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いよいよラスト!マーベル『フレッシュ・スタート』新ラインナップを徹底解説!(3/3)

 マーベルの新たな門出となる『フレッシュスタート』のラインナップを紹介する3回目。今回は現時点で発表されている残りの5作を扱おう。

カバー画像などは以下のマーベル公式サイトから

marvel.com

11.CAPTAIN AMERICA

画像なし

WRITTEN BY TA-NEHISI COATES
ART BY LEINIL YU

 キャプテン・アメリカの新シリーズは『 SECRET EMPIRE 』から地続きの内容になる模様。事情こそあれ結果的にヒドラの米国掌握に加担してしまったキャプテン・アメリカ。自らに対する疑念や人々からの批判に悩まされるそんな彼を、”パワー・エリート”なる集団がさらに追い詰める。

 ライターは『 BLACK PANTHER 』シリーズで有名な Ta-Nehisi Coates 。彼のバックグラウンドなどから今回の新シリーズは政治的な内容をふんだんに含むのではないかと目されており、そういうのが苦手な一部のファンからは不安視されている。
 そんな声に対してか、 Coates は THE ATLANTIC のウェブサイトに所信表明を寄稿。それを読む限りでは彼がキャプテン・アメリカというキャラクターに理解と敬意を持って臨んでいることが窺える。心配は不要かと。
 
  FREE COMIC BOOK DAY でシリーズのプロローグとなる小編が刊行された。 COMIXOLOGY などから無料で入手可能なので気になる方は実際に読んでみたら良い。

予習に読みたい作品:

SECRET EMPIRE (2017)

FCBD 2018 AVENGERS CAPTAIN AMERICA (2018)


Free Comic Book Day 2018: Avengers/Captain America #1

 

12.THE AMAZING SPIDER-MAN


Amazing Spider-Man by Nick Spencer Vol. 1 (Amazing Spider-Man (2018))


WRITTEN BY NICK SPENCER
ART BY RYAN OTTLEY

 近年はピーターが起業してみたり、スパイダーマンが様々なハイテク技術を駆使して世界を駆け巡ったりとやや変化球な展開が目立った。新シリーズでは” BACK TO BASICS (基本に立ち返る)”を合言葉に地に足の着いたストーリーになる模様。
 …といいつつ、創刊号は宇宙人の侵略にスパイダーマンが立ち向かうというあらすじのようだが果たして。

 10年近くメイン・ライターを務めていた Dan Slott に代わって新たにピーター・パーカー=スパイダーマンの活躍を手がけるのは Nick Spencer 。近年のキャプテン・アメリカの連載と『 SECRET EMPIRE 』は賛否両論だったが、その前に携わっていたスパイダーヴィラン達の物語『 SUPERIOR FOES OF SPIDER-MAN 』は高い評価を得ていた(これに登場したブーメランも今度の新シリーズに関わってくるよう)。
 インタビューで彼は今回シリーズを担当するにあたってスパイダーマン関連のコミックをほぼ全て読んだとも述べているため、レベルの高い物語が期待できる。

 またアートを担当する Ryan Ottley は最近まで IMAGE のオリジナルスーパーヒーロー INVINCIBLE の作画を手がけており、路地裏から宇宙まで様々な規模の戦闘も派手に描けるアーティスト。スケジュールもしっかり守れる人で長期連載を期待できるのも嬉しい。 

予習に読みたい作品:

THE SUPERIOR FOES OF SPIDER-MAN (2013)


13.LIFE OF CAPTAIN MARVEL

画像なし

WRITTEN BY MARGARET STOHL
ART BY CARLOS PACHECO

 今やアベンジャーズのみならずアルファ・フライト(カナダのヒーローチーム)まで率いる1流ヒーローになったキャロル・ダンヴァース。そんな彼女がとある戦闘中のトラブルをきっかけに過去と向き合うという内容の新シリーズ。

