットなどのITには必ずしも良い思いを抱いてないようで、そのあたりの考え方が本作にも色濃く反映されている。
 
  David O’Sullivan は本作でアメコミ本格デビューを果たしたアイルランド出身のアーティスト。 Duggan とは共通の友人であるアーティスト Declan Shalvey (『 DEADPOOL 』や『 INJECTION 』などが代表作)を通じて知り合った。太めの線で重量感のある絵を描く。

 また、作画の着色を担当する Jodie Bellaire も最近数多くの話題作人気作でその名を目にする1流カラリスト。アナログ感(いや、題名に絡めたわけじゃないのよ)のある色の付け方が特徴的で、他にもマーベルの『 VISION 』や IMAGE の『 PRETTY DEADLY 』なんかも手がけている。

情報社会に対する問題提起


Analog #2

 本作は現代の情報社会、特に SNS などを使った個人情報の扱いに関して強く意識した作品となっており、そのことはアナログに戻るプライバシー保護派と、なおもネットを使い倒すプライバシー否定派との分断という世界観に如実に現れている。
 
 クリエイター陣に対するインタビューによると少なくとも2015年から制作が進められていたというが、その後の2016年における米国大統領選挙の情報戦などを意識した内容も盛り込まれていたり、 Facebook のマーク・ザッカーバーグっぽい人物も登場したりとかなりタイムリーな作風となっている。

 

アクション

 本作のライターである Duggan は派手なアクション・シーンを物語に絡めた形で演出することを得意とするライターで、その才能は本作でも発揮されている。

 とりわけ敵と直接対峙する Jack とスナイパーとして後方支援に徹する Oona との巧みな連携によるスピーディな頭脳派アクションはこの作品の大きな魅力の1つだ。
『ジョン・ウィック』で瞬発的な思考のアクションを次から次へと畳み掛けたチャド・スタエルスキが実写化する際にもきっと映えるだろう。

日本

 本作にはどうやら日本も関係しているらしい。というのも、ライターの Duggan はインタビューで現在の情報社会に対する日本の反応に関心を抱いているらしい。
 それを証明するように #1 でセント・ルイスでの仕事を終えた Jack が新たに受け取った仕事の目的地は新宿(住所ググってみたら都庁でした)。今後刊行される #4 では実際に Jack が東京にやって来る予定だとか。
  Duggan らの思い描く2024年の日本がどんな姿なのか注目したい。

本作の謎

 本作は NSA を去って一時シリコン・バレーにいた頃の2018年の Jack と、ワールドワイドウェブが崩壊した後の2024年における彼とを入れ替わり描く。

  Jack は何故、そしてどのようにしてネット社会を崩壊させたのか。
 現在の彼がどうして狙われているのか。
 そして彼と相棒の Oona はどのように過去と折り合いをつけ未来を歩んでいくのか。

 こうしたことが本作の醍醐味となる謎だ。



 最初にも述べたが本作はまだ#2が出たばかり。できたてホヤホヤの新作だ。
 今からリーフを集めるも良し、単行本を待ってからそちらで堪能するも良し。


Analog 1(今秋刊行予定の単行本第1巻)

 何にせよ、実写化に先駆けて話題の原作コミックをチェックしてみよう。