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遂に実現!スピルバーグによるDC最新作『ブラックホーク』とは!?

 ワーナー社が劇場公開作『ブラックホーク』の製作を発表した。
 DCの同名コミックを原作とするこの作品は、長年その映像化を熱望してきたスティーブン・スピルバーグが製作の指揮を執るということもあり、早くも話題を呼んでいる。

 そこで今回はこの『ブラックホーク』という作品の原作コミックがいかなるものなのかざっくりと解説したい。

1.ブラックホークとは?

ブラックホーク』の原作コミックは第2次世界大戦を主な舞台に、エースパイロットと彼が率いる航空隊の活躍を描いた作品である。

 間違える人がたまにいるが、”ブラックホーク”とはこの隊長であるエースパイロットのことを指し、彼が率いる航空隊は「ブラックホークス」あるいは「ブラックホーク・スコードロン(以下簡単に「ブラックホーク隊」)」と呼ばれる。

 チャック・クイデラ、ウィル・アイズナー、ボブ・パウエルらの手によって生み出された彼は1941年に『MILITARY COMICS』 #1でデビュー。戦争物の主人公として登場した彼と仲間達は瞬く間に人気を博し、1944年には自らのタイトル『BLACKHAWK』を獲得するに至る(ナンバリングがやや複雑で#9から始まる)。

 シリーズを刊行していたクオリティ・コミックスが経営難に陥ると、ブラックホークの諸権利は現在のDCコミックス(当時はナショナル・ピリオディカル・パブリケーション)に移るが、ここでDCはクリエイター陣のみならずナンバリングもほぼそのままで続きを刊行するという寛大な措置を与える。

 結果、ブラックホークは有象無象のキャラクターが生まれては消えた1940から50年代のアメコミ業界において、継続的に作品が刊行された数少ないキャラクターの1人となった(同様にこの時代を生き抜いたのはスーパーマンバットマンワンダーウーマンの3人のみ)。

 その後『BLACKHAWK』はミリタリー物というジャンルが衰退していく中、SF要素を含む話やスーパーヴィランに立ち向かう話など作風を変化させたり、またチームに女性メンバーを迎えるなどして時代に対応してみたものの、最終的にシルバーエイジを迎えたスーパーヒーロー旋風に敵わず、1968年の『BLACKHAWK』#242をもって一度廃刊となる。

 
 しかしクリエイターの中にも根強いファンを持つブラックホーク達はミニシリーズなどの形で度々復活を果たす他、クロス・オーバーにも積極的に登場して今ではDCユニバースに欠かせぬ存在となっている。

2.どんな話?

 1939年。ナチスドイツの侵攻により絶体絶命の危機に瀕したポーランド空軍は必至の抵抗を試みるも、フォン・テップ率いるブッチャー隊によって次々と機体を撃ち落とされてしまう。
 残った漆黒の機体も奮戦の末に不時着。パイロットは辛うじて生き延びるものの、その後ブッチャー隊の行った爆撃によって家族を失った彼は復讐を誓って姿を消す。

 しばらく経って再び姿を現した男はブラックホークと名乗り、仲間のブラックホーク隊と共にブッチャー隊を襲撃する。紆余曲折を経てフォン・テップとの決着をつけたブラックホーク達はさらなる戦いの場を求め、大空へ舞い戻っていく。

 …というのがデビューした際のストーリー。

3.チームの概要と代表的なメンバー

チームの概要:
ブラックホーク隊は大西洋上のどこかにあるブラックホーク島を本部としており、黒と青を基調とした隊服を着込んでグラマン社製XF5Fスカイロケット戦闘機を操る。敵の上を取り、"Hawk-a-a-a!"と雄叫びを上げながら急降下する戦法を得意とする。
あと、自作の歌があり、戦闘時や前後に歌うこともある。

主なメンバー:

ブラックホーク:凄腕のパイロットでブラックホーク隊の隊長。

スタニスロス:最初に隊への参加を表明した、ブラックホークの右腕的存在。ポーランド出身。

チャック:米国出身の通信担当。

ヘンドリクソン:オランダ出身でチームの最年配。

アンドレ:やや女たらしのフランス人。爆撃担当。

オラフ:大きな体を持つスウェーデン人。

チョップ・チョップ:中国人。当初はチームのコックで、チームのマスコット的キャラクターだった。格闘技の名人。

レディ・ブラックホーク:ブラックホーク隊に入ることに憧れ訓練を積んできた。後にチーム初の女性メンバーとして迎え入れられる。

ただし、ブラックホークポーランド人になったり米国人になったりするなど、上の設定は全てシリーズによってころころ変わるので注意されたし。

4.DCユニバースとの関係は?

 ブラックホークブラックホーク隊に関する設定は上でも述べたように度々変更するのでDCユニバース内でこれと確立されたものはないに等しい。ある時は第2次世界大戦で枢軸国を相手に活躍した特別航空隊だし、またある時はオリジナルの設定を現代風にアップデートした集団として登場する。

 特にレディ・ブラックホークは現代の女性パイロットとしてオラクルことバーバラ・ゴードン率いるバーズ・オブ・プレイのメンバーとして活躍した。

 先日の大型クロス・オーバーイベント『ダークナイツ:メタル』でもブラックホーク隊はダーク・マルチバースの侵攻をくい止める対黙示録極秘部隊という新たな設定で登場、ケンドラ・サンダース(ホークガール)がレディ・ブラックホークの名で隊長を務めた。


 製作が決まったというだけで、まだスピルバーグが実際にメガホンを取るのかもはっきりしない今回の映画がどのような作品になるか現時点では不透明だが、少なくとも第2次世界大戦を舞台にしたオリジナルシリーズに近い形で実写化されることは間違いないようだ。



 スーパーヒーロー物ではない本作がDCEUの一部になるのかなどといった疑問も含めて、今後の展開が楽しみな『ブラックホーク』 — 今から公開が待ち遠しい作品だ。