 ライターの Margaret Stohl は現行の THE MIGHTY CAPTAIN MARVEL も担当しており、他にもヤングアダルト系の小説やゲームのシナリオなども数多く手がけている。 
 現行シリーズは連載当初こそネガティブな評価も見受けられたが、その後徐々にレベルを上げてきているようなので期待してみたい。

 アートを手がける Carlos Pacheco はスペイン出身のアーティスト。残念ながら私は彼の作品を目にしたことがないのでどうこう言えないが、結構メジャーなタイトルもちょいちょい手がけているみたい。

 幼少時のキャロルを”平凡な少女”風に記したあらすじが、本来もっと野心的な性格である筈の彼女のオリジンを変更するものではないかと一部ファンの不安を煽った。
 しかしインタビューなどを見る限りでは Stohl もそのへんはしっかり承知しているようなので心配はないかと思われる。

予習に読みたい作品:

THE MIGHTY CAPTAIN MARVEL (2017)


14.FANTASTIC FOUR

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WRITTEN BY DAN SLOTT
ART BY SARA PICHELLI

 帰ってきたマーベルのファースト・ファミリー。大人の事情により長らくベンチ入りしていた FF が正式にマーベル・ユニバースへ帰還。
 まだどんなストーリーになるかは明かされていないものの、主だった面子は全員帰還する模様。また、カバーに描かれているフランクリンとヴァレリアのスーツのロゴから Jonathan Hickman 時代に登場したフューチャー・ファウンデーションも復活するのではと目されている。

  AMAZING SPIDER-MAN のライターとして有名な Dan Slott だが、他にも『 SILVER SURFER 』シリーズなんかも手がけておりFF的なセンス・オブ・ワンダーをやれる実力は十分備わっている。
 人間ドラマが若干クサすぎるのではないかと言われることもあるが、 FF なら十分ありだろう。

 アートの Sara Pichelli もこれまで SPIDER-MAN ( Miles Morales 版)や GUARDIANS OF THE GALAXY などに携わっており、申し分のないレベル。
 多くのファンが待ちに待った THE WORLD’S GREATEST COMIC MAGAZINE に期待が高まる。
 
 既にジョニーとベンは MARVEL TWO-in-ONE で活躍しており、そちらに FF 復活の兆しもちょいちょい挟まれるのでチェックしておきたい。

予習に読みたい作品:

MARVEL 2-in-ONE (2017)


15.PUNISHER

画像なし

WRITTEN BY MATTHEW ROSENBERG
ART BY RICCARDO BURCHIELLI

 最近はウォーマシンのスーツを身に着け世界中でブイブイ言わせているパニッシャーことフランク・キャッスル。近いうちにスーツはトニー・スタークらに奪い返される模様で、新シリーズはドクロのシャツにトレンチコートという格好。舞台も NY なら得物も彼らしい形に戻る。

 メイン・ライターは現在もシリーズを担当している Matthew Rosenberg が続投。一見すると原点回帰するように見える新シリーズだが、それまでの話もしっかりと踏まえたストーリーになるみたい。
  Rosenberg はマーベルに来る前、 BLACK MASK STUDIOS から WE CAN NEVER GO HOME や 4 KIDS WALK INTO A BANK などといった作品を手がけており、丁寧な人間ドラマに基づいた意外性のあるストーリーが特徴。
 業界の次世代を牽引する人物とも評されており、1流ライターの登竜門として Jason Aaron や Rick Remender などを輩出した PUNISHER シリーズへの抜擢も頷ける。

 アートの Riccardo Burchielli もかつて DC は VERTIGO で NY を舞台にした戦争物『 DMZ 』を担当していた。市街戦はお手の物の彼ならパニッシャーも派手に描いてくれることだろう。


予習に読みたい作品:

THE PUNISHER (2016)



…と、以上が今回の5作品。同時に『フレッシュ・スタート』のラインナップもこれで全てだ。
 
 気になる作品があったら是非手にとってみよう。
 その際に今回含めこれまでの紹介記事が少しでも参考になれば幸いです、はい。

以下、前2回の紹介記事

www.visbul.com

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