VISUAL BULLETS

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マーベル 「フレッシュスタート」 — ここを頑張ってほしい6のポイント

 5月から始まるマーベルの一斉リランチ「フレッシュスタート(以下 FS )」。ここ数年何度も同じ手法が取られてもういい加減にしてほしい気持ちもある一方、編集長も代わったばかりだし、本当にこれで最後にしてくれるのなら応援したい気持ちもあり…。
 そんなアンビバレントな思いを今日は記事にして、 FS でマーベルに頑張って欲しいポイントを挙げていこうと思う。

1.ナンバリングは簡単に

 先日別の記事にも書いたとおり、ここ10年におけるマーベルのリランチ回数はちょっと異常だ。
visualbullets.hatenablog.jp
 売上げランキングなどを見ると「#1」の文字には未だ一定の集客力はあるようだが、他方で#2以降が買われなくなるという弊害も生じている。
  FS では例えば AMAZING SPIDER-MAN なら#1と#801との両方を付ける「デュアル・ナンバリング制」を導入することで、新シリーズ開始を意識しつつも、それまでのナンバリングも保つという戦略のようだが、はっきり言って新規読者にも既存ファンにもややこしいと言わざるを得ない。
 しかも Amazon で確認してみたところ、デュアル・ナンバリング制が導入されるのはあくまでリーフのみの話で、合本は再び「 VOL.1 」からとなるらしい。


Amazing Spider-Man by Nick Spencer Vol. 1 (Amazing Spider-Man (2018))

 もう決まってしまったものを今更やるなとは言わないが、今回で最後にしてほしいものである。

2.値段を据え置きにしよう

 ライバル社の DC が$2.99や$3.99で踏ん張ってるのだ。業界1位でもあれば、ネズミのバックアップもあり、印刷だって自社で賄っているマーベルにもそれができない筈はない。$3.99がデフォ、$4.99、$5.99、しまいには$9.99なんて値札をことあるごとに付けられては流石に消費者の財布も限界だ。本編はいつもと同じ長さなのにスピンオフのプロローグやサイドストーリーでかさ増しした$10リーフより、ページ数もいつも通りなら価格も据え置きの方が喜ぶ読者が多いだろう。

3.クロスオーバーやイベントは厳選して

 そもそもイベントというのは普段直面しないような危機強敵に立ち向かうから興奮するのであって、宇宙存亡の危機にそうポンポン訪れられてはその有り難みが薄れてしまうというもの。
 加えて言うなら世界全体を巻き込むイベントともなると、どうしてもその他各誌も影響を受けざるを得なくなるため、それまでライターが紡いできたストーリーを中断したり、場合によっては破棄せざるを得なくなることもままある。
 まだライターが同じタイトル同士でクロス・オーバーするとかならまだしも、複数のライターを巻き込むようなクロス・オーバー・イベントはしばらく避けておくのが無難だろう。
 滅多に訪れない危機に皆で立ち向かうからこそ読者はドキドキするのだ。

4.天国の回転ドアはほどほどに

 マーベルのみならず近年やたらと使われるようになった天国の回転ドア。死んだヒーローは数年も経てば復活し、主要なヒーローの大半が1回以上死を経験しているというのが現状だ。とりわけここ最近では Jean Grey が蘇り、 Logan が生き返り、 Hulk が再び生を受けと復活劇が続いた。
 陳腐な生死のやり取りで安直な感動を作るのはしばらく避け、物語の展開で読者の心を揺さぶって欲しい。


Phoenix Resurrection: The Return of Jean Grey

5.MCUとは距離を置こう

 映画「アベンジャーズ」のヒットを機に原作コミックのユニバースに MCU の要素が逆輸入されたことは先に挙げた記事でも言及した。そして、そこでも Nick Fury の黒人化を例に挙げて述べたように MCU の要素を無理に取り込もうとすれば既存の原作ファンからの反感は免れない。
 新規読者の開拓なども考えれば MCU を全く無視することができないのもわかるが、安易にキャラクターの設定を擦り合わせたり、似たような名前のイベントをぶつけたりと、あまり気にしすぎるのも考えものだ。
 映像作品にほぼノータッチな DC のドライさを少し見習って、原作は原作の路線を進む気概が…とかなんとか言ってる傍からもう「 INFINITY WARS 」だもんなあ…。


Infinity Countdown Prime (2018) #1

6.キャラクターを尊重するべし

 ここ最近のマーベルではキャップがヒドラの手先と化したり、ピーターがトニー・スターク Lite な経営者になったりと、ややキャラに合わない展開が目立った。話題性という意味では有効なのだろうが、奇をてらうあまりキャラが崩壊して読者が離れてしまうようでは本末転倒だ。


Secret Empire Prelude


Amazing Spider-Man (2015-) #1

  FS でもゴーストライダーアベンジャーズ入りしたり、ブラックパンサーが宇宙に飛び出したりとヒーロー達が公私共に進歩進化するのは大いに歓迎するところだが、それまで積み重ねてきた歴史に敬意ある展開を期待したい。


 …と、勝手気ままに言いたいことを言わせて貰った。どれも私の個人的見解に過ぎないものの、全く的外れでもない筈だ。 FS でこれら全てが改善されるとは思っていないものの、半分くらいは改善されると嬉しい限りだ。
 なんだかんだ大いに期待してはいるので、マーベル頑張って下さい!

 後日、既にタイトルが発表されているFSタイトルに関して個人的な予測と展望を記事にするかもなので乞うご期待!