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B.P.R.D. VOL.7: GARDEN OF SOULS (DARK HORSE, #1 - 5, 2007)

 孤島に誘われた彼に明かされる真実とは……。


B.P.R.D.: Garden of Souls #1

 1859年、英国。ロンドンのとある催しに参加した米国人のオカルティスト Langdon Everett Caul はエジプトで発掘されたミイラの開封ショーに立ち会う。しかしやがて包帯の下から覗いた女性はおもむろに目を見開き……。
 時は経ち、現代。かつて Langdon Caul であり現在はB.P.R.D.のエージェントとして活躍する Abe Sapien のもとへある日、奇妙な小包が送られてくる。中に入っていた葉巻ケースが Caul だった頃の自分のものだと察した彼は、同封されていた地図を頼りに同僚の Daimio と共にインドネシアへ赴く。

  B.P.R.D. シリーズは8冊目。もう HELLBOY のスピンオフとか関係なしにこれ単品でも十分人にオススメできる(無論、 HELLBOY を読んでいればもっと面白い)。それくらいこのシリーズ面白い。少なくとも1冊読み始めると巻の終わりに辿り着くまでやめられないの止まらない。

 クリエイター陣は引き続きストーリーに Mike Mignola と John Arcudi 、作画は Guy Davis にカラーの Dave Stewart 。レターの Clem Robins も変わらず。そういや、この前偶然本屋で Guillermo Del Toro の本を見かけたんで中開いてみたら Davis のアートがてんこもりで大変眼福でした。
 
 さて、前々巻で蛙関連のゴタゴタはとりあえず大きな山場を越えたためか今回も前巻に引き続きそれほどドタバタした印象はない。水面下で各方面動いてこそいるものの、少なくとも本巻で蛙は1匹も登場せず。代わりに今回 B.P.R.D. が立ち向かうのはスチームパンクなロボだのキメラなキモいクリーチャーだのと、これまでとは少々趣きが異なる相手。活躍するのも Abe と Daimio がメインで Liz や Kate 、 Johann らは本部でのほほんとしております。

 ……と、こんな書き方をするとあたかも不完全燃焼な内容なようにも聞こえかねないものの、最初に褒めちぎったことからもわかる通りそんなことは全くございません。
 総力戦ではない分アクションなどの魅力が Abe に凝縮されているし、サーガ全体としてもしっかりと前進している。少なくともこれまで数巻にかけてちょっとずつ小出しにされていた Abe の過去については本巻であらかた出尽くした感じ。

  MARVEL や DC でないことや HELLBOY のスピンオフという位置づけのためか、いまいち過小評価されているような雰囲気が否めない本作。個人的にはもっとたくさんの人に読んで貰いたいところです。そういや風の噂で今度公開する HELLBOY の実写映画に Daimio が登場するとか。なら少なくとも邦訳版は出るのかも。


B.P.R.D.: Garden of Souls #2


B.P.R.D.: Garden of Souls #3


B.P.R.D.: Garden of Souls #4


B.P.R.D.: Garden of Souls #5


B.P.R.D. Volume 7: Garden of Souls